2006年10月28日

イラクの憂鬱と北海道の秋晴れ

 この記事を書いていたときに、憂鬱になりました。金正日のおかげで書きたくもないことまで考えなければならない始末。国際情勢ネタは、触れないことにしておりました。水曜日に『ニュースの深層』を見ていて、さらに気が重くなりました。もちろん、かんべえ師匠の御尊顔を拝見したからではなく、内容を伺っていて鬱になってしまう。ベーカーはともかく、キッシンジャーまでがブッシュ大統領に影響力をもっているとのこと。「テト攻勢」前というキッシンジャーの情勢判断を受けて、ブッシュ大統領がベトナム戦争を持ち出したという話があり、これはさすがにまずい。キッシンジャーの著作、とくに『外交』は本当に勉強になりましたが、アジア情勢での彼の発言は、やはり信用が置けない部分があります。とりわけ中国に甘い。彼の影響力がイラク問題にのみ、限定されるのなら、心配はないのですが。それにしても、キッシンジャーやベーカーなど超大物が表立って口を出すようになって、ブッシュ大統領は、ホワイトハウス内部や閣僚を統制できるのでしょうか。

 極論ですが、イラクだけなら、もっとひどいことを言えば、そこにイランや北朝鮮が加わっても、アメリカは苦しいでしょうが、時間とともに解がでてくる。しかし、そこへ台湾海峡問題が加わると、国際秩序の維持そのものがあやうくなりかねないと考えております。 『台湾の戦略的価値』を訳しながら、岡崎先生が「極端なケース」と表現されている中国による台湾併合が実現しかねない条件が揃ってきているんじゃないかなあと漠然と考えておりました。杞憂であればよいのですが。最悪の場合でも、岡崎先生は希望があると述べられています。もちろん、単なる楽観論ではなく、歴史への洞察に裏打ちされた、認識で漢らしいと思います。ただ、西太平洋からアメリカの影響力が排除されたときに、戦後の国際秩序が保てるのかどうか、私は確信できません。突き放してみれば、キッシンジャーの言うとおり、イラク情勢が「テト攻勢」前で打つ手があるとしても、ブッシュ政権の任期中にイラクから米軍が「解放」される可能性は非常に低いと思います。2008年の大統領選挙が正常に実施されれば、2009年1月には別の政権が誕生しているはずです。ずいぶん先の話じゃないかと思われるかもしれませんが、このような状況下ではあっという間に2年という歳月は流れてしまう。解決の道筋ができれば、まだマシでしょう。

 考えるだけで嫌になりますが、イラクで足止めされ、イラン・北朝鮮という「虫歯」を抱えながら、台湾海峡問題がくると、もちろん、日本の安保環境は北の核武装よりもはるかに悪化します。核武装論議はやりたい方はどうぞという気分です。そんなことより、集団的自衛権の行使と極東の軍事バランスを崩さないよう、自衛隊の空自や海自を中心に「自衛力」をさらに強化することが肝要だと思います。最悪の事態がきた場合でも、それは一時的なものかもしれない。しかし、一時的なものにするには、日本の「自衛力」(普通の国の通常戦力)の強化が不可欠です。北朝鮮の「核武装」ごときで議論が空転してしまうのは見ていられない。

 というわけで、事態の分析能力がありませんので、憂鬱な話はここまで。気分のいい話に転じましょう。昨日の記事で雪斎先生は、やはり「非道」であると実感。人が痛いと言っている「傷口」に塩を塗りこまれそうでこわいのお。

 遅くなりましたが、日本ハムの日本一、おめでとうございます。言いにくいんですが、日本シリーズはやはり一試合も見ずに終わりました。だって、生まれてこの方、日本一になったドラゴンズなど見たことがなく、元ファンの期待値は何度も裏切られた結果、ほぼゼロなのであります。さらに、北海道で止めをさしていただいて、ホッとします。1982年の日本シリーズでナゴヤ球場で西武が胴上げをしたときに、現役ファンとしてはがっくりきましたが、その後のドラキチの乱暴振りにはひきました。爽やかなチームが爽やかな地で胴上げをされて敗れた側もホッとします。ぐだぐだ書いておりますが、おめでとうございます。北海道の秋晴れは、さぞかし爽やかでしょう。

 それにしても、大きい仕事に加えて細々と仕事が積み重なっているので、憂鬱なイラク情勢の話は冷静にできそうにないですね。不幸せな気分なので、ボケない程度に(既にボケてはいるのですが)追っておくことに留めます。
posted by Hache at 00:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 不幸せな寝言