2011年05月30日

長期化する電力問題とエネルギー政策

 最近、昼間にコンビニに立ち寄ると、店外の照明はもちろん、店内の照明を半分ほど消している店が目立ってきています。そういえば、家電量販店やその周囲の店も照明を落としている状態です。石原慎太郎東京都知事のお膝元ではないのですが、外から見ていると、パチンコ屋でも外のネオンをつけている方が珍しい状態です。転機となったのは、やはり中部電力浜岡原子力発電所に対する菅直人内閣総理大臣の要請によって、運転停止が実現したことのようです。私の住んでいるところでも、もはや夏場の電力は綱渡り状態であり、非常に厳しい状態だということを、地元の電力会社の方からも聴きますし、実感もします。

 東京電力管区内で計画停電が生じた際には、全国紙や在京キー局がこれでもかと報道しました。もちろん、東京電力福島第一原子力発電所の事故による影響は深刻ですし、福島第二原子力発電所も停止している状態ですから、理解はできます。しかし、浜岡原子力発電所の運転停止が東海地方の電力需給や経済に与える影響にはやや冷淡だった印象があります。今でも、パソコンのポータルサイトの多くには東京電力管区内の電力使用量と使用率が表示されていますが、需給の逼迫の程度が異なるとはいえ、東京電力管区内の問題には敏感なのに対し、地方の電力問題には首都圏の各種媒体が無神経なのではないかと感じております。

 「なまもの」に属する報道ですが、『朝日』が2011年5月27日付で「玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘『廃炉に』という記事を配信しました。東京電力福島第一原子力発電所の事故による「脱原発」の世論の高まりによって九州地方の電力逼迫は長期的な問題になる可能性があるという点で注目しました。

 九州電力玄海原子力発電所1号機(佐賀県玄海町)の原子炉圧力容器の劣化が想定以上に進んでいる恐れのあることが、九電の資料などからわかった。九電は「安全性に問題はない」とするが、専門家は「危険な状態で廃炉にすべきだ」と指摘。1号機は稼働中で、反原発団体は原子炉の劣化を危険視している。

 原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。

 1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。

 九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している。


 2011年5月9日に「中部電力浜岡原子力発電所運転停止による九州地方の電力逼迫」という「寝言」を書きましたが、九州電力玄海原子力発電所は、1号機と4号機が運転中で、2号機と3号機が定期検査中です(先の「寝言」で引用した『西日本新聞』の記事に2号機と3号機の運転再開が福島第一原書力発電所の事故によって延期になったことが記されています)。日本原子力技術協会のHPにある「運転状況&放射線関係モニタリング情報:原子力発電所」のページによると、運転中の1号機の出力は58.2万kWと1970年代に建設された福島第一原子力発電所1号機よりも出力が大きく、2号機よりは出力が小さいです。現時点で玄海原子力発電所の2号機、3号機の運転再開のめどが立たない状態で、万が一、1号機が廃炉を前提とした運転停止に追い込まれた場合、九州地方は石油をはじめとする代替燃料のめどが立っておらず、東京電力管内よりも電力需給の逼迫が厳しい状況に陥る可能性もあります。『朝日』が玄海原子力発電所1号機の問題を報道したのは、首都圏のメディアの中ではまだ視野が広いと思いますが、各地方の電力需給や経済への影響などの視点はなく、「東京目線」でしか物事を見ることができない限界をよく示している部分もあります(他社よりはマシな印象があるので、引用しているのですが)。電力問題はもはや東京電力管区内だけの問題ではなく、被災地である東北地方はもとより、東海地方や近畿地方、九州地方などでも既に顕在化しつつあると思います(中国電力や四国電力の実情がよくわからないのですが)。

 話が変わりますが、菅総理は、ドービルサミットで日本のエネルギー政策に関して3点ほど大きな方向性を示しました。首相官邸HPにある2011年5月25日に行われた「OECD50周年記念行事における菅総理スピーチ」(参考)に、その3点が示されています。第1に、原子力の平和利用に関しては、「最高度の原子力安全」を達成することです。第2に、化石燃料の効率性を高め、温室効果ガスの排出を極力、抑制するということです。第3に、自然エネルギーを社会の「基幹エネルギー」に高め、発電電力量に占める自然エネルギーの割合を2020年代のできるだけ早い時期に少なくとも20%を超える水準となるよう技術革新に取り組むことです。スピーチでは省エネも挙げられていますが、電力だけでなく水の節約まで各家庭で進んでいる状況で省エネにはかなり限界が多いと私が独断し、割愛しました。また、2011年5月27日の「G8ドーヴィル・サミット内外記者会見」(参考)では、質疑応答を含めて、自然エネルギーの問題に重点があり、自然エネルギーと並ぶ柱とされている省エネルギーは、相対的にはるかに低い優先順位が与えられているように感じるからです。ちなみに、5月27日のスピーチでは、孫正義氏の名前が出てくるのは、これほど政治と企業が癒着する典型例はないのではという問題はさておき、本業である通信事業でインフラストラクチャー整備に関して、「定評のある」人物が、電力という生活の根幹に関わる分野に総理の後ろ盾をえて参加することには恐怖を覚えます。ひどい話ですが、東京電力管内でのみ発送電分離を実行し、孫氏には利益が見込めるかもしれない東京電力管内でのみ事業を行って頂きたいと地方在住者としては切に願います。

 さて、ドービルサミットでの菅総理の発言は、大雑把にいって、次の二つの反応があるように思います。脱原発を積極的に進める方からすれば、自然エネルギーの比率を2割以上に高めるという目標を歓迎する立場です。他方、当面は原子力発電と付き合わざるをえないという方は、原子力発電の安全性を高めることには異論はないものの、自然エネルギーの比率を上げることには、主として実現可能性の点から批判的な立場です。菅総理の発言は、かならずしもエネルギー一般であって、発電設備の問題に限定されているわけではありませんが、電力の問題を念頭においていると思います。私自身は、自然エネルギーの比率を高めること自体には反対ではありませんが、懐疑的です。そんな私が、実は、データの取り方によって、菅総理の発言は、単なる寝言(「時の最果て」の中の者としてはあまり使いたくない表現ですが)ではないですよということを以下に見ていきましょう。

 まずは、東京電力のHPで「数表でみる東京電力」(参考)から31ページを見てみましょう。他社受電を含まない「(a)電源構成比の推移」では、新エネルギー等の割合は、小数点処理も問題が大きく0%ですが、水力は17%ほどを占めています。なお、新エネルギーの定義に関しては、経済産業省資源エネルギー庁に詳しい内訳が表示されています(参考)。東京電力のデータでは、2009年度以降は地熱発電を新エネルギー等に含めているので、資源エネルギー庁の定義とはやや異なる点があることにも注意が必要です。以上のことを踏まえて、水力発電が既に17%を占める状態ですから、自然エネルギーを「基幹エネルギー」に高めるのは実現可能性という点で懐疑的ですが、2020年代の早い時期に自然エネルギーを全エネルギーの20%に高めるという菅総理の発言は、私と似たようなスタンスの人がバカにするのとは異なって、荒唐無稽ではないと思います。

 次に、他社受電を含むデータでは、水力発電は全発電の実に19%を占めます。おそらく、電源開発などが運営する水力発電所が含まれるからでしょう。この場合、電力に限って言えば、新エネルギーを含む自然エネルギーを全体の20%に高めることは、はるかに実現可能性が高いでしょう。このスピーチの数字の裏付けを行ったのは環境省なのか、経済産業省なのか、あるいは他の菅総理に近い方なのかは知る由もありませんが、このデータに基づいて考えれば、自然エネルギーを20%に高めるという目標は、さほど野心的ではありません。

 実は、このデータは、図の注にあるように、認可電力です。電気事業連合会の電力統計情報(参考)では、他社受電を含まないデータに関しては最大出力です。発電電力量の実績値を見れば、光景は全く異なります。下に、電気事業連合会の電力統計情報から作成した発電電力量の内訳を示します。

表 発電電力量(含む他社受電)の推移(2000年度−2009年度)

hatsujuden2000-2009

 このデータによれば、2009年度の水力発電を含む自然エネルギー(水力発電と新エネルギーによる発電量の合計)は、全発電量の6.4%にすぎません。他方、原子力発電も、2000年度には、3億247万4,802MWhを記録しましたが、2005年度に2,450万2,083MWh2006年度と連続して発電量の増加を記録して以降は、発電量と全体に占める割合を減少させる傾向が続いています。ちなみに、2005年度には、前年度ではありますが2005年1月に中部電力浜岡原子力発電所5号機(定格出力138kW)、12月に東北電力東通原子力発電所1号機(定格出力110万kW)、2006年3月に北陸電力志賀原子力発電所(定格電力135.8kW)などが運転を開始した時期です。それにもかかわらず、2000年度から2009年度で3,636万4,450MWhほど減少しています。また、総発電量に関しては景気との関係が大きく、2007年度には10億353万3,215MWhと10億MWhを超えましたが、2000年度から2009年度の総発電量の増加は2,155万9,706MWhと2.3%の増加にとどまっています。

 実際の発電量から見た場合、菅総理が打ち出した「自然エネルギー」を2020年代に全エネルギーの20%を占める「基幹エネルギー」とするのは極めて困難でしょう。また、「最高度の原子力安全」を実現するのには、どれほど時間がかかるのかも明示すらされておらず、現実には福島第一原子力発電所を安定化させることが可能かどうかにも疑問が残る状態では絵空事でしょう。現政権の方針の下では、今後、少なくとも10年間ぐらいは、原子力発電に関しては福島第一原子力発電所の状況しだいで、各電力会社の原子力発電所の運転再開に地元の理解がえられなければ、ベース供給力として極めて不安定な状況が続き、自然エネルギーは原子力エネルギーを代替することはできず、長期間にわたってベース供給力不在が続くのでしょう。

(追記)2005年度の原子力による発電量に誤りがありましたので、抹消いたしました。また、下線部を加筆いたしました。(2011年5月30日)


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2011年05月26日

とにかく眠い!

 雨さえなければ、過ごしやすい気候という気もするのですが、なぜか眠りが浅く、とにかく眠いです。2011年5月23日の「寝言」で「バカが刃物を振り回している状態」と抑制気味に表現したのですが、ついつい「キチガイが刃物を振り回しておっかない」と公衆の面前で伏字をせずに発言したら、みなさんドン引きされて、これはいけません。酒が入った場で、ゼネコンに顔が利く知り合いが「仮設住宅の建設を官邸が止めてるんだ。ひどい」とのこと。生中一杯で眠くなってしまうぐらい弱くなったので、数字はあてにならないのですが、積水ハウスさんと大和ハウスさんだけで20−30万戸の建設が可能な状態だそうです。地元で雇用というのは素人さんの考えそうなことで、「上請け」とか総理は絶望的ですが、官邸にせよ、官房にせよ知らんのでしょうと。お年寄りはともかく、働ける人は、まずは仮設とはいえ、雨露を自力でしのぎ、不便はあるものの、日常の生活に復帰できなくては働くどころではないでしょうと話して、意気投合しておりました。デマだとは思うのですが、国内のゼネコンには仕事をふらず、韓国の業者に依頼したとか。コミュニティの維持も大切だと思いますが、震災後にコミュニティを維持したまま、仮設住宅へ移るというのは限界もあり、政治家があらゆる批判を覚悟して、決断しなければ、いつまでも避難所生活が続いて、復旧が進まないでしょう。責任者というのは責任をとるためにあるのだということもわからない人たちが政治ごっこというのはもう勘弁です。

 それにしても、こちらの「三途競艇」の元ネタがわからず、グーグル先生も某巨大掲示板の過去ログを示すばかりでした。気になって仕方がなかったので、ギャンブル好きの人、その筋の小説や漫画に詳しい人に聞いても、ダメ。ひょっとして、このもやもや感が寝不足の原因だったりして(三途の川で競艇というのもなかなかおつですが、賽の河原で内閣総理大臣以下の発言を整合的に組み立てて、「できた!」と叫んだ瞬間に崩れるという光景も殺伐としていて、いかれた「外道」といたしましては、好みです)。

 財務省から勤務先に東日本大震災への税制上の対応などを中心とした広報用の資料が送られてきました。こちらからほぼ同様の内容を読むことができます。菅直人内閣の仕事の遅さにはイライラしますが、霞ヶ関は、政治不在にもかかわらず、震災対応で仕事をしていることを忘れるべきではないでしょう。テレビでは相変わらず官僚バッシングをしている番組があって、うんざりです。

 こちらはRSSリーダーで読み込んで職場で読んだのですが、2011年3月25日に行われた白川方明日本銀行総裁の内外情勢調査会における講演「大震災後の日本経済:復旧、復興、成長」が景気の下振れリスクに関して震災よる下振れリスクの問題を主として供給面から論じながら、需要面のリスクにも目配りするなど、バランス感覚がまともだなあと。国際経済の成長から日本が恩恵を被るだろうというのも納得です。他方、やはり電力の供給不足やサプライチェーンの回復が遅れることが、そのような成長経路を阻害するという認識が強調されているのも、納得できますね。次のあたりが、興味深く思いました。

 一つの懸念として、今回の震災が、日本企業の海外拠点戦略や、海外企業による部品調達方針などに、影響を及ぼす可能性があります。具体的には、サプライ・チェーンの寸断や電力不足などをきっかけに、国内生産拠点の海外シフトが加速する可能性が指摘されています。海外企業でも、震災後、日本からの部品や素材を他国製品で代替する動きがみられていますが、これが一時避難的な措置にとどまらず、そのまま長期的な日本からの調達比率の引き下げにつながる可能性もあります。しかし、見方を変えれば、自動車やエレクトロニクスの分野を中心に、日本の優れた部品や素材が世界の「ものづくり」に欠かせない位置を占めていることが、今回の震災によって改めて確認されたとも言えます。そもそも日本の製造業は、これまでも海外生産比率を趨勢的に高めてきましたが、それは他国が容易に真似できない新たな技術や製品を、国内で生み出すプロセスを伴いながら、進められてきたものです。いわゆる「空洞化」ではなく、内外の棲み分け、国際分業の高度化であったわけです。新興国が力をつけてきている以上、日本がグローバル経済と関わる道は、これからも、常に一歩先の製品やサービスを生み出す努力を継続、強化していく以外にありません。そうした日本企業の底力が失われない限り、グローバル・サプライチェーンは、日本の「ものづくり」をその核心部分に再び組み込みながら、構築され直していくものと考えられます。また、日本の企業や産業が、グローバル経済とともに発展を続けていくための環境整備として、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の枠組みを着実に拡充していくことも、重要です。


 いわゆる「産業の空洞化」は事態の一面をついていますが、白川総裁は視野が広く、「国際分業の高度化」という点から見れば、意識的な努力が行うことによって、ゼロサムゲームではなくなるというのは至極まっとうなとらえ方だと思います。

 なお、日本の財政赤字が既に大きいため、新規財政支出の財源が検討される際には、日本銀行が国債を引き受ければよい、という議論がなされることがあります。しかし、無から有を生み出す「打ち出の小槌」のような便利な道具は、そもそも存在しません。中央銀行による国債引き受けにせよ、民間金融機関による国債の市中消化にせよ、最終的には、企業や家計の貯蓄を原資として国債が発行されるという大きな構図は全く同じです。むしろ、中央銀行による国債引き受けには、財政規律の低下を招きやすいという深刻な副作用があります。投資対象のリスクを評価するという市場のチェック機能を活用せずに、国が、中央銀行による国債引き受けに頼るようになれば、いつの間にか、将来の納税者の負担能力を超える水準まで国の債務が膨らんでしまう可能性があります。震災後、関心が持たれることが多くなった高橋財政期の日銀引き受けも、最初は「一時的」との位置付けで始まりましたが、やがて引き受け額の増額と通貨の膨張に歯止めが効かなくなり、最終的には激しいインフレをもたらした歴史を思い返す必要があると考えています。以上のような議論に対し、引き受けが不適当ということであれば日銀が市場から国債を買い入れれば良いという議論が聞かれることもあります。日本銀行は現在、国債を大量に買い入れていますが、その目的は、成長に伴う銀行券需要の増加に対応した市場に対する安定的な資金供給です。そうした目的を超えて、中央銀行の国債買い入れが財政ファイナンスを目的に行われているとみられるようになると、引き受けと同じ問題が生じます。


 マスメディア等でキチガイ政権の震災対応を批判している人たちの対案には財政ファイナンスが含まれることが多く、「中央銀行による国債引き受けにせよ、民間金融機関による国債の市中消化にせよ、最終的には、企業や家計の貯蓄を原資として国債が発行されるという大きな構図は全く同じです」という指摘は当然ではありますが、現在の風潮ではやはりしっかりと認識が共有される必要があると思います。これに続いて、「むしろ、中央銀行による国債引き受けには、財政規律の低下を招きやすいという深刻な副作用があります。投資対象のリスクを評価するという市場のチェック機能を活用せずに、国が、中央銀行による国債引き受けに頼るようになれば、いつの間にか、将来の納税者の負担能力を超える水準まで国の債務が膨らんでしまう可能性があります」という指摘も、まともだと思います。納税者の負担能力を超えてしまった場合、ハイパーインフレを防ぐ手立ては極めて少ないでしょう。

 とまあ、引用だけで終わりましたが、詳しくは「にちぎんかんさつにっき」さんのところで明朝、読みたいです。もう、とにかく眠いので、内閣総理大臣以下閣僚はバカばっかりですが、無能が国を滅ぼす度合いを緩めている方々の努力を確認して安眠したいものです(「人が恐れおののき、泣きながら不安定な橋を渡っていく。そのさまを安定した場所から見ている。もうそれだけで感じられるんだ。安全という名の愉悦をな」などという、かぎかっこがつかない外道そのものの動画を見て喜んでいるろくでなしなど、そのまま永眠しろというツッコミはご容赦)。


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posted by Hache at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 気分しだいの寝言

2011年05月23日

全国に広がる「不安定供給」の輪

 土曜日にさらなる節電対策として、照明器具の清掃を行いました。これが大失敗でした。汚れがひどい部分があったので、エタノールで溶かそうと吹きかけたときに、勢いが強すぎて、インバータ部分に入ってしまったようです。意味もなく朝6時に目が覚めて、極めて眠たい状態だったので、ふきんに吹きかけずに、つい照明器具のほうに直接吹きかけてしまい、まずいかなと思いましたが、後の祭りでした。豆球は点灯するのですが、肝心の蛍光灯がやられてしまい、困り果てました。ふと気がつくと、仕事部屋の蛍光灯は、吊るすタイプで2005年ごろに買ったのでしょうか。蛍光灯部分を見ると、初期状態から買い換えた形跡がなく、6年近くもった計算になります。年をとったせいか、夜に弱くなりつつあるのですが、この物持ちのよさは異常でありまして、さすがに。しかし、昼は問題がないのですが、夜になると困るので、ネットで取り寄せようとすると、当たり前ですが、即日配達が可能なはずもなく、省エネ性能と価格比を考えて、LEDシーリングライトは除去。蛍光灯でも6年ぐらいもってしまう家にLEDは不要でしょうと。普通の蛍光灯のシーリングライトは昔に比べて価格が下がってお手ごろ感があったので、1万円前後をターゲットに物色して、パナソニックのものがよさそうだったので、そのまま家電量販店にでかけました。

 店に行く前に、だいたいの値段の目安はつけていたので、店頭価格を見ながら、ちと高いなあと。思い切ってLEDもありかなあと迷っていたら、パナソニックのシーリングライトの値札を店員さんが上から張り替えていました。家電量販店で「タイムサービス」というのはびっくりですが、9000円弱に下がって、お買い得だわ、みたいな感じ。念のため、説明を聞いて、暖かめの色の方が省エネ性能が若干、上のようでしたが、実家の経験上、活字を読むには暗いので、リビング向けかなと。持ち帰ることが前提だったのですが、相変わらず寝ぼけていたので、重量の確認を忘れていて、梱包が終わって大丈夫かなと思ったら、ありゃまの軽さ。店員さんも苦笑いしていました。冷静に考えれば、金具なしで吊るすのと同じわけですから、そんなに重いはずもなく、かさばるのを除けば、3kgもあるかどうか。寝不足の状態である自覚をもちながら、何度も取扱説明書を読んで、取り付けてみると、びっくりの明るさです。天井からの距離が離れたはずなので、暗く感じるかなと思ったのですが、100%ではやや明るすぎるぐらい。手元のスタンドなしで本を読んでも、苦痛にならない。手元のリモコンで、調節すると、6割程度ぐらいで十分でしょうか。これで本当に電力消費が減るのかしらんという気もします。それにしても、リモコンがやたらと増えてしまい、最近は扇風機にまでリモコンがついているので、頭痛がします。他方、明るさの調整が手元でできるのは便利でして、今頃、紐を引っ張って明るさを調節するのは時代遅れなんだなあと苦笑しました。一番、明るくしたり、暗くしたりと遊んで、すぐに飽きてしまいましたが。

 菅直人内閣総理大臣の「政治主導」(真面目に海水で再臨界って頭がおかしいレベルではと思うのですが、斑目さんも涙目(笑))で、浜岡原子力発電所の運転停止を実質的に強制された中部電力さんはいよいよ綱渡り状態ですなあ。『朝日』が2011年5月23日付で配信した記事です。

 中部電力は23日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止で不安視される7〜8月の電力供給について、約5%の供給余力を確保したと発表した。ただ、適切とされる8〜10%の余力を大きく下回り、家庭や企業に夏場の節電を呼びかける。

 中部電によると、7〜8月のピーク時の管内電力需要は最大2637万キロワット。原発停止で63万キロワットの電力が不足する計算だった。東京電力への電力融通を止めるなど対策を進めても余力は2%に過ぎず、今回、さらに対策を打ち出した。

 老朽化で停止中の火力発電所を再稼働させたり、稼働中の火力発電所の定期点検時期をずらして発電を継続したりして、新たに73万キロワットの供給力を上積みした。7月のピーク時でも2763万キロワットの供給力を確保し、供給が需要を約5%上回る。


 名古屋の夏は、地味に厳しいのですが、まじめにまずいのではというレベルです。それにしても、現時点で供給余力が5%しかないとなりますと、35度を超える日が連続すると、アウトではと。東北電力や東京電力以外の管区で「計画停電」の悪寒が走ります。

 ちなみに、震災直後は、60ヘルツ地域の電力各社のサイトのトップページに省エネ・節電のお願いがなかったと記憶しております。現在では、節電のお願いがトップページにないのは、関西電力・中国電力・四国電力の3社だけです。そして、海江田万里経済産業担当大臣が中部電力浜岡原子力発電所の運転停止時に提唱された「玉突き送電」の主力とされた関西電力さんも陥落寸前というところでしょうか。『朝日』が2011年5月19日付で配信した「大阪の地下鉄、間引き運転検討 市、最大2割節電試算」という記事では、大阪市交通局が大阪市の事業全体の消費電力の約3割を占め、朝のラッシュ時に「間引き運転」を検討しているとのこと。ちなみに、実際には御堂筋線は対象外とのことで、大阪市内にお住まいの方はご安心を。確か、御堂筋線の他に営業黒字を計上しているのは2路線もあるかどうかなので、「間引き」のおかげで営業赤字が多少は減るというソロバン勘定があるのではとついつい大阪の話だけに邪推が入りますが。ちなみに名古屋市はこれ以上、赤字路線を増やさない方がよいと思うのですが。

 それにしても、照明器具を買い換えると、節電は運用以外にない状態ですね。エアコンは昨年の6月に故障したおかげで、当時で最も省エネ性能が高い機種に買い換えたばかりですし、悪口を散々、書いたエコポイントについつい釣られて、冷蔵庫にテレビと昨年に買い替え済み。あとはPCのスペックを落とすぐらいかなあ。それとも、冬場は発熱が素晴らしい昔のPhenomに代えるとか。あてにならない私の直感では、今年の夏は昨年よりは穏やかな猛暑が続いて、気温が突然下がる日がやってくるという不安定な季節になりそうな気がします。あくまで気のせいです。

 しかし、5月分の請求書を見て203kWも電気を消費していたのかとショックでした。もっとショックだったのは、それでも昨年と比較すれば40kW近くも消費量が減少していたことですが。ううむ、節電は容易ならざる道と自覚する日々です。


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2011年05月19日

ストロスカーンの収監によるIMFの権威失墜とギリシャ問題

 過去に電力関係の問題を書いた「寝言」でキロワットを「kw」と記していました。「やはり正しくは、「kW」ですので、気がついた範囲で訂正をしております。寝言」とはいえ、シフトキーを押しながらWの文字を打つのが面倒というのは、あまりよろしくないだろうと。また、自分でもどの「寝言」が該当するのかがわからないのですが、ECBがインフレ目標を採用していると記した記憶がありますが、誤りです。恐らく、BOEと勘違いをしていたのだと思います。こちらもあわせて訂正させて頂きます。

 羽生善治名人がパッとしない将棋ばかりと文句を言いながらも、第69期将棋名人戦のBS中継まで見てしまいました。やはり名人戦では相矢倉が見たいですし、挑戦者が森内俊之九段となればなおのこと。興味深いのは、68手目で自著では有力とした手を選ばなかったあたりでしょうか。実戦心理というのは興味深いのですが、棋譜解説では深くは立ち入っていないので、私の棋力では到底、読める範囲ではありません。結果的には、後手の成桂が働かず、羽生名人の巧みな差し回しで攻めが続いて、寄り切った形になりました。横歩どりのような一発を秘めた将棋も好きですが、相矢倉のように、じっくりと陣形を整えながら、位や一歩などで損得計算をシビアに行い、攻撃態勢を整えてから戦いが始まっても、すぐに有利不利がはっきりしない、お互いが四つに組む将棋はやはり楽しいです。とくに、羽生名人と森内九段のどちらをもっているわけでもないのですが、第23期竜王戦に続いて、勝負とは関係なく羽生名人らしい将棋が少ない印象がありましたので、番勝負の結果はともかく、直線的に進む将棋ではない局を見たいと思います。森内九段は自然体で、よいところが目立っていますし。

 それはともかく、ユーロ圏に関する「寝言」ですが、クルーグマン先生がストロスカーンIMF専務理事を擁護するコラムを書いていて、欧米では思った以上にストロスカーンへの擁護論があるのだなあと。ストロスカーンを擁護したり、貶めたりすることには興味がないのですが、このコラムで注目したのは、ストロスカーンが「ケイジアン」だということでした。アジア通貨危機の「IMFコンディショナリティ」には辟易したので、2010年2月25日の「ヨーロッパを変貌させた『ギリシアの悲劇』 "The Greek Tragedy That Changed Europe"
」という「寝言」ではIMFの関与に関して懐疑的でした。この間の英字紙の報道を読んでおりますと、ストロスカーンの収監によるIMFの権威の失墜は、ギリシャ問題への影響が大きいと思います。

 鄙びたところに昔からお越しいただいている方はご理解頂いているもの存じますが、私自身は、金融自体、無知ですし、国際金融となると、さっぱりです。なので、わからないなりにメモを残そうという感覚で「寝言」を書いております。なにかを主張したいというより、どうなるんだろうという感じでしょうか。

 まずは、New York Timesが2011年5月15日付で配信したLandon Thomas Jr.の"With Europe in Crisis, Fragile Time for I.M.F."という記事です。この記事は、ドミニク・ストロスカーンがギリシャで緊縮財政を続けることは事態を悪くするだけだということを理解していたと主張しています。この記事は、緊縮財政によってギリシャ経済は今年に入って4%もの「縮み」を経験したと指摘しています。データの扱いはWSJなどと比較すると、ずいぶん粗い印象もありますが。なお、理事の一人は匿名を条件にして、ストロスカーンの後任を決めるのは時期尚早だと述べたと指摘しています。

 私にはIMFの権威が失墜した後、ECB自体がユーロ圏の撹乱要因になりつつあるように映ります。Wall Street Journalが2011年5月18日付で配信したGeoffrey T. Smithの"ECB Stern With Greece"という記事は、ECBの幹部であるJurgen Starkが、債務の再構築や「ヘアカット」など債務のリスケや再編成はギリシャが直面している問題を解決する手段となると言うのは幻想だと述べたと指摘しています。さらに、記事は、ギリシャ国債の大部分は国内で保有されているため、アルゼンチンのように債務不履行の痛みを「輸出」することができないだろうと指摘しています。ECBの対応は、アジア通貨危機とも背景が異なるとはいえ、ギリシャ経済の構造改革を徹底的に行うという点で、当時のIMFの姿勢とも類似することに注意が必要なのでしょう。

 また、記事は、債務危機によるギリシャ国内の金融システムや年金、生命保険などへの"contagion"を招くリスクがあるという意見を紹介しています。また、ドイツ政府の高官は、ESM(European Stability Mechanism)は、最後の手段として民間の債権者に債務減免を強制できるが、ESMが機能するのは2013年中頃だと指摘したと述べています。IMFの権威が失墜した結果、ギリシャの債務を負担したくない、相対的に裕福な国が国内においてギリシャ救済のための基金を拡充するインセンティブを失い、ECBも「取立て屋」のごとく振舞うようになり、ギリシャ問題は解をえる可能性が著しく低下しているのが現状でしょう。また、インフレーションの沈静化を図るべく、ECBは利上げを行い、さらにインフレ警戒を強める傾向にありますが、その結果、圏内の金融引き締めの効果に加えて、ユーロ高を招いていることはユーロ圏全体を停滞させてしまうリスクを高めているように映ります。


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2011年05月17日

菅直人内閣総理大臣の後釜

 こちらのコメント欄を読んでいて噴き出しそうになりました。

弁護士もっていても経済常識あるわけではないし、そういう政治家や官僚が牛耳っているこの国は、もともとカントリーリスクは高いんですよね。東電の処理も、無意味に民間企業の枠組みを生かそうとするから変になるのでしょう。潔く法的破綻処理をして、発電・送電は新会社に移行して、損害補償は国家主導で責任を取ればいいのです。国策として原発を推進してきたのですから当たり前のことです。東電管轄以外の庶民が反発するとしたら、「じゃあお前らの管轄で事故が起こったら当該管轄ユーザーだけで負担するのか?」といえばいいでしょう。


ブログ主さんが否定されるのかと思ったら、あっさり肯定されていて、ありゃまという感じ。金融機関が債権放棄も覚悟すべしという枝野幸男内閣官房長官の発言は論外だと思うのですが、東京電力福島第一原子力発電所の処理費用や周辺住民への賠償金も確定していない段階で、なぜ東京電力管内では負担しきれないと断言できるのか、謎です。また、他の電力会社が負担するスキームそのものは肯定されているようで、東京電力管内よりも所得水準が低い地域へ種々の負担を強いるのは、貧しい者からとりあげて、富める者にくれてやるというのは所得再分配の建前からしても、無理があると思います。おまけに政治に関しても「一億総懺悔」のご様子ですが、政権交代の一定の評価を与えた2010年の参議院議員選挙において、とある候補に170万を超える票を与えたのはどこの選挙区でしたっけ。いや、思ったことをバカ正直に申したまでで、お気に障ったらご容赦のほどを。

 しかし、このコメントに限らず、貧しい者からとりあげ、富める者に渡すという意見は意外と散見されます。このような風潮が東京方面を中心に強いといたしますと、以下の政見放送をご覧頂き、是非、投票していただきたくry



 菅直人内閣総理大臣とは比較にならない、唯一ネ申もかすんで見えるリーダーシップが期待できるのではないかと愚考するところです。しかし、総理大臣だけでは手が回らないことが多いでしょうから、やはり参謀、もしくは軍師としてはやはりこの方でしょうか。



 しかし、舌戦に強いだけでは困りますし、現代で天下三分の計というのもこまりますなあ。Corei7付ドスというのも選択肢かも。山口組組長が刑期を終えて活動を活発化させるという噂もありますし、それへの抑えもかねて次の方あたりも使えるかも。総理との相性も抜群ですしね(利根川幸雄と中の人が同じという問題はこの際無視)。



 それにしても、ガラの悪い諸葛孔明ですなあ。これで職場でこっそり動画が見れるなどという不謹慎なことを考えているわけではないのですが。


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2011年05月16日

ドミニク・ストロスカーンIMF専務理事の醜聞の影響

 ふとしたきっかけでニコニコ動画で「信長の野望 天下創世PK 合戦トライアル 日本史編」を見つけました。戦術レベルではあるのですが、意外と難しかった記憶があります。6、7年前ですが、織田信長編、豊臣秀吉編、徳川家康編、武田信玄編はすべて金(攻略日数が短い順に金・銀・銅)の評価でしたが、日本史編では後三年の役が金だったものの、保元・平治の乱は銅、源平合戦が銀、南北朝の戦いが金で応仁の乱で金をとっても「群雄」の評価だった気がします。XPを起こすのが面倒になってきているので、あいまいな記憶が頼りですが。動画を見ていて、記憶が戻ってきて、これほど精緻に作戦を立てたわけではないのですが、後三年の役は、攻城戦の攻撃側で、守備部隊を囮で釣り出した後で、城を一気に落とすという感じだったなあと。保元・平治の乱も同じ手口で城を落とせばよいのですが、動画を見てなるほど。源義朝を囮に使うという発想は浮かばなかったです。所詮、と言ってはなんですが、ゲームですので、本陣、もしくは本丸を落とすか、敵総大将の部隊を壊滅させれば勝利という単純なルールです。源平合戦が一番、感心しまして、源義朝を囮部隊にするのもなかなかできない発想ですが、野戦で本陣を落とすために木曽義仲を囮にするとは。同じような作戦ですが、木曽義仲を本陣攻めに使いたいので、もっと小規模の部隊を囮にしていたと思うのですが、これですと、本陣攻めに取り掛かる前に囮の部隊が簡単に壊滅してしまって、乱戦模様になるので、何度やっても銀どまりだったと思います。最も戦闘力が高い部隊が壊滅しても、本陣を落とすという目的からすれば、非常に合理的な発想でひどく感心しました。動画は冒頭のキーワードで検索してください。リンクを貼るのが迷惑な場合もあり、判断が悩ましいところです(3分で終わる応仁の乱には噴きました)。

 国内のニュースを見ていると、今頃メルトダウンがどうたらこうたらとあくびが出るほど平和なので、適当にリーダーを見ていたら、ドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)IMF専務理事がお縄になったようでありゃまと。事件そのものは日本語でも報じられていましたが、あまり興味がありません。まあ、容疑が固まったわけでもないので、深入りは避けておきます(私自身が性がからむ事件に興味がないだけですが)。英語でも、日本語でもフランス大統領選がどうたらこうたらという記事が多くて、ユーロ圏の債務危機への影響はないのだろうかと。Wall Street Journalが2011年5月15日付で配信したSudeep Reddy and Ian Talleyの"IMF Leadership Thrown Into Disarray "という記事が事実関係を主として伝えていて、ストロスカーンIMF専務理事は、日曜日にメルケル独首相と、月曜日と木曜日にはユーロ圏の財務相と会談する予定だったとのことです。記事は、メルケル首相はギリシャやアイルランド、ポルトガルの現状に関してストロスカーンの意見を聞きたがっていたとのことで("want"というのは私の語学力ではかなり強い表現に映ります)、今回の事件はユーロ圏に微妙な影響を与えそうです。また、記事は、"Having Mr. Strauss-Kahn sidelined could give them more power to push back against deeper involvement in some European nations."と表現しており、ストロスカーンが、ヨーロッパ諸国の中でもギリシャ問題に深入りするのに反対する国々を抑えて、介入する政治力を持っていたという観測を伝えています。ユーロ圏に与える影響は、それほどでもないのかもしれませんが(どの道、地獄でしょう)、ユーロ圏の混乱を抑えるのは困難になったのかもしれません。

 当然とはいえ、ゲームでは合理的に割り切ることができますが、現実はロジックでは動いていないことを実感します。正直なところ、ECBの政策指向は理解不能ですし(日本語でも英語でも解説記事を読んでもさっぱり)。歴史というほど大げさではないのですが、20代までは論理ですべてが理解可能という若さがありましたが、徐々に「気分」や「たまたま」の要素が大きいのではと思うことが多く、それだけではニヒリズムになりますが、どうも理性的と考える範囲ではとらえることができないことが多いのだなあと実感する日々です。

 アニメ好きの人に陰陽座がいいよと勧められたので、聴いてみたらなかなかでした。聴いて心地よければよいというわれながらのちゃらんぽらんさで、クラシックとへヴィメタをちゃんぽんで聴くのも平気です。『バジリスク』というアニメの方は見ていないのですが、この曲が主題歌とは贅沢な時代だなと思いました。

陰陽座 / 甲賀忍法帳



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2011年05月12日

拡大するアメリカの貿易赤字 相変わらずのユーロ圏

 東北地方太平洋沖地震、巨大津波、東京電力福島第一原子力発電所の事故で久しぶりにスポットライトを浴びたせいか、日本が国際経済の撹乱要因なのだという自意識が強すぎるような。Economist Viewの"The Stagnant Employment-Population Ratio"という記事にある労働力化率の低水準はアメリカ経済が回復にはほど遠いことを実感させてくれます。オバマ政権の、気でもふれたような財政支出の拡張によって国内総生産の金額こそ極端な落ち込みを緩和できているとはいえ、金融市場以外の市場が回復するのかどうかすら、目途が立たないのが現状だと思います。また、ドルがこれほど弱っているのにもかかわらず、2011年3月期のアメリカの貿易・サービス収支は、481億8000万ドルに拡大しました。対中貿易赤字が縮小する傾向にあるのにもかかわらず(為替レートの調整以上に中国のインフレ率の上昇が効いている)、このありさまです。金融危機の最大の要因は、グローバルインバランスの拡大だったそうですが、その解消は容易ではないようです。もっとも、前月比6%の貿易・サービス収支赤字の拡大の大半は原油価格の高騰で説明ができるという話もあって、一時的な現象でしかないのかもしれませんが。

 米中経済戦略対話で日本のマスメディアではガイトナーさんのお名前が出てきますが、米紙の見出しにはほとんど見当たらず、空気のような状態が続いておりますなあ。私が中国共産党の関係者だったら、一時的な輸出産業への打撃による国内の混乱を力づくで抑え込めるのなら、変動相場制への移行の準備を進めるでしょう。だいたい、ご本尊のアメリカは弱っていますし、ユーロ圏はぐだぐだ、日本はと言えば、震災がなくても、気でもふれたように年金と後期高齢者医療にカネを費やす勢いで、現状維持勢力がバターよりも大砲を選ぶ余地はほとんどありません。変動相場制へ移行してショックを乗り切れば、アメリカの指しすぎをとがめるながら、まずは経済面で現状を打破して中国中心の秩序をつくる可能性が上昇するでしょう。後は、中国脅威論を黙殺して、どの道、旧先進国は社会保障とともに没落する可能性が高いですから(たとえば、どこぞの島国は震災に電力不足で忘れていますが、社会保障費の増加を前提にすれば防衛費の拡大などまず無理)、軍拡を進めて戦わずして屈服させる道を邁進すればよい。中国サイドに立てば、国内の不安定要因が大きいのでしょうが、分かりやすい情勢だと思います。

 それにしても、ユーロ圏は相変わらずで、なんともいえない気分ですね。Wall Street Journalが2011年5月7日付で配信したMarcus Walker, Charles Forelle and David Crawfordの"Euro-Zone Meeting Exposes Anxieties"という記事では、ドイツのシュピーゲル誌がオンラインでギリシャがユーロ圏から脱退するとの観測を配信してユーロが売られたと指摘しています。後で、簡単に見ますが、これ自体は無理筋のようです。この記事で目を引くのは、ギリシャは既にユーロ圏の各政府から1100億ユーロの貸付支援を受けているものの、2012年にはさらに300億ユーロを調達しなければならないという点です。金融市場にはギリシャ国債の買い手がなく、ユーロ圏の各政府は支援せざるをえないことを認識しているものの、具体的な決定はなにもなかったと指摘しています。

 さらに、Wall Street Journalが2011年5月9日付で配信したMarcus Walker, Costas Paris, Charles Forelleの"Euro Nations Divided Over Greek Debt"という記事では、ドイツはギリシャ国債の償還の延期に関して民間の債権者と対話を続けるべきだと主張したのに対し、他の国々は反対したと報じています。ヨーロッパの政府の間ではギリシャはユーロ圏の対等な一員であることを受け入れる方向です。しかし、そのことは、議会や有権者の反対が強いドイツなどにとっては政治的苦痛だろうと指摘しています。他方、ギリシャが債務不履行に陥れば、2008年のリーマン・ブラザーズの破綻にも匹敵する国際的な銀行危機を招くと政策当局者は述べたとしています。2011年5月6日に行われた非公式会議では、ギリシャがユーロ圏を脱退することは、ギリシャ国内の金融システムと国家そのものが破綻し、ヨーロッパに金融危機を招くという意見が大勢を占めました。そこで問題になるのが、ギリシャの財政再建ですが、ギリシャのGeorge Papaconstantinou財務相は、ドイツやフランス、イタリア、スペインなどに対し、2014年までに財政赤字をGDP比で3%以内に削減するのではなく2016年にまで引き伸ばす必要があるだろうと述べました。これにドイツは懐疑的であり、ギリシャ政府は経済と財政の再建の意思を失いつつあり、経済と公的部門の改革を強化するよう求めました。ドイツは、とくに、ギリシャが国有資産を売却し、徴税を強化する努力のペースに感心していないと記事は指摘しています。

 来年、ギリシャが債券市場で資金を調達できなければ、欧州金融安定化基金による300億ドルの貸付支援が必要になります。ドイツは、ギリシャやアイルランドに対してより厳格な改革を行えば、支援を行うというシグナルを送ってきました。また、ギリシャの国債償還の延長を行っても、ギリシャ自体の負担は減らないものの、ドイツの納税者にとってギリシャの債務のエクスポージャーの上昇を鈍らせ、来年、ギリシャが再調達しなければならない金額を減らすだろうと指摘しました。これによって、ギリシャ支援に関するドイツ国内の政治的反対は和らぐだろうと記事は指摘しています。しかし、ドイツ以外の国々は、アイルランドやポルトガルへの悪影響を懸念しているため、ギリシャの債務調整には難色を示しています。ギリシャの財務相は債券市場で調達できなければ欧州金融安定化基金に債券を売らざるをえなくなると述べました。

 昨年、ユーロ圏は問題の先送りを図りましたが、問題は再燃しています。ドイツがユーロ圏を支える余力がどれだけ残っているのかが問題なのでしょう。


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2011年05月09日

中部電力浜岡原子力発電所運転停止による九州地方の電力逼迫

 番勝負としても第69期将棋名人戦への興味が薄れていたので、イランからチュニジアに至る「アラブの春」(イランがアラブ世界に属するのかは微妙ですが)の話を整理しようと考えておりました。突然、気でも触れたように、菅首相が中部電力浜岡原子力発電所の運転停止を中部電力に要請したので、電力融通は大丈夫でしょうねと気になりました。いわゆる「東西融通」に気をとられておりましたので、かなり毒気の強い「寝言」(それでもだいぶ抑えたつもりですが)を書きましたが、まさか九州にまで影響がおよぶとは想像しておりませんでした。『西日本新聞』が2011年5月8日付で自社サイトに配信した「九電、中部電から電力融通 浜岡停止なら困難に 九州の供給懸念」という記事の全文を引用しておきます。

 九州電力が5月に入り、電力の供給不足に対応するため中部電力から40万キロワット程度(一般家庭15万戸分相当)の電力の融通支援を受けていることが7日、分かった。中部電力は、政府による浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止要請を受け入れれば供給余力が一転して逼迫(ひっぱく)するため、九電への融通継続が難しくなることが確実。原発3基が同時停止する九州の電力不足への懸念がさらに強まることになる。

 関係者によると、福島第1原発事故を受け、九電は定期検査のため停止した玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)の運転再開を3−4月に予定していたが延期。一方で夏場の電力最需要期を控え、石油などの代替燃料の量的確保が見通せず、少しでも燃料の使用を抑えるため、5月初めから当面1カ月の期間で余力のある中部電力などと契約した。北陸電力からも数万キロワットの融通を受けているもよう。

 中部電力は東日本大震災後、東京電力への融通を始め、現在も続けている。だが突然の浜岡原発停止要請を受け、中部電力は「全面停止すれば供給力が不足し、一般論として他社への融通は難しくなる」(広報部)として中止する方針。九電への融通も予定通り続けるのは困難な情勢だ。

 政府は関西電力に中部電力への供給支援を要請したが、関西電力も美浜原発(福井県美浜町)などの運転再開のめどが立っておらず「むしろ需給は逼迫しており、支援する余裕はない状態」(電力業界関係者)といい、電力各社で供給不足が連鎖的に拡大する様相を呈している。

 九電は玄海2基に続き、今月10日から川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)も定期検査に入るため、原発6基中3基が停止する見通し。佐賀県などに再開の理解を求めるのと併せ、大口需要家などに大幅な節電要請を行う検討を本格化する。

=2011/05/08付 西日本新聞朝刊=


 九州電力玄海原子力発電所の2基が定期検査から運転再開の見通しが立たず、中部電力と融通を予定していたのは意外です。さらに川内原発も定期検査に入るとのことで、九州電力が原子力発電所を6基も保有していたこと自体、知らなかったのですが、かなり厳しい状態でしょう。原子力発電所が定期検査から運転を再開する際に、国と都道府県、自治体と電力会社の関係を理解していないのですが、震災後では運転再開に慎重になるのはやむをえないところでしょう。

 下の表は、九州電力のサイトから発受電電力量に関するデータをこちらのページからエクセルデータをダウンロードして加工してものです。率直なところ、九州電力の発受電電力量のうち、約4割が原子力発電で占められているのは驚きです。1999年度までのデータをたどっても、火力発電による発電量が原子力発電による発電量が上回ったのは、2010年度だけです(火力:377億1100万kWh 原子力:373億7500万kWh)。乱暴に表現すれば、定期検査とはいえ、原子力の発電能力が実質的に半減してしまうと、需給が逼迫するのはほぼ自明といってよいのでしょう。

 興味深いのは火力発電による発電量の推移で、減少している期間が、2008年度から2009年度にかけては、発受電電力量とともに減少しています。景気後退による電力需要の減少に火力発電の増減で対応していたと推測できます。また、2000年度には融通が33億5000万kWhほど他社へ融通していましたが、2009年度には600万kWhほど他社からの融通を受け、2010年度も他社への融通が上回っていますが、7100万kWhにとどまっています。融通の詳細はわかりませんが、震災とは無関係に減少傾向にあり、管内で供給能力に制約が生じた場合、融通を受電する側に回る可能性が高いことを示しています。

kyuden2006-2010

 なお、需要面から見ると、2010年度では業務用が販売電力量の約23.2%を、産業用が約34.7%を占めています。両者の合計は、2010年度の販売電力量の約57.8%を占めており、『西日本新聞』にあった「大口需要家」への節電の依頼を行うという趣旨の記述を裏付けているのでしょう。他方、業務用・産業用の節電が必至となれば、地元の企業への打撃も大きく、例えばトヨタ自動車などは九州に大きな生産拠点を置いていますから、電力不足が万が一、長期化した場合には、そうではなくても進んでいる海外移転をさらに加速させるでしょう。中部電力浜岡原子力発電所の運転停止は、中部電力管内だけではなく、他地域への波及も大きく、日本の経済に大きく水を差すリスクがあります。日曜日の繰り返しになりますが、「苛政は虎よりも猛なり」をしみじみ実感します。


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2011年05月08日

電力融通の現状に関する「寝言」

 リプライで意を尽くさない点がありましたので、いくつか補足をしておきます。まあ、データをとれない部分が多いので、憶測が多いのですが。

 「新報道2001」で海江田経産相は、次の認識を示しました。(1)東京電力が東北電力に融通している。(2)仮に中部電力浜岡原子力発電所が運転を停止しても中部電力等からの融通はこれまで通り実施し、関西電力から中部電力への融通を促す。どうも、(1)が怪しいですね。

 東北電力の「平成23年3月の供給力概要」を見ますと、2011年3月全体の融通は1億5000万kWhです。3月11日以前と以後の差などがあるので乱暴であはありますが、ざっと見て1時当たり平均20万kW程度の融通を受けた計算になります。

http://www.tohoku-epco.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2011/04/28/at2.pdf

他方、北海道電力のプレスリリースは、2011年3月13日から北本連系設備を利用して本州本面に最大60万kWの融通を行っていると公表しています。供給量のデータが見当たらないので、実績値がわかりませんが、仮に、東北電力が主に受電していたとしても、最大容量のすべてを融通していたとは考えづらく、東京電力にも実質的に融通されていたのでしょう。ここは憶測にすぎませんが。

http://www.hepco.co.jp/info/2011/1187601_1445.html

東京電力のプレスリリースは、福島第一原子力発電所に関する発表にほとんどを割いているため、残念ながら基礎データを含んでおりません。このため、誤っている可能性もありますが、次のように考えます。

(1)東京電力管内の需要家は、60Hz地域のみならず、北本連系からの融通によって恩恵を被っている。

(2)海江田経産相は、仮に浜岡原発が停止しても、東西融通を行うと明言している。

(3)中部電力・関西電力管内で電力需給が逼迫した際のことには明確に述べられておらず、首都圏の電力確保に最も高いプライオリティが置かれているように映る。仮に、今夏、全国的に猛暑が襲った場合、23区内は通常通り冷房が行われていても、中部地方や近畿地方で計画停電が実施される可能性が排除されていない。

 まあ、(3)は菅首相のみならず(この方に原発のみならず電力問題を理解することを期待すること自体が時間のムダ)、海江田経産相も菅首相から突然、言われて事態を把握できていないのではという単なる嫌味ですが。東京電力と中部電力の融通は公表されていないので、わからない部分が多いのが実情です。経済産業省が、無能な政治家による「政治主導」を排除して、全国的な視野で電力各社に融通を促していれば、次の可能性が高いのでしょう。

(4)東北電力の発電能力は女川原子力発電所の停止をはじめ、大幅に低下しているため、北本連系からの融通そのものは最大で60万kWhにとどまるが、北海道電力からの融通に依存している。

(5)周波数変換所から60Hz地域から東京電力が融通を受け、融通された電力の全部ではなくとも、部分的に東北電力に融通を行っている(東西融通の電力を東北電力に直接、融通しているという意味ではない)。

(6)中部電力浜岡原子力発電所の運転を停止した場合、東西融通の余地が少なくなり、被災地が集中している東北電力管内の需給がさらに逼迫する可能性がある。とりわけ、今から東北電力管内の復旧を重点的に行わない場合、需要のピークを迎える冬季が厳しい可能性がある。

 東西融通そのものは最大で100万kWhですから、被災地に与える影響はそれほどではないのかもしれません。他方、先の東北電力のデータによれば、2010年3月期には9億2100万kWhほど他社へ融通していたのが、2011年3月期には1億5000万kWhほど融通を受けていました。3月期でさえ、東北電力が、おそらくは東京電力向けでしょうが、他の電力会社向けに、現在、融通を受けている電力量の6倍もの電力を融通していたのが、逆に、融通を受ける状態です。震災による電力需給の逼迫は被災地が集中している東北電力が深刻な状態であり、復興をめぐる議論であまり問題にならないこと自体が不思議です(太陽光発電や風力発電を促進するとか、東京のテレビ局というのは、地理的には近くても所詮は他人事ですから無責任ですなあ)。

 ちなみに、中部電力の発受電量に占める原子力発電の比率が低いこと自体は事実ですが、2011年3月期には、水力発電の落ち込みが大きい要因とはいえ、15.8%を占めています。この分を火力発電で代替するのは容易ではないでしょう。今回の騒動は、菅首相の場当たり的な対応に振り回されているだけだと思いますが、しみじみ「苛政は虎より猛なり」を実感します。

http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3154221_6926.html


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2011年05月07日

ひどい「寝言」

 大型連休は英語の記事を斜め読みしていた程度で、ほとんどクラシックばかり聴いていたので、世の中のことにすっかり疎くなりました。このまま浮世離れができれば理想的ですが、現実はそうもいかないでしょうから、適当に読んだ範囲での「寝言」です。

(1)アメリカはオサマ・ビンラディン殺害と引き換えにパキスタンとの情報共有に致命的にひびが入る道を選んだ。オバマは、アフガニスタンからの撤退を正当化する口実をえたが、それ以上の成果が挙げたとは思えない。イラクの治安は、一時的な安定を見た2008年の成果を失うリスクに直面している。北アフリカでは、リビアへの介入を避けようとしているものの、反乱分子への資金援助など既に深入りを始めている。アメリカの影響力が最も及びにくい中東が無秩序に陥った場合、図式的になるが、(A)北アフリカ・南アジア、(B)東南アジア、(C)西太平洋の順でアメリカの影響力は落ちていくだろう。また、米ドルの下落にもかかわらず、いわゆる「グローバル・インバランス」は解消しないかもしれない。アメリカの製造業が輸出を伸ばしても、部品の輸入がさらに増える可能性があるからだ。

(2)他方で、中国の経済成長は鈍化しても、次の10年間で急激なカタストロフを迎える確率は低い。「点」から始まった経済成長は「線」となり、現在では「面」となっており、様々な「チャイナリスク」の指摘にもかかわらず、経済成長が止まることはないだろう。他方、経済成長の果実を、現行のアメリカ中心の国際秩序を覆すことにつぎ込む傾向も、同様に変化しないだろう。次の10年間、東アジアと東南アジアの国々には斜陽のアメリカと勃興する中国の間で、両者を天秤にかけるインセンティブがさらに強く働くだろう。軍事力だけで考えれば、中国が自国中心の秩序をつくる確率は低いだろう。現行の秩序が崩壊はしないが、誰しも信用できなくなるには10年ぐらいはかかるだろう。

(3)中国の政治体制の強みは、菅氏やその下の世代にあたり、菅氏にすら及ばない1950年代(1951年−1960年)のような無能な人物を中国共産党内部の権力闘争で潰すことにある。中国の政治体制の弱みは、菅氏程度ならば1年程度で共産党の一党独裁が崩壊し、その下の世代程度ならば、半年足らずで崩壊することにある。中国のリスクは、経済ではなく、政治体制にあり、特定の世代で担い手が育たなければ、あっけなく崩壊する可能性があることなのだろう。表現は悪いが、そのように考えると、日本の民主主義というのは意外としぶとい。

(4)東北地方太平洋沖地震によって確定したのは、日本には防衛費の増大によって現行の秩序を覆そうとする勢力を抑えたり、鈍らせる余地がないということだろう。また、日本国内でもほとんど影響力を無視できるが、核武装もありえないだろう。核の管理は、日本では無理だという世論が国内外で形成される可能性が高い。したがって、種々の外交努力を行ったとしても、現行の秩序へのただ乗りという批判を免れることは難しい。不幸中の幸いは、日本が復興に専念したとしても、批判が起きにくい状況だということだ。外政を手抜くわけにはいかないが、内政に重点を置く時期だということだろう。震災からの復興に議論が集中するのは当然ではあるが、より長期的な人口減少社会をどのように迎えるのかという問題は日本社会の長期的存続にかかわる問題であり、単に費用負担のあり方だけで終始すれば、今後もコンセンサス形成には至らないだろう(参考:「小峰 隆夫の地域経済から見る日本経済」4月1日および5月2日)。

http://www.jcer.or.jp/column/komine/index277.html


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posted by Hache at 01:24| Comment(2) | TrackBack(0) | ふまじめな寝言