2007年05月14日

北朝鮮の新型ミサイルと東アジアの安保環境

 日曜日にお昼を外で食べながら、『朝日』を手にしたら、北朝鮮の弾道ミサイルの記事が一面にでていて「へえ」と思いました。雪斎先生や長島昭久先生(失礼ながら、ご職業が異なってもどちらも先生と呼ばれる方々ですなあ)の「物騒な」ブログを拝読しながら、どうも北朝鮮の脅威を過小評価していたことに気がつき、核論議についても考え直しておく必要を感じました。そこへ『朝日』の一面の記事がでていたので、思わず目に留まりました。ネットでも配信されておりました。記事の見出しは、「北朝鮮が新型弾道ミサイルか 先月の軍事パレードで公開」です。

 『朝日』の記事によると、新型弾道ミサイルは、旧ソ連が開発した潜水艦発射型ミサイルSS6Nを改良したもので、射程距離は最大で約5,000?qとのこと。グアムが射程内に入ります。4月25日の軍事パレードで12基前後が公開されたとのことですが、発射実験などは確認されておらず、核弾頭搭載能力など具体的な能力は未知のようです。ムスダンリのミサイル基地に配備されていることから、アメリカは「ムスダン」と呼んでいるそうです。さらに、気になるのは固体燃料を用いた弾道ミサイルの開発が進んでいる(日本政府関係筋)とのことで、首領様を侮っていたのはまずいと思いました。私が見落としているだけで、他のメディアによる報道が見当たらないのですが、この件は引き続き確認してゆこうと思います。

 ところで他のブログを読みながら考えていたのは、冷戦後の現在でも、冷戦期のような言論が多いのはなぜだろうということです。安部政権に批判的なことを書いたのは、もう少し安全という「実利」にもとづいて国民を説得してほしいということにつきるのですが、実は、冷戦期のような言説に食傷気味でした。ただ、このような言説がかなりの数にのぼっているのはなぜだろうと。冷静に考えると、安保環境の問題が基本にあるのではないかという当たり前のことに気がついたしだいです。

 ただ、麻生外相の「自由と繁栄の弧」に台湾が含まれていないのはけしからん(かなり単純化しておりますが)という類の批判を見ると、絶望的な気分になります。外務省のHPに掲載されている麻生外相の演説(「新たな安全保障環境における日本とNATO」(平成18年5月4日 ベルギー王国ブリュッセルでの北大西洋理事会(NAC)))で台湾海峡についても言及されています。この件に関しては、こちらの記事で触れました。また、報道でも部分的に取り上げられていましたが、安部総理の演説「日本とNATO:更なる協力に向けて」では中国との「共通の戦略的相互互恵関係」について言及された上で、中国の「急速な国防費の増大、透明性の欠如等のいくつかの不確実性」についても指摘がされています。安部総理の演説では台湾海峡問題への言及はありませんが、麻生外相の演説の内容を否定する話もなく、台湾海峡問題で中国の言い分を飲むようなメッセージは発せられていないということで十分だと思います。

 私自身の問題でゆけば、台湾海峡問題を重視するあまり、北朝鮮の軍事的脅威に関してあまりに軽視する傾向がありました。「時の最果て」の基本は「寝言」であり、「なまもの」は苦手(食べるほうは平気なのですが)なので、まとまりのある記事になるのかわかりませんが、次回は北朝鮮の軍事的脅威がもつ日米同盟へのインパクトについて考えてみます。