2008年11月02日

田母神俊雄航空幕僚長の「日本は侵略国家であったのか」に関する英米の反応

 田母神俊雄航空幕僚長の「日本は侵略国家であったのか」という作文が2008年10月31日、アパグループ第一回「真の近現代史観」懸賞論文最優秀藤誠志賞を受賞されたそうです。上記の受賞作は、アパグループのHPに日本語だけでなく英語版もPDFでアップされています。同日、田母神航空幕僚長は航空幕僚監部付となったそうです。内容を読みますと、「よその国がやったから日本もやっていいということにはならないが、日本だけが侵略国家だといわれる筋合いもない」という程度の話の気もしましたが、日米戦争に至るプロセスで、「ヴェノナファイルというアメリカの公式文書」にもとづいて、ハル・ノートの書いたとされるハリー・ホワイトがコミンテルンのスパイだったと断定しています。

 また、田母神氏によれば、「ルーズベルトは戦争をしないという公約で大統領になったため、日米戦争を開始するにはどうしても見かけ上日本に第1撃を引かせる必要があった。日本はルーズベルトの仕掛けた罠にはまり真珠湾攻撃を決行することになる」だそうです。アパグループの「真の近現代史観」の第1回の懸賞論文で最優秀藤誠志賞に選ばれたのは、このような現代の「タブー」に挑戦する作文でした。

 英語版が出されたせいか、海外でもそれなりに報道がされているようです。ネットでも注目されているBBCの"Japan air force chief faces sack"(参照)では日米開戦の経緯に関する田母神氏の主張を簡潔に要約しています。

He also argued that Japan was drawn into World War II by then US President Franklin D Roosevelt.

He said Roosevelt had been manipulated by the Comintern, the international communist organisation founded in Moscow in 1919.


 BBCはとくにこの点に関して論評しておりませんが、サイトを見ると、真珠湾攻撃の写真が掲載されています。これを見ろというところでしょうか。また、元の作文では「ローズヴェルトがコミンテルンに操られていた」とまでは断定していないと思いますが、まあ、そう読まれてもしかたがない叙述ではあります。読みようによっては、ローズヴェルトが狡猾かつ愚鈍だったとも読めますし。

 また、AP配信の記事がInternational Herald Tribune紙やWashington Post紙などで配信されているようです(参照)。こちらも、田母神氏の韓国併合や日中戦争などに関する叙述を引用していますが、とくに論評らしきものは見当たりません。淡々と叙述を引用しております。その上で、こちらが本題でしょうが、田母神氏の日米開戦の経緯に関する叙述をBBCよりもやや詳細に引用しております。

Tamogami also claimed that Japan was tricked into attacking Pearl Harbor on December 7, 1941, by U.S. President Franklin D. Roosevelt.

Japan was "snared in a trap that was very carefully laid by the United States in order to draw Japan into a war," he wrote.

"Roosevelt had become president on his public pledge not to go to war, so in order to start a war between the United States and Japan, it had to appear that Japan took the first shot. Japan was caught in Roosevelt's trap and carried out the attack on Pearl Harbor," he wrote.

 通信社電ですので論評が少ないだけかもしれませんが、愚論には余計な反論や評価を加えずに、それ自体、淡々と語らせるという英米紙の流儀なのかもしれません。私の深読みですが、軽蔑している感じもいたしますが。まあ、この件がなくても、どのみち、アメリカの極東、ひいてはアジアにおける第1のパートナーは中国になるのでしょう。度重なる防衛省・自衛隊の不祥事を見ておりますと、日米同盟などと称するのはおこがましく、日米安全保障条約をどうやって維持してゆくのか、腐心してゆくのが肝心なのでしょう。


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