2009年11月29日

害が少なければそれでよい

 どうも風邪かなと思っていたら、やはり風邪でした。下手な睡眠導入剤よりも眠たくなる風邪薬を処方してもらって、週末はバカみたいに寝ています。まあ、疲れた状態で仕事をすると、うっかり「政権交代後の経済政策によって製造業をはじめとする日本の主要産業は壊滅的な打撃を受けると予想する」と書いてしまいそうですので、寝ている場合じゃないのですが、寝た方がよいようです。あんまり本当のことをもろに書いてはいけませんから。

 円高が進んで、日本語で読んでいるサイトではなかなかよく分析されていて感心します。ただ、気になるのは、民主党政権に政策の催促をするあたりで、期待しない方が精神衛生にはよいのではと思うのですが。無能・無策という点では村山政権をはるかにしのぐ(ちょっと変な日本語ですが)政権ですから、なにか積極的に政策を打って、よくなることを期待する方がムダという気もします。まあ、9億円も「こども手当」(もちろん非課税でね!)をもらったら、簡単に民主党支持になりそうな無節操な外道のたわごとではありますが。

 円高の陰になった形の株安ですが、年金積み立て管理運用独立行政法人のHPで新着情報を見ると、目を覆いたくなります(参照)。平成20年度はもちろん運用で大幅な損失(市場運用分で−9兆3,481億円の損失)。平成21年度は第1四半期(4−6月)こそ運用益を出していますが(4兆5,682億円)、第2四半期にはかなり低下しています(1兆2,855億円)。東証一部の時価総額が2009年11月27日現在で269兆2,774億66百万円ですから、年金の運用という巨大な投資家でも厳しい状況が続くのかもしれません。既に、国内株式では第2四半期では1,837億円の損失が生じています。現在のところ、第1四半期での運用益が大きいので年度では2兆1,588億円のプラスですが、今後の株式市場の動向しだいでは昨年度と変わらない損失が生じるリスクもあります。それにしても、2009年9月末時点で運用資産額が122兆1,007億円とはあまりに巨大ですな。国債ばかり買うわけにもゆかないようで、これだけのお金を焦げ付かずに運用するのはなかなか大変だろうと。

 それにしても、円高株安で騒ぐ割に国内の報道を見ると、木曜日にヨーロッパが盛大に下げて、感謝祭で北米はスルー、で金曜日に地球を一周する形でアジアがドバイのバブル崩壊の危機(まだ崩壊してなかったのというのが正直なところですが)の「津波」をもろにかぶる形になるとは。英字紙で見ておりますと、ハンセン指数の下げ幅が大きいのが真っ先にくるので、国内の報道は違和感があるのです。上海も下げていて、東京はもともとあまり上がっていないので、下げばかりが目立つのはやむをえないのでしょうが、もう少しアジアで一括りにされている現状を見た方がよいのではと思いますが。昨年の9月には日本だけは大丈夫という論調が強くてひきましたが、いまだにデカップリングという議論をしているのにもついてゆけないです。昨年のリーマンブラザーズの破綻後にこんな「寝言」を書きましたが、あまりその頃から変わらないです。

 要は、アメリカも偉そうなことをいってきたくせに日本と同じじゃないか、ざまを見ろという性根だろう。島国根性という点では右も左もありゃしない。これだけ経済レベルの相互依存が深化しているのに、日本だけが他人事というわけにゆくわけがない。

 要は、現代は市場経済の最も本質的な部分、相互依存と互恵的な性格が地球規模で顕わになっているということを抑えておけば、そう見通しを誤ることはないだろうと。そんなことはわかっていると鼻で笑う人が一番、危ないのですよ。長期化する不況の中でアメリカでさえ、単独で打てる手はあまりないのが実情です。現政権の能力を度外視しても、なかなか打てる手などないでしょう。消去法で円が買われている現状は、投資家のリスク回避的な傾向が強い状況を示しているのでしょう。したがって、為替介入を日米合意の上で行っても、効果はたかがしれているでしょう。経済政策に過度の期待をもつことがかえって問題を不透明にしてしまうことをおそれます。


続きを読む