2008年11月04日

田母神作文よりも大切なこと

 連休中、どうしてこんなにだるいんだろう、何もやる気がおきないんだろう、うつ病なのかと思っておりました。病院で血圧を図ってもらうついでに体温を測定したところ、37.0度ジャスト。血圧は92で看護婦さんがびっくりしていて、私の方が「こんなもんですよ」と話しておりました。前回の採血の結果を伺いながら、おっさんの口を「あ〜ん」してとやらなくてはならないお医者様も大変だなあと思いながら、「風邪ですな」の診断。SARSとかだったら大変ですが、咳もなく、微熱が続いているようで、とりあえず、休暇をとってくださいなとのこと。まあ、現実には断れない仕事が山積していて、寝ているわけにはゆかないのがつらいのではありますが。

 診察後は、心電図に採血。採血のときに、看護婦さんが「今日は気もちいいぐらい、よくでますねえ」とニコニコしているので、「まさか血が止まらないってこと?」と不安になりましたが、「ね、ピューという音がしてるでしょ?これだけ勢いがいいと気もちいいですね」(危ない人と見られていると思っていたのは自意識過剰だっただけで天然の方なのかも)とおっしゃるので、「うーん、血が有り余っているから抜いていただいた方がいいかもしれないですね」と囁くと、ニコッとしていました(医学用語がわからないのですが、毎回4本分ぐらい採血していただいております)。ちとエロイ会話のような気もしますが、今日も痛みがなく、ありがとうございましたと言って、会計を済ませました。風邪薬に抗生物質を服用するのは2年ぶりぐらいで、もう眠たいので、今日はいつよりはるかに手短に参ります。

 若い人で某巨大掲示板群を見ていそうな人に、字をわざと書き間違えて「俺のボケが始まるのもコミンテルンの陰謀」とやったら、耐え切れないのが約2名。私も見ているとわかって調子に乗りやがって、「作業が進まないのも」といいかけた瞬間に、「それは君の能力の問題」とマジレスしたら不満そうだったので、そういえば、あのお方は公務員の身分で個人献金していたんだよなとネタをあげると、「それじゃあ、日教組とたいして変わらないんじゃないですか」とびっくりしていました。

 そう言われれば、同一視はできませんが、似ていないこともないなあと。相手を自分の思想に取り込もうとしようとしているのに、妙に押し付けがましいあたりとか、敵視している勢力が消えてしまえばこの世が一気に明るくなるという奇妙な「楽観論」あたりですね。話が例によって、とりとめがなくなりますが、私自身の日教組へのスタンスは、あくまで労働組合として活動すること(勤務時間内の組合活動は論外)、教員である以上、職務上の言動に関して政治的中立を守ってほしいというあたりですが、国旗・国歌はわからないところが多くて、今ひとつピンとこないです。記憶に残っているところでは浜松市の小学校の卒業式と中学校の入学式・卒業式、静岡市の高校の入学式・卒業式ですが、全部、国旗は当然で国歌斉唱も当たり前だったので、騒いでいる方たちはいったいどんな教育を受けてきたのだろうかと。国旗掲揚・国歌斉唱は当たり前じゃないのかと思うのですが、そうじゃないからどうすると言われても、普通のことを普通にやれとしか言いようがなく、われながら無策。もっとも、思想がどうとかよりも、単純に大都市圏の公教育が崩壊しているだけではと思ったりします。

 うっかりしておりましたが、防衛省・自衛隊のHP内の「報告書等」で平成20年(2008年)3月21日には「護衛艦『しらね』の火災事案について」、「イージスシステムに係る特別防衛秘密流出事案について」の報告書がでていて、どちらも読むと非常に深刻な問題だなあと。「艦船事故調査委員会による調査について」にあまりに力を使いすぎている気もします。もちろん、あたごと漁船の衝突事故も不幸ではありますが、いかれた「外道」の目には前二者のほうがはるかに防衛への影響が大きいと感じますので。とくに、「イージスシステムに係る特別防衛秘密流出事案」に関しては、報道よりも報告書の方が、間接的な表現が多いところが部外者にはわかりにくい点も多いのですが、事態の深刻さを浮き彫りにしているように感じました。前空幕長(IMEがバカすぎるのでうっかり「空爆長」と変換しかねないのが怖いのですが)の騒ぎが収まってからでないと、単なる防衛省・自衛隊バッシングととられかねないですし、軍事音痴で理解が行き届かないことを痛感する上に、風邪もきついので落ち着いてからにします。ただ気になるところは山ほどあり、たとえば報告書本体の「2 調査結果」(2頁)の冒頭(「(1)プログラム業務隊関連 ア 流出した資料の作成」)から問題の難しさを感じます。

 イージスシステム等のプログラムの作成、維持管理等を担当する部隊であったプログラム業務隊(横須賀)のプログラム第2科に勤務する3等海佐G、3等海佐H、3等海佐Iは、平成9年頃から12年頃までにかけて、同部隊への新着任者の教育に使用する目的で、米国留学中に得たイージスシステムへの新着任者の教育に使用する目的で、米国留学中に得たイージスシステムの性能等に関する知識や米国から供与された文書等を参考に、「イージス概要」と題するパワーポイント資料等の教育用資料を作成した。
 これら資料の中には、日米相互防衛援助協定等に基づき米国から供与された装備品の性能等についての情報が含まれていたことから、「日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法」に規定する特別防衛秘密(以下「特別防衛秘密という。)に該当するものがあったが、特別防衛秘密としての登録は行われないなど不適切に取り扱われた。

 最初の方で躓いては、しみじみこの問題を論じるには力不足だなと思うのですが、このあまりに淡白な叙述では、官公庁の文書なのでやたらと「等」がついてそれ以外がそもそもあるのか、存在するとしてどのような規定なのかという問題はやむをえないとしても、次の3点がわかりません。第1に、「『イージス概要』と題するパワーポイント資料等の教育用資料」に特別防衛秘密に属する事柄を含めなければ、資料ができなかったのかという点です。どうも、ここでの叙述ではわからない。もちろん、教育用資料とはいえ、海自が「装備品の性能等」について無知では困るのでしょうが、「日米相互防衛援助協定等に基づき米国から供与された装備品の性能等についての情報」を含める必要があったのかどうかということです。第2に、「日米相互防衛援助協定等に基づき米国から供与された装備品の性能等についての情報」が特別防衛秘密に該当するのか否かという問題について資料を作成したとされている海佐3名がどのように自覚していたのかという点です。この点に関しても、調査結果としては非常に不満です。第3に、「イージス概要」が特別防衛秘密としての登録を行うか行わないのかの判断を行うべき主体が資料作成者にあるのか、資料作成の上長にあるのかがまるでわからない。報告書の内容の信憑性が疑わしいのではなくて、責任と権限の所在と関係に関する分析がどうも不明瞭な印象があります。防衛機密に関わることなので、すべてを公表するべきだとは思わないのですが、資料作成段階から報告書では曖昧な点が多く、分析ができない印象があります。これを読んで、そんなこともわからないドさんぴんには「猫に小判」なんだよと麻生首相にすごまれたら、つい納得してしまいそうですが。

 ただし、報告書の「4 事案が与えた影響」には次のように記されています。

 本調査において、特別防衛秘密の自衛隊外への流出は確認されなかったものの、イージスシステムに係る秘密情報が、海上自衛隊内において多数の隊員へ流出し、また、一部隊員はそれを自宅で保有していたなど外部流出のおそれも否定できない状況が存在していたことは、情報保全に係る極めて重大な問題であり、海上自衛隊、ひいては防衛省全体としての情報保全体制に対する国民の大きな不信を招くとともに、日米安全保障体制や関係国との関係にも影響を及ぼしかねないものであった。また、自衛隊内においても、隊員の士気に多大な影響を与えることとなった(11頁)。

 イージスシステムに関する情報漏えいは、直接的な国民の不信はもちろんですが、日米安全保障体制への影響を通して間接的な国民、あるいは国益を害する部分が大きいとはいえ、やはり私たちがこのような問題に関心を持ち続けてゆく必要があるのだろうと。ただ、私のようなど素人にはわからない話も多いので、現在でも防衛省は努力されていると思いますが、必要な情報を丁寧に公開していただきたいです。不祥事なども、世論では単なる勧善懲悪に流れやすいのはある程度まではいたしかたないので、事実の確定と分析という地味な作業をいっそう丁寧にやっていただきたいと思います。「しらね」のCICにおける火災に関する報告書を読むと、なかなか難しいことも理解できるのですが。

 八つ当たりではなく、マスメディアは扇情的にビジュアルでわかりやすい「あたご」の事故ばかりを報道するのではなく、地味でわかりにくいが影響が甚大になる可能性のある事案に継続的な報道を願いたいと思います。と書いた瞬間に、「まあ、メディアに期待するなんて、『こみん☆てるん』にローズヴェルトが操られていたと考える人たちを説得できると考えるの同じぐらい無駄な話だな」と涅槃の境地になりそうなのが、悲しいと感じる程度には不幸せではありますが。


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