2008年11月09日

田岡元帥が語る"Dr. Strangelove"の世界

 某巨大掲示板群に田岡俊次氏の『愛川欽也のパックイン・ジャーナル』における発言の一部が紹介されていました。そんなに間違ってもいないのですが、微妙にニュアンスが伝わっていなかったような。「元帥」というあだ名(あるいは「逆神」)は、マスコミ板の「田岡俊次を囲む会」(2001年ごろかな)で知りましたですね、はい。過去ログを読みたい方はご自由にネットで検索してください。それにしても、立場が違うがゆえに痛いところをついてきますね。ちなみに、この番組を見ていた時期もありますが、いつだったか、金美齢さんが本当に怒ってしまったとき以来、まったく見なくなりました。以下は、番組(2時間)の最後の約30分で田母神前航空幕僚長更迭の話題における田岡元帥の発言を適当に抜き出したものです。幕僚長の水準という国家機密を漏らしてしまったという皮肉はネットで散々、見ているので省きましたです。

 番組全体の雰囲気は、左派の立場から、(1)田母神氏の歴史認識が事実のレベルで間違っている、(2)政府の対応のまずさを追求すべき、(3)今週の国会で野党がもっと追及すべきというあたりでしょうか。

○問題なのは、彼が奇矯な人物でも、突飛な人物でもないってことなんです。一番正統的な教育を受けて、防大を出て、幹部学校、指揮幕僚課程というエリートの学校を出て、優秀な成績で……37歳で中佐ね、二佐ね、41歳で大佐とかね。抜群の出世をずっとしてきて……。これがまだまともな人なんです。

→この後も、「まだマシな方」とか「自衛隊は世間知らず」など悪意はこもっている表現が多いものの、まあ、わからんでもないなあという話を連発。

○大臣が不快を表明したら、栗栖さんは辞表をもってきた。ところが、彼はもってこなかった。防衛省は頭を抱えた。彼は日本の高官の伝統文化を破壊した(日本の伝統文化を守れといっている人こそが破壊したという皮肉)。

→確かに、高位高官らしからぬ振る舞いと対応で疲れました。はい。外野で見ていても疲れるので、ひそかに中で疲れた方に敬礼!元帥の話では、高官が辞表を出すときに、審理にかける必要はございませんと一筆添えるんだそうです。前空幕長は辞表を出さないだけでなく、審理にかけてくれと開き直った。それで、やむをえず、退職扱いにしたとのこと。手続きの細かい点を理解していないので私の聞き間違いかも。

○更迭の理由は官房長に文書で届を出して承認をえなかったこと。防衛大の学生ですら、外で論文を発表するときには律儀に官房長に届けを出して承認をえている。

→スタジオ内の雰囲気では歴史観がおかしいからといって更迭するわけにはゆかないから、更迭する理由はないじゃないかという話に元帥が反論。政府の立場を元帥が説明するうるわしい光景。

○(メディアはなんでもっと田母神氏の歴史認識を追及しないのだという意見に対して)実は、新聞記者も自信がない。下手に手出しをすると足元をすくわれるので、勇気がない。

→番組では張作霖爆殺事件などをはじめ、おかしな点が指摘されていたものの、この種の陰謀論に反論するには、反論する側の能力が低いと、一つでも不正確な知識があると、陰謀論を主張する側が「それ見たことか!」となるので、臆病なジャーナリストを批判はできないですな。

○(APAの懸賞論文に自衛隊員が多数、応募しているのは防衛省に責任があるという批判に対して)『産経』、『正論』ばかり読んでいるのが多い。(だからといって)『産経』、『正論』ばかり読んでるのが、けしからん、危険思想とまではいいにくい。

→うーむ、こんな「正論」を出されてしまうと、参りますなあ。そこまで単純な話でもないでしょうが、まあ、わかりやすいのは間違いないか。

○空幕長だけじゃなくて、彼に対する内局の措置がけしからんと言って航空自衛隊がほとんど団結していると。広報だって内局に言うらしんですよ。いろんなメールがきておりますと。国民の8割は田母神空将を支持しておりますと。

→とどめの一言。これにはぐうの音も出ない。この話題は打ち切りにしようという気分にしてくれた一言。獅子咆哮弾(完成型)をいくらでも打てそうな気分です(まさに「「重い『気』を生じ『気』を落とし、『気』が沈む…」)。

 元帥をはじめ、スタジオの皆さん、とっても嬉しそうでしたね。もう、この話題をやっていると、抑鬱を超えて涅槃の境地に達しそうなので(なんだかリアルで"Dr. Strangelove"を経験した気分)、これにておしまい。


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