2009年03月24日

Public Private Partnership Investment Program(特典画像あり)

 いまだに体調が悪い状態です。発熱に動悸、目のかゆみに鼻のむずむず感と集中力を事欠く状態。なんとなく健康状態が悪いと悪いニュースばかり拾ってしまうのでしょうが、日曜日には「オバマ政権が一気に乱気流に巻き込まれてコントロールが難しくなりつつある印象です」とまで書いていて、自分でも精神的に参っているんだなあと。日曜日には日本の論調をあえて相手にしましたが、もはや無視に近い状態です。いまだに、アメリカのおかげでひどい目にあっているという被害者意識が抜けない話がほとんどでうんざりします。

 体調の悪いときには、ついつい日本語の記事も読んでしまうのですが、アメリカが没落するか否かを心配する前に、若年層の雇用のセーフティネットには無関心な割りに、その世代に支えてもらうであろう方たちが年金だけは死守というのがミエミエで、フランスみたいなお国柄でなくてよかったですね。アメリカが経済政策で混乱気味だったのは英字紙でも明白でしたので、非常に憂鬱でした。率直に言えば、日本やその他の先進国よりもアメリカの景気回復が早く(それがいつになるのかは現時点では見通しが立ちませんが)、その他の先進国はそれなりに没落するなり停滞する期間が続くだろうと見ておりましたので。

 それにしても、1月にPCが復旧したものの、相変わらず、不安定な状態です。この「寝言」も途中まで書いていたら、突然、再起動して、消えてしまいました。時間がないので、ざっくりした話にします。現時点では、不確実な要素が大きいだけでなく、私自身が消化不良の部分もありますし。

 それにしても先週までの米紙におけるガイトナー財務長官の叩かれ方は尋常ではなく、さすがに動揺しましたが、月曜日に、"Public Private Partnership Investment Program"(参照)がプレスリリースされて、かなり練られた案だなと思いました。財務省のプログラムでは、図に示されているように、米紙で"toxic assets"と呼ばれている"legacy assets"を"legacy loan"と"legacy securities"にわけています。政府が自己資本の50%を資金供与する投資ファンドの設立という新しい枠組みを創設して、FDICやFRBのTALFを統合的に活用して、融資(legacy loan)と証券(legacy securities)の双方に対応する案です。ここでポイントになるのが、金融市場のプライシングが機能不全の状態で政府が関与して金融市場を補完し、政府の関与の下とはいえ市場機構を活用することが基本になっていることでしょうか。

 TARPのときに問題となった政府が不良資産を買い入れる際の価格の問題を売却する金融機関のインセンティブを考慮するとともに、納税者の負担を抑えるという難題に解をただちに与えるのかは、現時点では評価できないでしょうが、擬似的とはいえ、政府が市場を活用するというのは試してみる価値があるでしょう。全部とりあげるのが面倒になったので、"legacy loan"の問題を見てみましょう。なお、財務省のプレスリリースとWall Street Journalの"Treasury Unveils Toxic-Asset Plan, Citing 'Acute Pressure' on Banks"(参照)がソースです。

 まず、FDICの監督下で銀行から不良資産を買い入れる投資ファンドを設立し、財務省が自己資本の50%を提供します。投資ファンドのマネジャーは民間から募り、不良資産のマネジメントができるスキルがあるのかを審査した上で採用されるようです。売り手となる金融機関は売却する資産のうちエクィティ部分を負債の6分の1に抑える必要があります。レバレッジ自体を否定しているわけではなく、リスク資産のうち、かなりの部分を身奇麗にした上で、FDICの精査を経た上で保証が与えられるという仕組みです。したがって、このプログラムが理想的に機能すれば金融機関へ過度のレバレッジによるリスクを負担させた上で"toxit assets"の毒を抑制を図るインセンティブを与えるでしょう。

 また、購入する資産はまったくの安全資産ではないので納税者に負担が生じるリスクが生じますが、金融機関に対してリスクを抑えるインセンティブとFDICによる保証を与えることで金融機関サイドの売却のインセンティブと納税者の負担というトレードオフを完全には解消しないものの、相反する利益を妥協させることが可能になるでしょう。やはり、金融市場の問題はプライシングが機能しないことによって不良資産の問題が解決しないことですが、現状ではあくまで実験的な試みではありますが、根本的な問題に解を与える可能性を十分にもった案だと思います。

 "legacy securities"に関してはTALFが活用されるとのことで、こちらがより厄介な問題が多いとは思いますが、レバレッジを積極的に活用して住宅用モーゲージや商業用モーゲージ、その他の資産担保証券を購入するというのは、"The resulting process of price discovery will also reduce the uncertainty surrounding the financial institutions holding these securities, potentially enabling them to raise new private capital"という状況を生む可能性があるでしょう。TARP導入前後に問題となった不良資産の買入価格の問題に解を与えるだけでなく、それ以外の資産の価格発見機能を回復させる効果が生じるかもしれません。

 なお、WSJの記事では、ガイトナー財務長官がスウェーデンや日本の事例も参考にした上で、スウェーデンのような国有化は複雑なアメリカの金融市場では適さないと指摘しています。もちろん、スウェーデンの金融市場が単純だということではないと思いますが(このあたりの表現は若干、政治的配慮を欠いているようにも思います)。日本でも国有化しなければ解決しないだろうが、アメリカでは金融機関に限らず、企業の国有化には抵抗が多いから抜本的に解決するのには時間がかかるだろうという意見も少なからずありました。

 アメリカでは企業の国有化が行うことに抵抗があるのは事実でしょうし、今回の事態の場合、国有化も手段の一つでしょうが、それでは解決しない問題を見落としていると思います。今回の事態では、証券化商品だけでなく、金融市場のプライシングが機能しておらず、国有化をしても、金融機関の救済にはなっても、市場機構の回復には至らず、場合によっては国有化にもかかわらず、プライシングが機能しない状態が続く可能性が無視できません。

 昨年、"bail out"が相次いだために、金融機関の経営が安定化することばかりが金融市場の安定化と同義であるかのような話が日本では多かったのですが、プライシングが機能しなければ、国有化したところで、とりあえず金融機関の動揺は一時的に収まっても、金融市場そのものの機能が回復するのにはあまりに時間がかかるでしょう。今回の案の成否は、率直なところ、実施しなければ機能するかどうか、判断に苦しむ部分が大きいのですが、単に金融機関の経営問題だけではなく、金融市場におけるプライシングの回復にもつながる案として期待したいです。

 ちょっと株価上昇が期待先行で不安もありますが、このプログラムが機能すれば、現時点ではどの時期にという予想はできませんが、金融安定化は大幅に前進するでしょう。この国のアメリカの不幸を内心、嘲る傾向が強いだけに、根っから母上から救いようのない「ひねくれ者」と面と向かって言われた私はどんどんとオバマ政権の支持に傾きつつあります。


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2009年03月22日

とてつもない国をつくるわよ(実践編) 国際経済の危機と『三國志VIII』?

 いろいろ慌しいようですが、原因不明の発熱に花粉症の潜在的症状などで集中力がまとまらない状態です。A.I.Gのボーナス問題では、だいたい米紙はポピュリズム批判と金融安定化への支障となりかねないことを主張している状態で、ごもっとも。対象となる範囲は経営者だけではなく、トレーダーにも及ぶようで、邦字紙の報道よりもかなり広いようです。主たる問題は、(1)法的問題(法の不遡及に反する)、(2)金融安定化のために必要な資金を受け入れるインセンティブを殺いでしまうこと、(3)公的資金を受け入れている金融機関から人材が流出したり、努力を行うインセンティブを損なうリスクなどでしょうか。下院で成立した法案があまりに筋が悪いことは明白でしょうが、それ以上にこのような法案がでてくる素地が気になります。"populist anger"(House Approves 90% Tax on Bonuses After Bailouts(参照))というのはあまりに抽象的で(たぶんアメリカ人には自明だからでしょうが)、どのあたりで感覚的につかめるのだろうかと。もちろん、損失を垂れ流して公的資金を受け入れている金融機関が多額のボーナスを手に入れるというのはあまり不条理だという感情はわかりますが、どのあたりでそういう雰囲気が表出しているのかがわかりにくいです。

 ただし、経営責任の問題を先送りしてきたこと自体は事実でして、The Market Tickerでも、"AIG Derivatives Guys: Just Do It (Seppuku)"(参照)を見たときに、やっぱりこれですかという感じ。昨年の9月から急激にバタバタと対策がとられて、ことが急を要する自体だっただけに経営責任の問題を先送りしたこと自体は賢明だったと思いますが、この問題がすっきりしないのは事実でしょう。以前、金融機関に対して過度に懲罰的になることを懸念した「寝言」も書きましたが、先週の半ばぐらいまでMadoffが話題にならない日がないぐらいのおかげで、金融業界以外の人々がどのように業界を見ているのかは容易に想像がつく上に、Madoffの話題が大きすぎて、端緒となったサブプライムモーゲージに象徴される腐敗の問題などはあまりに先送りされてきた感もあります。ガイトナー財務長官までが腐敗した一部ととられ、オバマ大統領の説得力が低下するのは非常に危険な状態です。あれこれ書こうかなと思いましたが、既にまとめている方も少なくないので、メモ程度で終了です。これはうっかりしておりましたが、この問題で身動きがとれなくなることは容易に予想できることですが、その場合には経済合理性の問題の範囲外だから、ブッシュ政権がすべて悪いという形で処理するしかないのではと思いましたが、人事を考えると、継続性を重視したために、それ自体はまともな判断だと思いますが、政治的な解がないまま推移するリスクが高いでしょう。さらに、アフガニスタン問題でチェイニー前副大統領がオバマ政権の政策批判をして、オバマ大統領がちょっと感情的ではないかという反論を行うなど、オバマ政権が一気に乱気流に巻き込まれてコントロールが難しくなりつつある印象です。

 「日本経済の将来構造はいかにあるべきか」という話が少ないというご意見もあるようですが、アメリカ経済自体が見通しが立たず、EU圏はさらに深刻な信用リスクを抱えている現状でそのような動向から切り離して日本経済について論じるのは限界があまりに大きいでしょう。外交問題でアメリカやその他の国の情勢を考慮せずに外交政策を論じるのと同じ程度にナンセンスな話です。相互依存が深化した世界で日本だけがアメリカがどう転んでも保険をかけるというのは無意味な議論でしょう。

 嫌らしく名指ししませんが、「経済のサービス化」は先進国共通の現象で、特定の政策によってもたらされているわけではなく、就業者別でみれば、1970年代初頭がが第2次産業に従事する就業者の割合がピークに達した時期です。この30年間でも1980年に第2次産業の就業者数は全産業の約34.8%でしたが、2005年には約27.0%に低下しています。そもそも経済の場合、政策的な誘導が所期の目的とは反したり、思わぬ結果を招くことが少なくありません。戦後復興期ならばともかく、高度経済成長期でも政府が日本経済の「あるべき姿」を描いてそれに民間がついてゆくという時代ではなく、池田内閣の「所得倍増計画」が象徴的ですが、経済政策から独立して経済の進むであろう方向性を敏感にかぎとってそれに政府が追従してゆく方向へと転換してきました。

 今後、必要になってくるのは、市場では解決できない問題に政府がどのように関与してゆくのかという消極的な問題であり、そのような消極的な姿勢ですら、経済を撹乱する効果をもつことに十分な配慮をどのように行うのかという技術的な問題です。技術的な問題であって、イデオロギーや「べき論」などは捨ててかかるべきというのが私のイデオロギーです。今回の金融危機ですら、市場が機能不全に陥っても、金融市場で過剰な介入を行えば、市場はそれに応じて反応しているのが現状です。「かくあるべし」という壮大な構想にもとづく議論ではなく、より事実を重んじ、後追い的と批判されながらも市場を用心深く損なわないように政府が補完してゆく政策が必要でしょう。

 一例を挙げれば、医療などで「市場原理」なるものをさらに導入するべきという議論もありますが、あまり同意しかねます。医療の特性や既存の制度があえて乱暴に表現すれば、供給側である医療機関、需要側である患者あるいは予防医療を含めた利用者にどのようなインセンティブを与えているのかを無視して、一方で単にカネを増やし(これは政府の権限を強める方向に作用するでしょう)、他方で「市場原理」の導入というのはわかりづらいでしょう。個々の市場(医療分野がそこまで金銭的なインセンティブで動いているのかは用心深く評価する必要がありますが)の特性を無視した「グランドデザイン」など無意味な時代です。ただし、国際通貨体制は究極的には市場のように自発的に形成されえない部分が大きく、今後も金融危機への対応からどのような変化が生じるのかを冷静に観察するのが最もプライオリティの高い分野でしょう。もっとも、これとて事前の「グランドデザイン」にもとづいて今後、再構築されるのかすら先入観をもたないほうがよいだろうと考えます。


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posted by Hache at 07:08| Comment(0) | TrackBack(0) | まじめな?寝言

2009年03月16日

時代は時代 私は私

 「なまもの」を食べすぎたせいか、「寝言」も浮かばなくなりました。某ブログのコメント欄でいまだに日本はバカにされているだの、お手並み拝見だの、他人事感満載のコメントを拝見すると、ダメだこりゃと。上は上で銀行が潰れる事態には至っていないとか、やらないはずの「追加経済対策」なるものが検討されるなど、混乱の極み。もっとも、この国の場合は見苦しいで済みますが、ガイトナーのモーゲージへの救済策には反発も強く、モーゲージでもたもたしているうちにまだまだクレジットカードの問題があるよとか、金融不安はいまだ収まらず。株価が下がったときばかり騒ぐのはいかがなものかという意見もかなり前にみかけましたが、騒ぐという感覚よりも、企業業績や個人の所得減少を考えると、どの水準まで低下して低位安定するのかが問題なのではと思ったりします。今回の事態は恐慌というよりも、一回ガクンと経済活動が落ち込んで底を這う「L字型」になるのではという話も耳にしましたが、これには苦笑せざるをえず、それを大不況と呼ぶのか恐慌と呼ぶのかは、かなりの部分、主観に属する問題でしょう。戦後40年近く続いた景気循環から乖離した動きをしているのが現状ですから。それにしても、ガイトナーの説得力が落ち、オバマもエスニック問題で党派的な解決を選んでいると批判される現状を見ると、アメリカも政情が不安定になるリスクが無視できず、本当に嫌になります。アメリカ人自身が選んだ顔を汚せば、アメリカの権威は地に落ちる。まかり間違えれば、時代は乱世でしょうか。

 他方、『産経』がこの一週間、一面に西松建設ばかりで見た瞬間、ゴミ箱行きです。英字紙も読んでいて楽しいわけではないので、頭を切り替えようとでかけたり、ゲームをしたりとダメな生活の連続。クリアーしようという気さえなければ『三國志[』は結構、楽しめるのでやっていましたが、セーブデータがすさまじいです。これは意図してもできないよなあと思いながら、自分のブログを検索したら、だいたい1年前だったのねと感心しました。気がついたら、自作機に切り替える前でして、よくデータが残っていたなあと。どうも旧PCの電源が不調で動かなくなってから、HDDを取り外してデータだけ全部、吸い取っていたんでした。本当にどうでもいいことに関しては手回しがよいものだとわれながらびっくりします。そういえば、「寝言」にしていたような気がしたので、自分で検索すると、昨年の3月にやっていたのでした。

 システムをまるで把握せずに、適当にやっていただけなのですが、あまりの人生の急転回に驚いた覚えがあります。宛にいた頃はまだしも、荊南で軍師といっても、戦闘は皆無でしたので、指揮をとるなど無謀。張宝と直接戦闘したのは2回だけで、2回目は配下武将に任せてしまいましたが、私の指揮の拙さで勝利したものの、徒に味方だけではなく、敵も死者が多く、耐えられなくなりました。所詮はゲームなのですが、やはり戦争というのは悲しいものだとしみじみ思います。反戦平和の徒ではないのですが、やはり戦争というのは相手を殺しにゆくことであり、当然、反撃を受けて味方も死ぬという自明のことを忘れて、軽々に事を起こすものではないことを実感します。リアルでは経験したくもない話ですが。また、他方で最後の手段としての戦争というものを見ないようにするという傾向には違和感がありますが。

 話がうってかわりますが、私の見通しがよいとは自分でも思えないのですが、昨年の暮れまで日本経済は他の国と比べて「傷」が浅いという見方が強かったことに驚きますが、私が情報不足なだけでIMFの見通しとかまるであてにしていなかったからなのでしょう。どうも、私みたいに泥臭いデータばかり見ていた人間にはわからないのですが、金融危機の影響をマクロ的に洗練された手法で加工されたデータを見ていた人は慌てて軌道修正をしたようで、「全治3年」とは一線を画している方でも、成長率の見通しの変化やGDPギャップの推計の変化から、財政出動に積極的になっているようです。率直に言えば、大いに違和感があります。

 集計された需要量(それも金額)に対応する財政政策を行ったところで、需要が不足している市場で需要が増加するかが素朴に疑問に感じますし、そもそも個々の市場(これも定義は難しい部分がありますが)において需要が不足している状態に政府が介入するべきなのかという積極的な理由がいまだにわからない部分があります。"Buy American"の問題は保護主義の文脈で問題となることが多く、私もそのような扱いをしておりますが、恥ずかしいことを言えば、本当の問題は、そんなムダなことをやりたくなる政府のインセンティブの方だという感じでしょうか。雇用の維持を政策目標に掲げると、おかしなことばかりが生じるというのが、あまにナイーブですが、率直な実感です。社会保障関係費の増額も一見、筋がよさそうに見えますが、医療や介護に限らず、人材が育つためには時間がかかり、短期的な景気刺激として行う話ではないだろうという感覚があります。また、はるか昔になりますが、高齢者の医療費無料など政治的なバイアスがかかりやすい分野であることも要注意でしょう。


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posted by Hache at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 気分しだいの寝言

2009年03月12日

米国における地上デジタル完全移行延期の周辺

 なんだかんだで疲労がたまっているようで、「寝言」もあまり浮かばない状態なのですが、政府紙幣では使い物にならないでしょうから、政党紙幣を発行して、自民党ならば麻生太郎氏の肖像画入りの紙幣を発行して総裁の印を入れた上で「但し、私が総裁である限り有効」とか民主党ならば小沢氏の肖像画入りの紙幣を発行してやはり代表の印を入れた上で「私の秘書が起訴されるまで有効」と但書を加えて紙幣を発行して、どちらの信用が高いかを格付け、ないしレーティングして(単位:ジンバブエ・ドル)、両党から密約をとりつけて、わが「時の最果て」で独占的に情報を集約して公表すれば、一夜にして大金持ちかもなどとバカな与太話を各所で飛ばしたところ、バカにされながらも、どちらの政党も、過疎ブログも信用がおけないから、あっという間に消費が増えるかもなどと本当にバカにされて悔しい思いをいたしました。まさか、本物の官邸から政府紙幣などというものがまともに検討されるかもなどというシグナルがでるとは迂闊でした。これを検討するだけでも、まさに「とてつもない国」でありまして、もはやこの国の「脳死」ぶり、もといいかれっぷり、もとい素晴らしい頭脳にさすがに「寝言」ばかり書いている私めも目を向く有様であります。マジですか?

 それはともかく、まじめな方というのはどこにもいらっしゃるもので、オバマ政権は政権発足以前から地上デジタル放送への完全移行予定日を延期しているのは知っておりましたが、いよいよ政権発足後、大統領令に署名してこれはちと異様な印象があり、とある研究会に顔を出しました。テレビの視聴者を一括して消費者とみなすのは若干、抵抗があるものの、海の向こうではCATVの普及率が55%前後に上るわけでして、そのアメリカですら地上アナログ放送の低波が延期されるというのはちと意外ではあります。

 背景には地デジへの移行が進まない世帯が無視できないことがあるのは容易に推測できますが、他方で延期すれば放送局とてバカにならない費用が生じるわけでして、すっきりしない状態でした。「通信と放送の融合」などといっても、単に事業者サイドの話でありまして、利用者からすれば率直なところ、こんなもんかいなという程度の話。帯域の再配分が目玉とわかっていても、普通の人にはなんかテレビ映像がきれいだわねという程度の話でありまして、なかなか実感できないものであります。オバマ大統領の決断そのものの説明はあまりありませんでしたが、20枚を超えるスライドを1時間を超えて聞いていても眠くならない話というのは誠に珍しく、午前はまさに「脳死」状態の私も真剣にメモをとりながら聞いてしまいました。

 ブッシュ政権下で"Deficit Reduction Act of 2005"が議会でなんとか成立し、法の一部で"rural development"の一環として6億ドルが予算として計上され、9,000万ドルが地上デジタルへの完全移行の周知徹底に利用されることが可能になったことにことが始まるそうです。米国の場合、地上デジタルが視聴可能になるコンバータの購入に40ドルのクーポンが各世帯に2枚配布されることになりましたが、利用率は2008年末時点で52.5%に留まりました。ただし、クーポンの利用率が低いこと自体は、概ね各世帯に2台とみなされているテレビのうち、実際にコンバータをつけるのは1台のみに留まるなどのケースが多く、また有効期限が9ヶ月(以下、メモと記憶によりますので、オフレコ懇での某官房副長官の発言とは異なりますが、誤りを含んでいるかもしれません。どこぞの官房副長官ほど面の皮が厚くないので、すべての誤りは私の記憶とメモの誤りに起因することを明記いたします)に設定されているためにそのうち買おうとクーポンをもらったものの、有効期限をすぎてしまうケースも少なくないそうです。

 米国ではアナログ受信機に接続するコンバータの価格は50ドル前後であり、高くても80ドル程度であり、現在、1万2,000円する日本のコンバータと比較してはるかに低価格で供給されているそうです。なお、わが国でコンバータの価格が高いのは地デジ対応TVを盛んに製造している大手家電メーカーが製造を行っていないことが大きく、その理由は書くまでもないでしょう。いや、まったく非難の意図はありませんですよ。

 2008年末の時点で地上デジタルへの移行に対応できていない世帯は全米で約15%超に上るそうです。なお、わが国では対応している世帯に関して様々なデータがあるそうですが、50%をなんとか超えるという調査が最大とのことで2011年7月を目途に低波されることを考えると、まさにとてつもなく低い数字ですが、それはさておき、アメリカ。問題は、マイノリティ(黒人、ヒスパニッシュ、中国系移民など)や高齢者層であり、地上アナログ停波の周知を連邦および地方政府や業界団体だけではなく、LCCR(公民権運動)やAARP(高齢者団体)などの非営利団体が補完しているそうです。ただし、非営利団体は圧力団体としての性格も強く、AARPなどはとりわけ高齢化率が先進国の中でも低い米国では突出した力をもっているようですが。

 マイノリティ向けの啓蒙パンフレットの実物も回覧されましたが、よく見ると、ヒスパニッシュや中国系移民だけではなく、アラブ系移民向けのものがあり、米国のマイノリティ事情に詳しくない私には比率がわかりませんが、アラブ系移民の比率が今後、高まるという予測を裏付けるものでした。ちなみに、日系や韓国系はマイノリティとしては啓蒙対象にはなっていないようで、相対的に米国社会での地位が異なるようです。なお、所得水準との相関は希薄であり、むしろコミュニティとの親和度との関連が深いようです。

 非営利団体の活動は啓蒙に留まらず、技術的なサポートもカバーしているとのことで、中国系移民の家庭が地上デジタルへの対応を目的に新規に受信機を購入したところ、実は対応していなかったというケースも紹介されていました。これが言語の障壁によるコミュニケーションの問題なのか、知識不足の問題なのかは明示されていませんでしたが、無視できないケースとのことでした。ボランティアでコンバータの設置や機器の操作などを行っているようですが、まさに「ドブ板」の活動で、オバマ大統領によるアナログ放送の停波延期は時間稼ぎの側面が強いものの、各種非営利団体から好意的に受け入れられているようです。もちろん、停波延期による費用も相当な金額に上るそうですが、利用者を重視した姿勢を明確に打ち出したことはどこかの島国とはずいぶんな差だなというのが実感です。

 『選択』どこぞの月刊誌がオバマ大統領を叩けば叩くほど、どんどんオバマに好意的になってゆくので相当の偏見が入っているのかもしれませんが。もうね、ネットでも批判的なことを書いてあるところを読んだ後でオバマのスピーチをCNNなどで聴くと、「寝言」を書いている人間が書くのが憚れますが、どこぞの島国のように、与野党ともに説得力のあるリーダーが皆無の状態と比較すると、オバマの冷静なスピーチと聞き手の側にあるという適度のユーモア、そして具体的な内容と聞き入ってしまうのですよ。とことん、性根が曲がっているのを実感しますが、フィーバーを招いた大統領選以前のオバマのスピーチにはあまり感心しませんでしたが、着実にPresidentとしての風格を備えてゆくオバマにすっかり見とれております。


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2009年03月09日

英国が最後の輝きを失うとき

 うーむ。「寝言」をメモ帳に記していたのですが、IE7をいじったら、突然、再起動。嫌になります。もちろん、データをセーブしていなかった私が悪いのですが。どうも、IE7になってからこの種のことが多いのですが、それなりに長くなったのでちょっとショックです。ブログの管理画面でコピーしてリンクを貼ろうとしたら、まさかのフリーズ。そして、再起動。一応、再現してみますが、最初よりもやる気が失せています。それにしても、VISTAのあまりのひどさにXPもSP3以降、わざとマイクロソフトが乗換えを促すように不安定になりやすくしているのではという「陰謀論」に染まりつつあります。

 先週、毎月一回の検診を終えました。昨年の11月から前回の検査(今年の2月)までDダイマーの値が安定しているとのことでした。コレステロールの値が高いので、毎日クレストール錠(5mg)を服用することになりました。どうも、血栓といい、コレステロールといい、食事よりも体質の可能性があるようで、食事はふだん通りで薬を服用して様子を見たいとのことでした。最初に血栓性静脈炎を罹患したときにはワーファリンの効果が阻害されるとのことで、納豆やクロレラ、青汁は控えるように指示を受けました。納豆以外はもともと食べないのであまり影響がなかったと思います。ちなみに、緑黄色野菜も過度に摂取しないように言われたのですが、「過度に」の意味がわからず、尋ねたところ、ピーマンを一日に10個も食べるとかそういうことはやめてほしいとのことでしたので、普通にしていればいいんだなと理解しました。一応これでも病人なのですが、薬は毎日、欠かさず飲まないとまずいので、気を遣うといえば、それぐらいでしょうか。

 もともと日本の新聞やテレビを読んだり見たりしない方ですが、新聞は家に届くので、一面を見るたびに、契約を打ち切りたいなという気分ですが、Wall Street Journalが3月5日に配信したのAlistair Macdonald, "In U.K., Slump Poses Challenge to Support for an Open Economy"(参照)は興味深く読みました。GrimsbyとImminghamというイングランド北東部の港町の現状とイギリス経済の全体像を重ね合わせてゆくという地味な記事です。「イギリスの没落」を論じている記事はいくらでもありますが、観察に徹した、決して読みやすい記事ではありませんでしたが、印象に残りました。

 GrimsbyandとImminghamは、1990年代以降、貿易と資本自由化の進展で外資系の投資が盛んになり、外国人労働者を数多く受け入れました。1995年から2007年の期間でこの二つの港はトン数ベースで52%も物資の出入りが増加しました。現在ではイタリア系移民が締め出される事態になっており、国際的な貿易の縮小がイギリスの地方都市を襲っている現状を冒頭と後半で点描ですが、描いています。話が脱線しますが、イギリスに留学したある官庁の人が「イギリスは階級社会だ」と言っていましたが、私の印象では民族格差社会という感じです。率直に言えば、オバマ大統領を生み出した国とは対照的に、民間企業や官公庁、アカデミズムなどでそれなりの地位の方はほとんど白人でした。極論ですが、安いスーパーでレジを担当しているのはアフリカ系と思しき移民がほとんどで、白人の姿は稀でした。日本でも外国人労働者の問題が既に顕在化していますが、アメリカのように融合してゆくのではなく、イギリスのように分離した状態で棲み分けが進んでゆくのかもしれません。

 グローバル化は冷戦の終わりとともに始まったわけではありませんが(幕末開港期から維新期はまさにグローバル化そのものではないかと思うのですが)、単に市場経済が規模という点で拡大しただけではなく、ある種のアウタルキーを築こうとした試みが破綻した結果として、国際的にヒト・モノ・カネの移動がさらに自由になったことは事実でしょう。英米の「新自由主義」は、なにかイデオロギーから世界を変えるというよりも、1970年代に経験した国際通貨体制の動揺から生じた危機で最も苦しんだ国々が真っ先に改革を必要としたという平板な見方をしております。1990年代後半から2000年代の英米の繁栄はそのような危機の克服が漸く果実として実感できる状態になったということなのでしょう。今回の金融危機は、再び、英米、とりわけイギリスを苦境に立たせました。RBSに続いてLloydsグループも実質的に国有化されるという金融面での危機だけでなく、生産と交易の急激な減少による雇用の喪失は、単に経済の問題だけではなく、イギリス社会の複雑さを考えると、社会統合という面でイギリスを長期的に苦しめる可能性があります。

  On Wednesday U.K. Prime Minister Gordon Brown addressed the U.S. Congress, striking an antiprotectionist note. But with the U.K. in a deepening recession, the British appear to be undergoing a mood swing when it comes to globalization. The small band of Italians became the focus of wildcat strikes last month by an estimated 2,000 workers at power plants and refineries across the U.K. Their message: British jobs for British workers.

 "British jobs for British workers."という場合の"British"とは誰を指すのか。イギリス人といっても、私の印象では自明ではないと感じます。民族差別というよりも、階層が民族で分断されている社会で「イギリス人」という名詞はかならずしも単一性を保障されているわけではないのでしょう。ただ、漠然とグローバル化への反動として国境が強く意識される時代に、一時的な現象で終わる可能性も決して無視できませんが、入りつつあるような印象をもちます。

  Any protectionist campaign here -- such as a "Buy British" effort -- would face another problem: There isn't as much left to protect in a country where manufacturing accounts for 14.3% of the economy, compared with 21.6% in 1995. There are, for instance, few British makers of toys or consumer electronics, and no significant British-owned car makers left.
  In Germany, Europe's largest economy, manufacturing accounts for almost 24% of output. In the U.S., it accounts for even less than in the U.K., at 11.7%.


 以前、こちらの「寝言」で"Buy American"による雇用創出は効果が薄いという指摘をみましたが、事態はイギリスでも同様なのかもしれません。ちなみに、日本の場合、製造業の付加価値がGDPに占める割合は2007年(暦年)で約23.2%でドイツとほぼ同じ水準です。かつて「世界の工場」と呼ばれたイギリスの製造業はここまで縮小したのかと率直に驚きます。経験則にすぎませんが、ペティ=クラークの法則の最先端をゆく英米は、今回の金融危機で最も苦しむことになるのかもしれません。保護主義といっても、既に「誰を(なにを)、誰から(なにから)守るのか」ということがはっきりしない状態です。第2次世界大戦前の時期には、この二つの自由主義のチャンピオンの足元がふらついてもろくも自由貿易は崩れました。今回は、そのような引き金をひくことになるのでしょうか。

 イギリスは、ユーロに参加していないものの、EU加盟国であり、記事のグラフが示すように貿易がGDPに占める割合も、対内直接投資が占める割合も日米と比較して高い状態です。第2次世界大戦後、冷戦という重石を除いて考えても、英仏はまず植民地の処理に苦慮しました。西側陣営の経済復興は目覚しいものがありましたが、相対的に植民地が少なかったドイツ、戦勝国が処理してくれた日本は英仏と比較して、復興というよりも勃興しました。また、ECからEUへと発展してゆくプロセスでは域外への対抗という側面も無視はできないのでしょうが、域内での相互依存ははるかに深化してゆきました。イギリスが大陸とは異なる経済政策をとっていたというのは否定できませんが、イギリス経済はむしろ世界大戦の前よりもはるかに大陸との相互依存を強めていったことは否定できないでしょう。ユーロスターの開通は象徴でしかないのかもしれませんが、イギリスはもはやかつての島国ではありえないことを象徴しているのでしょう。開通直前までイギリスでは感情的な抵抗も強かったようですが、やはり実際に運行が開始されれば、島国という意識も変わってきます。

 また、EUは域内での相互依存を強めたものの、単独では域内の民族紛争を解決する能力をもたないことを露呈しました。さらに、旧植民地であるアフリカや中近東での影響力は地に落ちているといってよいでしょう。軍事、経済のいずれにおいても、イギリスや大陸諸国は国際的なプレイヤーとして行動できないという戦後の力関係を反映しているのでしょう。イギリスの影響力は、むしろ域内で強力であり、欧州委員会の競争政策へかなりの部分が反映されています。他方、域内ですら民族の問題は解決しておらず、今後、経済危機がさらに進行すれば、社会的不安の源となるでしょう。

 1980年代の英米における、いわゆる「新自由主義」や「新保守主義」はあまりにイデオロギーとして理解されがちな印象があります。1970年代の国際通貨体制の危機は米ドルとポンドが中心であり、最も深刻な危機に見舞われた両国が試行錯誤の末、たどり着いたのが資本移動の自由への対応だったという側面が強いと思います。民営化や規制緩和はその一側面にすぎず、根底にあるのは10年以上続いた通貨の問題への対応が1980年代の改革(実際には試行錯誤の時期だったと思いますが)へと進んでいったと思います。その成果がようやく1990年代後半から2000年代にかけて果実として実感できる状態になりましたが、金融市場の自壊によって再び、危機に直面するとともに、果実を味わった時期があまりに短期間であったために、危機を克服したというのは本当だったのだろうかという疑問も生じてくるのかもしれません。1980年代にイギリスに長期留学した方によると、サッチャー政権の下でも、民間部門の硬直化はひどく、平日の夜や日曜には開いている店を探すのが本当に難しく、規制緩和に慎重な方でもあれでは勤労意欲を回復する改革は不可避だったと漏らしておりました。

 元の記事から話がそれましたが、英米で保護主義的な傾向が強まったとしても、象徴的な意味しかもたないのかもしれません。とりわけ、イギリスの場合、国際経済への実質的な影響はほとんど無視できるでしょう。自由主義のリーダーであったイギリスが最後の輝きを失い、西洋文明のルーツが一つ過去形になるという挿話になるのかもしれません。


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2009年03月05日

民主党は党利党略を追求せよ

 民主党は惜しいチャンスを逃しましたねえ。小沢氏が現段階で検察の言い分を認めないのは、事の真偽は別として当事者としては当然でしょう。また、今回の献金が、企業献金を個人の政治資金団体が受け入れることを規制した法に違反するのかは法廷で争えばよいでしょう。代表を辞めれば、疑惑を認めたことになり、小沢氏に対するイメージだけでなく、民主党もダメージコントロールが難しくなるかもしれません。

 しかし、政権与党も目をそむけたくなる惨状で、小沢氏が検察の言い分を否定した上で(くどいようですが法的な問題はあえて触れる必要はないでしょう)、このような疑いがもたれること自体、「矜持」(笑い)から争う構えを見せた上で、党の代表は別の方に譲る、すなわち代表選挙を行うことを提起していれば(タイミングが難しいですが)、苦しいながらも民主党への注目の視点が少しは変わるでしょうし、「政治とカネ」以外の政策論争を行って、一つ間違えば党内が空中分解するかもしれませんが、民主党としての外交・安全保障政策や経済政策に、不満分子が残ったとしても、最低限、方向性が示せれば、自民党も安倍政権のときのようにスキャンダルではなく、国民の信用の源泉である政権担当能力に疑問符がついている状態ですから、民主党への期待値が上昇する可能性はあったでしょう。民主党がなにを考えているのかがわからないというのが、自民党に愛想をつかしている層でも不安材料ですから、完全に払拭できなくてもよく、党内がバラバラなのも似たようなものですから、方向性を示すのには絶好の機会になったのかもしれません。

 小沢氏が辞任しなかったことで、民主党はピンチをチャンスに変えるどころか、今後、「政治とカネ」という今さらな問題を政策イッシューの主要な一つとしかねない選択をしてしまいました。今でこそ、自民党は自重していますが、現在の経済環境や国際情勢を考えると、自民党の弛緩した状態を延命させる選択でしょう。小沢氏が代表の座から降りることこそが党利党略だと思いますが、民主党はそれすらしなかったというのは驚きです。

 公人が純粋に公益のためだけにつくすなどというのは誰が見ても非現実的な前提になっている現在、「党利」すら追求できない民主党は哀れみの対象でしかありません。もっとも、「寄合所帯」で無理な注文だという批判もあるのでしょうが、「マニフェスト」というのは、所詮は、一私党がだす「党略」にすぎず、それすら明確な方向性を出せないようでは政党としてどうなのか。「公党」というのは変な表現で、複数政党制の下では与党であろうが野党であろうが私党にすぎません。もちろん、議会制民主主義の下では与党が国策に権限と責任を負うのは当然ですが、よほど隔絶した勢力差がない限り、野党の意見を無視することはできないでしょう。与党の「党略」と野党の「党略」が明確であり、ぶつかってこそ妥協の余地が生じます。民主党がそれなりに建設的な対案を出すときには話が細かすぎる。この問題を小沢氏は封印したまま、解散総選挙に備えようとしていたのでしょう。そのような「重石」を外すのは民主党にとってはリスクが高いかもしれませんが、「政治とカネ」が争点になるのは民主党にとってだけではなく、現在のあまりに厳しい情勢の下で、この国にとって不幸でしょう。今回の事態は、党利党略すら追求できない民主党の惨めさだけを浮き彫りにするのかもしれません。


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2009年03月04日

止まらない危機の連鎖 GE

 こちらこちら(クレジットカードのお話はちょっと背筋が凍りますが)を拝読しながら、1ヶ月前ぐらいから英語のブログもリーダーで読むようになりました。正直なところ、どこから手をつけたらよいのかわからないので、筋の良い方が紹介してくださると、本当に助かります。ただ、こうして見ると、日本のブロガーは親切な方が多く、私でもわかるように(少なくともわかった気になるように)書いて頂いている事に気がつきます。本当によけいですが、私は自分のために「寝言」を書いているだけであって、「ブロガー」ではないので悪しからず。

 語学の問題もありますが、素人にはわからない話が多く「猫に小判」状態ですが、naked capitalismの"Credit Default Swaps on GE Capital Trade at Distressed Levels"(参照)という記事には驚きました。リンクしてあった"Default protection costs on GE Capital jump"(参照)を読んで凍りました(GEについてはThe Market Tickersにも記事があるのですが、話が紛れるので省きます)。GEの格付けをAAAから格下げも検討などの記事はタイトルだけは見ておりましたが、これは大変だなと。シティグループやAIGの影に隠れていたので、ほとんど自分用のメモですが、これまで安直に金融システム不安とか金融危機という言葉を使っていましたが、いろいろ考えさせられます。なお、原文の"upfront"が具体的にどのような取引なのか、性質については述べられていますが、実務的にはさっぱりなので、乱暴ですが、省略しております。

(1)今週の月曜日、GEのCDS(upfront)は11%で取引された(Reutersの報道では8.5%)。この数字はGEの債務1億ドルに対し、通常ならば5年間で500万ドルを支払えば済むところに1,100万ドルを先渡ししなければならないことを意味する。

(2)GEは先週、配当を68%削減する計画を発表したが、ムーディーズはGEとGEキャピタルの格付けをトリプルAから弱含みで引き続き見直しを進めている。GEキャピタルの資産は劣化しており、世界的な景気後退と金融逼迫から資金繰りが厳しい。

(3)上記の問題を度外視しても、GEキャピタルのCDS価格は上昇するだろう。というのも、GEキャピタルの債務にはCDOが多く含まれているであろう。

 GEキャピタルが「ノンバンク」と表現してよいのか、ど素人の私にはわかりませんが、シティグループやAIGなど銀行や保険会社だけではなく、ノンバンクまで公的救済の対象となるのかどうか、さらに対象とすべきかどうかはまるでわかりません。ただ、CDOをまとまって保有している金融機関が破綻した場合、信用秩序への影響がないとも思えず、あまりに素朴ですが、どうするんだろうと。もちろん、GEの苦境は、GEキャピタルの資産劣化やCDOの問題だけでなく、製造セグメントの採算悪化などの要因も無視できないのでしょうが、GEが万が一の事態を既に市場では予想しているというのは恐ろしいです。それにしても、格付けがトリプルAの企業のCDSが710bpってどうよという感じです。素人なんで相場がわかりませんが、うろ覚えでアイスランドやドバイのソブリンCDSが1000前後だったので、それよりは低い水準ですが、いくらグローバル企業とはいえ、怖い数値です。

 それにしても、"Bad Bank"が難しいことを実感します。買入資産価格の設定が難しいのは指摘されていますが、対象となる資産や金融機関の範囲などが適切ではないと、どこから金融破綻が生じるのかわからない。シニカルな気分になるのを否定できませんが、もはや「金融システムと実体経済の間の負の相乗作用」(白川方明)が本格的に作用すると、資本注入が最優先となり、金融商品を買入れた上で市場に放出するという作業は非常に困難になることを実感します。言いにくいのですが、現状では落ちるところまで落ちてからでないと、不良資産の買入と最終的な売却の見通しを立てるのはほとんど困難な印象をもちます。


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2009年03月03日

「勝者」に鞭打つ時代

 いきなり脱線ですが、なぜか「とてつもない国をつくるわよ♥の巻」という「寝言」あるいはネタのキャッシュが元通りになっていました。いちいち手作業で中身を読んでキャッシュを削除したり、復活させているというのは例外的なケースではないかと思うので、私が気にしすぎたかもしれませんが。実は、「失言の回数だけで人間の価値が測れるんですか?どうせ私は数え切れませんよあそうよの巻」という「寝言」もキャッシュがついたり消えたりと一時期、不審な動きをしていたので、ふーんと思いながら見ておりましたが。どう読んでもネタなので、なにか禁止ワードでも含んでいたのでしょうか。もちろん、グーグルにお任せ状態でこちらからクレームもなにもしていないのですが、こんなこともあるのかなという感じでしょうか。

 正直なところ、ネットで麻生応援団の様子を見ているとうんざりするので、単に嫌悪感が強いだけなのかも。昔は、(頬と頬を寄せれば)「保保連合」なんて時代もありましたから、小沢氏にひれ伏してでも連立を申し込んだらと突き放して見てしまいます。どの道、あと10年ぐらいしたら「年金・高齢者医療社会主義」になるんでしょうから、政権が交代しようが、「大連立」しようが大して変わらんでしょというところです。母上がなんとか月30万円はもらえそうとホッとしていて、あんたは倍はもらっているでしょうと言うので、「ああ、こちらの手取りの方が2、3万程度多いけれど」と漏らしたら、さすがに文句を言わなくなりましたが。

 海の向こうでは、この先4年間ぐらい弱っているかもしれない「勝者」(誤変換すると特定の業界になってしまい、とてつもなくまずいので気を遣います)に鞭を振るう期間になりそうで、憂鬱です。上位5%の富裕層(目安はだいたい年収25万ドル超の世帯のようですが)に向こう10年間で1兆ドルほど増税を行うそうで。面倒なので1ドルを100円と換算すると、たぶん私の年収の4−5倍はありそうですから同情心はないのですが、収入があるということはむしりとりやすいということだと思ったりします。気になるのは、富裕層の消費額と限界消費性向ですが、信頼できるデータがなかったので、想像にすぎませんが、増税にもかかわらず頑張って消費してくれそうな状態にはならず、収入だけでなく資産もあるとはいえ増えるところは少なそうですから、消費にはマイナスでしょう。富裕層だけではなく、中間層でもネットの効果では大した影響がないという意見もよく見かけますので、このまま金融システムが不安定な状態が続けば、オバマ大統領の任期4年間は不況ではないかと。

 ざっと見ても、財政支出を拡大させる一方、2011年には財政赤字の縮小を目指すそうで、規模こそ桁違いとはいえ、いかんせん、だんだんとどっかの国みたいで白けてきました。Washington PostではDan Balzが"Ambitious Blueprint a Big Risk The President Is Willing to Take"という記事で、皮肉ではないのですが、次のように述べています。

  William A. Galston of the Brookings Institution cited three parallels to Obama's far-reaching program: Franklin D. Roosevelt's 1932 New Deal blueprint, Lyndon B. Johnson's 1965 Great Society agenda, and Ronald Reagan's 1981 call to dramatically limit the size and power of government, which set the framework for public policy debate ever since.

なんと申しましょうか、たった4年間で一人三役というわけで、ARRAも議会とのやりとりで"green New Deal"というより、総花的になってしまいました。もともと期待していないせいでしょうが、たぶん消費が増えたり、投資が増えるというインパクトがまるでなく、オバマの任期の2012年ぐらいまで景気回復の可能性は低いのではと思います。まあ、2010年ぐらいに底が見えないと、あな、おそろしや。S&P 500が500−700台で3−5年ぐらい推移すると、阿鼻地獄でしょうか。わが国もいよいよ東証一部の時価総額の200兆円割れもありうる水準まで下がって、もう無気力になりますね。


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