2007年09月16日

リーダーの「育て方」(前編)

(@時の最果て)

ハッシュ:おーい。
ボッシュ:…どういうことじゃ?おぬしが起きているとは?
ハッシュ:あのデブから連絡があってな、命の賢者様にお願いがあるそうじゃ。
ボッシュ:どうせ、ジパングの首相がやめてどうたらこうたらについてじゃろ?
ハッシュ:わしにはよくわからないのだが、ジールのときのりーだーの育て方について語ってほしいそうじゃ。
ボッシュ:……。あのデブめ、ワシを釣るのが上手になったのお。ブログなるものを書き始めて、異国の年寄りをいじめることだけが上達するとは、あのデブらしい…。
ハッシュ:……。おぬしを釣る?
ボッシュ:まあ、いい。ところで、ジールのときの話をしろと言うんだったら、おぬし一人でもいいんじゃないのか?
ハッシュ:なんでも、時の賢者と命の賢者の対話でないと、ダメだということらしい。
ボッシュ:要するに、ネタがないわけだな。まあ、付き合うとするか。
ハッシュ:まず、あのデブはとんでもない勘違いをしておるようじゃ。
ボッシュ:ほお。いきなり、それは?
ハッシュ:ワシたちがジール王国の指導者だと思い込んでおるようじゃ。
ボッシュ:……。まあ、ワシたちが女王に進言できる数少ない立場にあったのは事実じゃが。
ハッシュ:困ったことに指導力があると思い込んでおるんじゃ。
ボッシュ:うーむ。ワシたちにとっては女王は、あのデブでもわかるように表現するとじゃな、パトロンみたいなものだ。ワシたちの、趣味みたいなものじゃな、研究を女王が援助し、その結果を女王に話す。頼まれない限り、あれこれ、ジールの運営にワシたちが口をだすことはまずない。あのデブにはわからないだろうが、ワシの知る限り、あのデブの時代より前はほとんどが独裁国家のようなもんじゃ。
ハッシュ:どくさい?
ボッシュ:ちと、乱暴じゃが、ジールでもよい、王様なりがいて、ある領域を支配する。王様が周囲に気の知れた人を集めて、その人たちに言うことを聞くこともあれば、聞かないこともある。どの道、決定するのは、王様じゃ。ただ、支配する領域が増え、いろいろな人がいる状態になると、王の命令に従うとは限らない。よって、みんなの話を聞いたことにする。能率は悪いが、ある程度の規模の領域になると、みなを従わせるのは難しくなるからのお。さらに、別の王様と話し合いもせねばならぬ。ジールの時代には、ジール以外の国が存在しなかったゆえ、ワシらの感覚ではわからぬことが多いんじゃが。けんかをすることもあるが、基本的にはワシの感覚では取引じゃな。力関係が格段に差がある場合は別として、お互いに取引をして、しないよりは双方がマシな状態になるというのが基本じゃ。ただ、取引自体は、独特の要素があるゆえ、王に代わってやるものがでてくる。あのデブの時代なら外交官というところじゃ。
ハッシュ:……。すまないが、ワシにはサッパリじゃ。なにか、付け加えたいのじゃが?
ボッシュ:まあ、おぬしはワシらの中でも政治向きではないタイプだからなあ。ワシとて興味がない話じゃ。
ハッシュ:せいじ?
ボッシュ:……。そこから話を始めると、なんじゃ、リーダーの育て方から話がそれてしまうのお。ジパング全体に関わることから、家族という基本単位まで含めて他人がいて、異なる考えを持っている以上、どのようにお付き合いをするかは考えておかねばならぬ。一番単純な説明は、人間というのは欲で動いているという話じゃな。お互い欲得づくで付き合うなら、取引がなんらかの形で成立する。ただ、場合によっては、どうしても利害があわないことが生ずる。おぬしなら、どうする?
ハッシュ:そうじゃな。ワシにはチンプンカンプンじゃが、とりあえず、譲れるところは譲って、ほしいものを頂くしかないのお。
ボッシュ:おぬしのような物分りのよい人物ばかりだったら、政治もいらんのじゃ。要は、人を動かすときに、利益で誘導するか、相手の感情に訴えるか、論理で説得するか、力で強制するかという選択肢が生じる。もちろん、これらを組み合わせてもよい。ワシからすると、政治というのはいかに自分の思惑とできうる限り合致するように、他人を動かす術じゃ。おおかた、あのデブのいうリーダーというのは、政治に携わる人たち、狭く言えば、今のジパングの国であったり地方自治体のことじゃろう。ワシみたいな政治とは無縁の者からすると、よき指導者とは他人を上手に動かす者であり、悪しき指導者とは他人を動かすことができない、あるいは、最悪の場合、指導者に反発することが名誉となるような状態にしてしまう者じゃな。この場合、もはや指導者の地位にいるのは難しい。
ハッシュ:しかし、他人を動かすといっても、相手も人間じゃ。自分の思ったとおりにゆかないのが普通じゃないのか?おぬしがうまいと思っても、ワシはまずいと思うかも知れぬ。あるいは、建物を建てたとして、ワシが便利になっても、おぬしの家が日陰になったりして不満かもしれぬ。みんなが全体のためになるなら、自分が損をしてもよいというほどお人よしならじゃな、まとめる人がいなくてもまとまるんじゃろうが、そうじゃないのを無理にまとめても、どの道、バラバラになるだけじゃないのかね?
ボッシュ:問題はそこじゃ。バラバラになっても、不都合がなければ、なにもまとめる必要はない。ワシらの商売でも、なにからなにまで自分でやっておる人もいる。頭が下がるばかりじゃ。しかし、ワシより料理が上手な者もいれば、勘定を上手にやる者もいる。お客さんに受ける者もいる。バラバラでやっているよりも、ワシの下でまとまった方が、結果的にじゃが、それぞれの特技が生きてきて、お客さんは喜ぶし、店も儲かるんじゃ。いわゆる分業の利益というやつじゃ。
ハッシュ:しかし、それは、おぬしの店の話だろうに。ジパングにはもっといろんな人がいるはずじゃ。たとえば、あのデブなど、おぬしの店では役に立たぬだろうに。
ボッシュ:……あのデブはお断りじゃな。あのデブにカネを払うぐらいなら、そうでなくてもやっておるが、寄付でもするところじゃ。話がそれるから元に戻すと、それと、おぬしの言うとおり、わしの店の場合なら、まだ目的が限定されておる。実際は、そう単純でもないんじゃが、お客さんが喜んでカネを払い、ワシたちが儲かるという点がぬけてしまえば、ワシの店もあのデブログ(「あのデブのブログ」が正しいようで、命の賢者様がかんでしまったようです:書記係)と変わらぬ状態になって終わりじゃ。おぬしが言いたいのは、ワシたちがジールの立場だったらという話じゃろ?
ハッシュ:まあ、そうだな。ただし、ワシたちには向いているとは思えないんじゃが。
ボッシュ:うーむ、あのデブが重い話題を振るからのお。どうしたものやら。

(@時の最果て)

ハッシュ:おや、またお客さんだ。
:客人って。あの、ここは?
ハッシュ:ここは、『時の最果て』……。 時間のまよい子が、行き着く所だ。お前さん、どっから来なすった?
:西暦1578年のリスボンからです。
ボッシュ:おい、これはいったい?
:Hacheさんはいますか?
ハッシュ:……。ハッシュならワシじゃが。
:……数日でここまで老けられてしまうとは。しかも、ずいぶんお痩せになったようで。
ハッシュ:よもや、あのデブのことかね。
ボッシュ:……。
:別人でしたか。失礼しました。私はラファエルと申します。
ハッシュ・ボッシュ:ラファエル?
ラファエル:はじめまして。私は商会の総帥をしております。
ハッシュ:ほお。ということはボッシュのことは知っておるかね。ここのご老人じゃ。
ラファエル:……すみません。初めてです。
ボッシュ:ううむ。どうして、こんなトコに着ちゃったのかな?
ラファエル:Hacheさんを泊めた部屋に不思議な青い光があって、近づいたら、吸い込まれまして、こちらへ。
ハッシュ:ちょっと、お待ち。1、2、……本当だ。増えておる。
ラファエル:ところで、お二人は、Hacheさんのことはご存知ですか?
ボッシュ:あのデブとはずいぶん違うのお。見るからに総帥という感じじゃ。しっかりしておる。
ハッシュ:商会というのは何をしておるのかね?
ラファエル:基本的には船乗りと思っていただければ。例えば日本でとれた真珠をロンドンで売りさばく。あとは、王様やギルドで依頼されて海賊を退治することもあります。もう、僕は引退しましたが。今では、探検がメインになりまして、世界地図の完成まであと一歩です。ついでといってはなんですが、世界中の文書を集めて仲間に研究してもらっております。
ハッシュ:……。想像を絶するのお。それで、あなたは、あのデブをどうして知っておるかな?
ラファエル:私どもの商会、カストール商会と申しますが、今では七つの海を自由に航行しております。このような規模になったのは、Hacheさんのおかげです。
ボッシュ:……信じられん。あのデブが坊やと一緒に船に乗って世界中を旅したということかね?
ラファエル:……。坊やはやめてください。
ボッシュ:……。これは失礼。
ラファエル:Hacheさんは僕の時代よりも400年以上の方のようですが、わが商会が世界を旅することができるようになったのは、あの方のおかげですよ。
ハッシュ:そういえば、日本と言っておったが、ジパングのことかね?
ラファエル:昔は、そのように呼んでいたようですね。
ボッシュ:なにしろ、「日の本の国」じゃからのお。
ラファエル:ま、まさか、あなたはクルシマの親分の?
ボッシュ:……。ワシはボッシュじゃ。信じてもらえないかもしれないが、あのデブの時代から約1万2千年以上前の時代から、あのデブの国にとばされたんじゃ。こちらの御仁も昔はワシとともにジールという古代文明で生活しておった。
ラファエル:……。びっくりしますが、それでは今では日本の方ですか?
ボッシュ:まあ、住んでいるところはそうじゃな。ところで、どういう展開なのか、後であのデブに説明してもらうとして、まずは、ラファエル総帥の歓迎会じゃな。
ハッシュ:まさか、あのデブめ。わざとじゃな?

 あちゃあ。私も想定していない展開で「リーダーの育て方」はどうなるんでしょ?だいたいですな、スクエアのキャラとコーエーのキャラが語り合うなんて、普通じゃないですね。時の最果てでは「時の最果て」以上になんでもありですか。そうですか。

 なんだか、この展開ではまとまりそうにないですが、「テロ特措法」に限定しても、小泉政権での「官邸主導」と安倍政権のリーダーシップは異なって当然かと。テロの衝撃の大きさは、当時と今ではあまりに受け止めが違います。リーダーシップのあり方を考えるのには好材料ですが、「官邸主導」という「器」を当時の状況から切り離して、それを使いこなせない安倍総理を批判しても、あまり生産的ではないでしょう。もう少し、論点を整理しないと、「小泉時代はよかった」としかならないでしょう。まずは、大雑把に、「内閣官房」と「自民党」+「公明党」の関係、「内閣官房」と「官僚機構」の関係ぐらいは区別しないと。もちろん、両者が一体になって「官邸主導」が成立しているわけですが、国民の大多数が自民党の「統治能力」が地に落ちたと感じた時点での小泉政権への期待値とある程度、「路線」が見えていて「統治能力」への信頼度が回復した時点での「期待値」は異なりますし、自民党内での権力基盤が弱かった小泉政権と比較的、安定していた安倍政権(このあたりも、かえって安倍政権のリーダーシップにはマイナスだったのかもしれませんが)でもリーダーシップのあり方は異なって当然だと思います。また、戦前の総理の権限が弱かったのは、大日本帝国憲法の規定が大きいわけですから、戦後憲法でこの点は改善しています。

 それにしても、「改革を後退させるな」とか「福田さんでもうダメポ」とか、気が短いと申しましょうか、こらえ性がないと申しましょうか、「日経ネットPLUS+」で拝見した「識者」の方々には本当についてゆけないなと(かんべえさんの文章が、失礼ながら、他の方よりも際立って卓見のように映ります)。松尾文夫さんのHPで「拉致敗戦」を拝読すると、「レジームチェンジ」はなかったというあたりはやはり意外性がないのですが、アメリカの交渉者の根気強さを読み落としていたことに気がつきます。向こうは5年や10年のスパンで外交政策を考えているのに、この国はその日暮。彼我「兵力」の差を感じますね。あえていえば、この国の指導者の質が低いならば、それは彼らを評価する準指導者層の質の低さの反映でもあるとすら思います。島国の強み(忘れやすい)でもあり、弱み(事後的に百年単位どころか十年単位ですら実際的な歴史の評価ができない)というありきたりな「寝言」しか浮かばない状況は、ただ萎えるばかり。

 安倍総理の辞意表明のおかげで何年かぶりに「報道ステーション」を見ましたが、麻生候補に「拉致問題で譲るわけにはゆきませんよね」とどこまで本気かわからないのですが古館さんが迫っていて、こういう「世論」が為政者の選択肢を狭めるんだよなあとも。麻生候補の答えも萎えましたが。「失言禁物」の状態だけにしょうがないのでしょうが、米朝接近で拉致問題で強硬姿勢のみをとるのは愚策ですが、言い換えれば、北朝鮮が日本との対話を欲していることもはっきりしていて、小泉訪朝直後ほどではないでしょうが、日朝の「対話」の値打ちが上がっていることも自明。本格的な国内向けの説得のためのロジックは練る必要があるのでしょうが、金正日が中露よりも日米韓との関係に信をおいているというのは、油断できない部分もあるのでしょうが、六ヶ国協議とは切り離して、拉致問題の解決に関して日朝交渉を行うには日本側にとっても、悪くない環境でしょう。ことがことだけに、日本人の情から入って理で説得するという「定石」だけでは非常に困難だとは思いますが、「戦略的広報外交」の一部は国内世論をいかに適切な方向に導いてゆくのかという点が抜けてしまうと、実現可能性は乏しいように思います。

 ラファエル総帥が登場したのでふと思いましたが、嵐のときには港へ危険を避けるというのは、嵐の中を進むとは違った勇気がいります。あえて申せば、この種のリーダーがいないことが、昭和期以降のリーダーの欠陥でしょうか。


 続きを読む