2008年07月01日

波乱と安定した「8年間」

 昨日の「寝言」を書きながら、妙な疑問が頭をよぎりました。そういえば、この国では「反米」や「嫌米」という風潮があまり強くないけれども、理由がよくわからないなあという漠然としたものです。もっとも、私が鈍感なだけで、世間ではそういう風潮があるのかもしれませんが。テロ支援国指定解除をめぐって、全国紙でもアメリカの対北朝鮮外交を批判する社説がありましたが、「反米」や「嫌米」といった雰囲気はあまり感じませんでした。核の無能力化に関する交渉は懸念を覚える部分はありますが。私自身がそのような言論がなんとなく軽薄だと感じるから鈍いだけかもしれませんが、先進国の中でもアメリカへの反発が抑制されている印象があります。ただし、以前、閣僚からこんな発言があって、うんざりしたことはありましたが。

 冷たい表現をすれば、アフガニスタンにおける掃討作戦でもイラク戦争においても、やはり自衛隊が戦闘部隊として派遣され、戦死者がでていないことが大きいという感覚があります。高坂正堯先生のあまりに赤裸々な表現を拝借しますと、「通商国家は戦争をしないか、あるいは避けようとする。しかし、平和を作るための崇高な努力もしない。それはただ、より強力な国々が作り出す国際関係を利用する」。このような「平和的な政策」がこのまま維持できるのか、またそれが戦略的発想から導かれた政策なのかは疑問の余地がありますが、極東に限定しても、「パワー」たりえない国としては、限られた選択肢の中でやりくりをしてゆくほかないのでしょう。仮に、極東でもアメリカの外交的影響力が一時的に低下しても、打算からすれば選択肢はそれほど多くないと素人目には映ります。

 話が変わりますが、以前、「日米浪花節論」という私みたいな義理人情に疎い人間にはピンとこない話もありましたが、ブッシュ大統領の北朝鮮に関するスピーチを読むと、ブッシュ政権特有のことなのかもしれませんが、日米関係というのはこの8年間、特殊な関係にあったのだなあと感じました。大統領のスピーチ後の記者会見としては率直すぎるぐらいブッシュ大統領個人の感情が表現されていると感じました。 

 I remember meeting a mother of a child who was abducted by the North Koreans right here in the Oval Office. It was a heart-wrenching moment to listen to the mother talk about what it was like to lose her daughter. And it is important for the Japanese people to know that the United States will not abandon our strong ally and friend when it comes to helping resolve that issue.


 例によってとりとめがなくなってきましたが、他国はわかりませんが、ブッシュ政権の時代というのは日本人からすると、波乱に満ちていたし、難しい決断を迫られる局面も多々あったものの、意外とこの国を取り巻く環境が安定していた時期として懐かしむ時代がくるのかもしれません。中東に限定しても、アメリカの外交的影響力の低下が事実ならば、この国の安全に直接、脅威を高めるものではないにしても、不確実性が増すのだろうと。そのことはこの国の選択肢が多いかのような印象を与えるのかもしれません。そんな時期がきたとしても、この国が実現可能な選択肢はそれほど多くないということをわきまえておくだけでも、十分に「戦略的」なのではないかという「寝言」が浮かびます。
posted by Hache at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | まじめな?寝言