2009年11月03日

経済活動別国内総生産の推移が物語る戦後日本経済の来歴と行方

 今週は、更新しない予定でしたが、せっかく作った一枚の表をボツにせざるをえないかもしれませんので、「寝言」にしておきます。内閣府の「国民経済計算確報」や『新版 日本長期統計総覧』のデータをエクセルに落として加工しただけですので、大した作業ではありませんが、最終的にはワードに数字のまま打ちこまないとまずいので、思ったより手がかかりました。眺めていると、分析ではなく、とりとめのない「寝言」が浮かびますが、本題は例によって後回しです。

 それなりに予定が立て込んでいて、どれも手抜きが難しいので厳しいのですが、雑談を全くしないというほどの集中力を保つのが難しい年齢になりました。昔は、「時の最果て」では「なまもの」と称しておりますが、時事問題を見聞きしても、集中しているときには全く動じませんでした。元々、新しいものに興味がないからかもしれません。最近は面倒になってきて、新聞も米紙が中心ですが、段々、世の中とのズレがあまりにひどいので、見出しぐらいはと『日経』をつまみ食いをするよう、努めております。感想は特になく、「発表はシナリオB-22か? またも事実は宇宙との交信の中ね」というところでしょうか。変なところに目がゆくものですから、カリナスターが護衛艦くらまに衝突した事故は周囲でも話題になりました。まともな話は、こちらの方にお任せして、当方は与太話じゃなかった、「寝言」です。

「あれはひどいよなあ。左から抜こうとしたら、前の船が右に舵をきって減速したから、慌てて進路変更、くらまと衝突だってさ。

「進路は本質的な問題じゃないね。あの海峡、とりわけ関門橋のあたりで追い抜くこと自体が不可解だ。昔は、文字通りの水先案内人が目視で確認するのが当然だったはず。座礁も多い。今でも、なごりが残っているかもしれないぐらい危険なところだから。

「水先案内人か。今でもやってるの?

「うーん、自信はないけど、潮の流れも速いし、目視が確実だから、今でもやってるんじゃないかなあ。

「ああ、海保のサイトで見たなあ。圧流がきついみたいだね。

「とにかく、進路は無視はできないけれど、追い越しをしようとすること自体がちょっと信じられない。

「韓国籍の船は全般に操舵が粗いという話もあるけれど。

「それはわからない。最近は、民族関係での左右のバイアスがひどすぎる。現段階でいえるのは、あの船長の判断が異常だというぐらいだろう。

「それにしても、しらね、くらまといいことがないんだよな。ひゅうがが頼りか。いせはまだ2年ぐらいかかるんだっけ?

「いせ?

「ああ。ひゅうが級の2番艦。

「いせといえば、改装後の伊勢は萌え。

「!? そういえば、大戦中は水上機の発着ができるようになったんだっけ。

 以下、省略しますが、途中から戦艦伊勢の話で盛り上がって意外でした。うーん、長い付き合いですが、そんな趣味があるとは。ひゅうががドックに入る空白期間に有事がなければよいのですが。まあ、メディアも炎上した際には散々騒いで、たぶん、単に視聴率がとれない、あるいは飽きたという程度で、スルーしていますが、けっこう怖い状態です。もっとも、拡大抑止どころか、いわゆる「核の傘」についても、クリントン国務長官が、「何の話?」ってうっかりとぼけたりしたら、こちらで終了かも。

 それはさておき、本題ですが、長期時系列データを眺めていたら、付加価値ベースで日本の産業がこの50年以上の歳月で変容していることに驚きました。いわゆる雇用面ではぺティ=クラークの法則にしたがっているともいえますが、高度経済成長期の起点を1955年とするならば、付加価値で見ますと、製造業の比重が高度成長期に急激に上昇し、1970年代、安定成長期の1980年代、低成長期の1990年代でも約22%から約24%の間で推移していることが目につきます。

 第2に、以前も書きましたが、高度経済成長期から1990年までほぼ10%前半を占めていた建設業が、1990年代の景気刺激策にもかかわらず、国内総生産に占める割合は低下する傾向にあり、今後、衰退産業としてどう対応してゆくのかは、難しい問題だと感じます。率直なところ、きれいな解というのはないと考えております。人口減少による民間住宅投資の低下や新規事業の減少以上に既存のインフラストラクチャーのメンテナンスや効果が少ない既存事業(現政権下の新規事業の一括停止とは異なる)の継続を停止する必要もあり、現政権の政策とは無関係に安直な議論は困難だと感じるからです。

 第3に、サービス業が雇用だけではなく、1980年代以降、国内総生産に占める割合を増していますが、主として実額(実質ベース)では対事業所向けサービスが増えているのであって、公共サービスや対個人サービスは増減を繰り返しているのが実情です。小分類のデータは見ておりませんので、憶測にすぎませんが、1980年代に拡大したリース業をはじめ、広告や警備、ビル等の清掃などの事業所向けサービスが1990年代にはさらに増えたのでしょう。なお、93SNAでは中分類で見ると、この10年前後で昨年と同じく急激な景気後退が生じた1998年にはほとんどの産業が実質ベースで生産額の減少を経験していますが、対事業所向けサービスは、農業や通信業、電気・ガスなど数えるほどしかないプラス成長を維持した産業の一つでした。1991年以降、実質ベースで付加価値額の増加率がマイナスを記録したことがない珍しい産業です。ただし、2005年に対前年比7.2%の成長を遂げた後、2006年には5.7%、2007年には3.0%と低下しており、実質成長率よりも高い水準を維持しているとはいえ、今後、国内の製造業を中心とする事業活動の低迷が続いた場合(さらに衰退した場合)、従来のように成長を維持できるのかは疑問が残ります。

 端的にいえば、最近、喧しい「内需拡大」という政策は実現可能ならば、それにこしたことはないのですが、おそらく自動車に代表される機械製造の海外生産が「空洞化」の段階に移行すれば、外需縮小で成長率が鈍化し、結果的に国内でしか活動できない産業の比率が高まるだけであろうと。いわゆる「前川レポート」で登場した構造調整は、製造業の海外生産へのシフトが最終段階を迎え、輸出の縮小と成長率の鈍化のもとで結果的に国内でしか活動できない産業がなんとかしのいでゆくという形で実現するのかもしれないという「寝言」が浮かびました。


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