2007年10月02日

「フフン語」が日本を覆う?

 久々の「かんべえ節」にしびれました。「極悪」たるものこうあらねばならぬ。しかるに、2002年の6月7日(金)の「不規則発言」でこのようなつつましいことをおっしゃっている方に、欲を説かれても、説得力に欠けますね。まあ、「マジレス」すると、日本の資本市場は「発展途上」で、確かにチャンスかもしれないが、現状で荒稼ぎするほどのスキルがあるのかなあと。バカにしているわけではなく、馬鹿げた失敗を乗り越えながら、市場は成長してゆくものですが、まだ、火事場で稼ぐほどのところまで成熟していないというのが、現状なのでしょうか。

 それにしても、どこかの島国の内閣総理大臣所信表明演説というのは、退屈なものでして、聞いていて眠たくなるものですが、活字で読むと、違った味わいがありますね。「昔はいけていたのに、党首になってから小沢さんの顔に似てきて、なんかむかつくのよ」などと周囲でため息混じりに評される、ある女性党首の評によると、「優等生の作文」だそうで。以下、「多重人格」風に「フフン語」、あるいは「フフン節」を味わってみましょう。

(なんちゃって「優等生」モード)

 さて、「第166回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説」「第168回国会における福田内閣総理大臣所信表明演説」を読み比べると、両政権での「レトリック」の違いはあるものの、個々の論点について共通する部分が多いことにも驚かされます。「改革の継続と安定した成長」は小泉・安倍路線の継承であり、「消費税を含む税体系の抜本的改革」などは「火種」になる部分もありますが、両演説でまったく同様の表現が用いられています。また、「教育の再生」という点では、安倍総理ほど多くを割かれておりませんが、基本的な方向をより穏健な形で継承することも明言されております。細かい点ですが、道州制の導入という点ではほとんど安倍政権の方向性を継承しているともいえましょう。これからの福田内閣の「統治」の成り行きを見てゆかなければ、これらがお題目にすぎないのかを見極めることはできませんが、「安倍カラー」の一掃という見方はあまりに一面的でしょう。

(なんちゃって「国士様」モード)

 しかるに、福田総理の所信表明演説は、わが国の社会の根幹を歪め、安倍前総理が目指した、「美しい国」、「戦後レジーム」からの脱却など「安倍カラー」を脱色し、「フフン語」福田総理のカラーに染め上げようとする悪意に満ちている。例えば、「教育の再生」の直後に「男女共同参画社会」が登場しているが、「子育てを支える社会の実現」というスローガンの下、安倍政権の教育再生を換骨奪胎しようとする危険な発言だ。「日米同盟の堅持」という表現は、「世界とアジアのための日米同盟」、とりわけ集団的自衛権の行使に踏み込んだ安倍政権からの後退にほかならない。

 さらに、許しがたいことに、「すべての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現し」という表現に続く、「『不幸な過去』を清算して日朝国交正常化を図るべく、最大限の努力を行います」というのは、拉致問題の真相究明、責任者の明確化と処分などを曖昧にし、「日朝国交正常化」ありきの対北朝鮮政策を明確に表明したといわざるをえない。このような姿勢は、単に拉致問題で譲歩を意味するだけでなく、現在の北朝鮮政府の正統性とは無関係な過去の植民地支配というレトリックによってソ連の指導の下、朝鮮戦争で戦禍を巻き起こし、拉致という国家的犯罪を免罪しかねない危険な態度だ。

 安倍総理は、「拉致問題の(全面的)解決なくして、日朝国交正常化はありえません」と毅然とした態度を示した。この点に関しては、断固たる圧力の下、近年まで犯してきた北朝鮮の国家的犯罪の全面解明を迫り、拉致問題に関して北朝鮮が対話に応じることが筋であって、「不幸な過去」は拉致という国家的犯罪を正当化するものではない。さらに、そのような行為を犯した上にその事実を認めようとしない北朝鮮政府に「不幸な過去」の清算を主張する正統性はまるでないことを明確にすべきだ。

(いかれた「外道」モード)

 「『不幸な過去』の清算」という表現を読むと、底意なく笑えます。まるで、お互い打算づくの愛人関係の清算のときに用いるフレーズのよう。

:あのときは済まなかった。あのときは本気だった。今でも嘘はない。
:言葉だけでは信用できないわ。誠意を見せて。
:心から悪かったと思っている。この通りだ(土下座)。
:もう言葉はいいのよ。あなたの誠意を見せてほしいの。2兆円で手を打つわ。
:…。悪いが、それは払えない。
:やっぱり、誠意がないのね。1兆円でどう?
:5,000億。俺にも立場があるんだ。
:やっぱり誠意がないわね。
:……コメ支援じゃダメ?
:あ〜あ、なんでこんな甲斐性のない男に騙されたのかしら。

 日韓併合だけでなく、それ以前の戦前の蛮行や併合後の朝鮮半島の人々へ与えた様々な民族の誇りを傷つけた、その傷跡が今でも残っていることは理解できても、現代で「『不幸な過去』の清算」と言われると、どこか白けた気分になりますね。

 まあ、こんな妄想をするのもありでしょうか。

フフン:「不幸な過去」を清算して日朝国交正常化を図るべく、最大限の努力を行います。
ダメポ:……私の中にこないで!
フフン:「不幸な過去」を清算して日朝国交正常化を図るべく、最大限の努力を行います。
ダメポ:私の心の中に入ってこないで!!
中継者:ジミンにシャミンの心がわかるというの!?
ダメポ:(う、嘘よ!)優等生的発言だわ(……汚された)。

 元ネタがわからない方は、勝手に探してください(かなり薄味に仕上げております。濃いのを書いてしまうと、「ヲタ」のレッテルが怖いのお)。まあ、くだらない妄想ですんで、読み流していただくのが幸いかと。もちろん、福田総理が精神攻撃をしていたというつもりは毛頭なく、大真面目な話だということぐらいは承知いたしております。ただ、靖国参拝をしてしまうと、この効力が失われてしまうので、しばらく凍結しても「かまわん!」というところですね。「外道」というより「キ○ガイ」の妄想ということで。

(むすび)

 日朝国交正常化に偏りましたが、野党との「対話」、「国民の皆様の目線」以上にさりげなく冒頭で公明党との連立に腐心する姿勢は福田総理らしい感覚でしょうか。小泉改革の継承、安倍政権の成果をより確実にするなど、全体として福田政権は従来の政権の路線を急激に転換させるのではなく、時間をかけて、よきものを定着させることを通して独自色を発揮させてゆこうという姿勢が見えます。具体的な施策は抽象的な部分もありますが、想定していた以上に堅実な印象も。問題は、そのような時間が福田総理に与えられるかどうか。「政治とカネ」という自民党のお約束の自滅パターンがくすぶっている状況では、公明党の離反もありうる、厳しい状況のように思います。他方で、福田政権の意外な「したたかさ」を民主党をはじめ、野党が過小評価すれば、ずるずると福田政権の地味ながらも、穏健なリーダーシップに屈するのでしょう。


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