2008年10月15日

小春日和

 雨が降ると、足のむくみがひどくなります。今日も、意外と辛い一日でした。10月と11月は過ごしやすい半面、服装が難しい時期です。だんだんと寒くなるのに備えていると、小春日和がやってきて、再び寒さが増し、体調を崩すことも少なくないです。最近は、夏と冬の境目が以前よりも不明瞭になってしまった印象がありますが。

 13日が体育の日でよかったですね。14日には前日のニューヨーク市場を受けて、東京証券市場も大活況。本格的な冬を迎える前の小春日和の感覚です。感覚なので根拠はありませんが、季節が冬に向かうときでも、平坦に気温が低下することはむしろまれでしょう。ただ、金融資産や証券化商品などのプライシングが機能しない状態で資本注入が機能するのかなと。もちろん、なにもしないでいてもプライシングが機能しない状態が続けば、金融市場は現在の資源配分と将来の資源配分を結ぶ機能を果たすことはできないのですが。

 ブッシュ大統領の2008年10月14日の演説に次のような表現がありました。

 In a few moments, Secretary Paulson and other members of my Working Group on Financial Markets will explain these steps in greater detail. They will make clear that each of these new programs contains safeguards to protect the taxpayers. They will make clear that the government's role will be limited and temporary. And they will make clear that these measures are not intended to take over the free market, but to preserve it.

 もちろん、意図としてはアメリカをはじめヨーロッパ各国がとっている政策は、「自由市場にとってかわるのではなく、自由市場を守る」ことにあるのでしょう。採用されている政策があまりに多様なので、私の手に負えない部分もありますが、銀行間取引の保護など市場を崩壊させないためにはやむをえない措置が多く含まれているように思います。しかし、あらためて大雑把とはいえ、政策を見ていると、事実上、意図と反して金融市場の役割を政府が果たさざるをえなくなるのではと感じます。それが一時的なのか、出口がないのかはわからないのですが。仮に、一時的であったとしても、果たして、そこで生じる様々な非効率に民間部門がたえられるのかどうか。もちろん、ウォール街に象徴される国際金融市場がこれだけ非効率を発生させ、放置すれば機能麻痺になりかねない状態では、政府介入は不可欠でしょう。社会主義と揶揄するのは容易ですが、分権的な資源配分メカニズムは自壊することもあることを端的に示しているのでしょう。

 ただ、政府が市場に代わってプライシングの機能を果たすのは非常に難しいと思います。様々な非効率が発生するでしょう。短期間で終われば、金融市場よりもときには高いパフォーマンスを示すこともありえます。しかし、現状では、金融市場のプライシングをすべて政府が代替するわけではなく、金融市場以外の市場では価格による調整が行われています。もちろん、金融市場以外の市場でプライシングに政府が関与している場合がないわけではなく、場合によっては市場を機能させるために関与していますが、部分的な場合ですら、適切なプライシングが実行されない場合、資源の浪費や逆に供給不足が生じてしまいます。あえて「適切なプライシング」と表現しましたが、それは「最適(optimal)」のような強い意味ではなく、政府がコントロールする手段のなかで比較的、非効率が少ないという意味でしかありません。かならずしも、そのような市場の規模は全体と比較すれば小さいので、非効率があっても、民間部門の負担は、特定の主体に集中してしまう傾向がありますが、全体としてたえられないというほどではないという程度にはひどいものです。

 他方で、金融市場は規模もさることながら、現在の資源配分と将来の資源配分を結ぶという役割をもっています。くどいようですが、金融市場の混乱による機能の麻痺はたえがたいものです。しかし、政府が金融市場のコアの部分でプライシングを行うことにも大きなリスクが生じます。資産の買取価格を適切に定めることができるのかという問題も大きいのですが、金融市場におけるプライシングの機能麻痺に公的介入を行った場合、政府による肩代わりは最終的に民間部門が負担しなければなりません。元は、金融機関が起こしたことですから、このこと自体は当然ですが、政府によるプライシングの代替が長引けば、民間部門が様々な非効率を負担する必要が出てきます。他方で、金融市場が再び政府の手から離れてそのような負担にたえられるような日がいつくるのかは、定かではありません。

 私自身は、年をとってから冬が楽しい季節になりました。散歩をしていれば自然に体が温かくなり、寒いというほどではない冬が増えたのでしょう。しかし、厳しい冬にはそうもいきますまい。しばらくは小春日和のなかでぼんやりとすごすのも悪くないのかもしれません。
posted by Hache at 00:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 気分しだいの寝言