浜松に行って、おめでたいことになりそうな話もあったのですが、話が確定してからでいいかなと。マスメディアへの嫌悪感は、節電の季節に24時間テレビというふざけた番組をやること自体、頭がおかしいと思わないのかというあたりで沸点に達するぐらいキレやすい厨二病をわずらっているので、こちらも抑え気味に行きましょうか。墓参りで名古屋方面に行った際に、『選択』なる雑誌の「『お殿様』としての電力会社」を父上に読ませたら、「電力会社が悪者と言いたいのはわかるが、個々の文章の意味がまったくわからない」とのこと。この雑誌は、よく最近まで年に1万円も払ってとっていたなあと自分の金銭感覚を疑うのですが、途中で東北地方や中国地方、四国地方、九州地方における民間の設備投資に占める電力会社の割合を示しているのですが、電力会社が設備投資をしていなければ、これらの地域経済はさらに悲惨な状態になっていたであろうことには深入りせずに、電力会社が地域経済を牛耳ったという方向にもっていくあたりで、うんざりです。あとは、公的固定資本形成の方にはまったく触れないあたり、元々、『日経』から飛び出して新聞が伝えない情報を提供するという役割はこの5年ぐらい完全に放擲されて、たぶんコネでつながっている記者やフリーのジャーナリストのチラシの裏と化しているのは悲惨だなと(日本のジャーナリズムの低さを実感するにはいい雑誌ではありますが)。そんなことをつらつら考えながら、反応を待っていたら、「東京工業大学なんて逆立ちしても入れない大学だと思っていたが、卒業生にとてつもないバカがいるんでホッとした」なんて話になって、そちらの話題はまったく興味がないので、1943年生まれだし、高卒だからってコンプレックスを持つ必要もないのではと思ったりしました。
今は中電ビルで仕事をしているので(所属は中部電力の子会社の子会社のはずですが、なんだか実際の仕事はかなり中電本体に近いみたいでわけわかめ)、昼の1時から4時まで冷房が止まるから暑くてたまらんとのこと。こちらも寝不足気味だったので、聞き間違えているかもしれませんが、マジですかという感じ。家では財布の紐が堅い母上が冷房を入れさせないので、俺そのうち死ぬとかのたまわっていました。中電も大変だなあと。関西電力の会議室も30度を超えていて閉口しましたが、東京方面のジャーナリストが優雅に冷房を利かせながら適当な取材で「なつやすみのかだい」を書いている状態とは大違いですが、間違っても、そんな話はマスメディアは書かないので、冷房を入れればいいのにと思うのですが。各地域で節電を要請する以上、「隗より始めよ」という感じなのでしょうが、報われないことをするものだなあと、まあ、実家のほとんどが中部電力か子会社勤務なので、電力会社の気風は少しぐらいは知っておりますが、東京の腐ったマスメディアが世論をあおっている状態では空しい気もしました。
そういえば、カタールとの関係はどうなんだろうと思ったら、30年近く向こうの種々のプラントで協力関係にあるので、今の経営陣が特別に才覚があるというわけではないとのこと。社内的には、もちろん、対外的には言えないのですが、総理大臣はもとより、経済産業大臣とかがしゃしゃり出てくると、まとまる話もぶち壊しにしかねないので、中電がさっさと動いたようで、来年の夏には上越火力発電所が稼動するので、中部地方の電力需給はかなり緩和されそうですね。ただ、ネックは関西電力で、このままいくと、60Hz地域のブラックホールになりかねないので、定期検査中の原子力発電所が運転再開できない状態が続くと、60Hz地域は来年はさらに電力需給が悪化するという見通しでした。びっくりしたのは北陸電力との融通では位相が異なるために、途中でブースターをかましているそうで、「こちらがもらうにしても送るにしてもまだ設備投資をしないといかん」とのこと。震災直後の60Hz地域から融通しろという話のバカさ加減にあきれましたが、周波数が同じであっても、やっぱり大変ですね。
上越火力がご自慢のようだったので、でも送電が大変でしょという話をしたら、実はかなり苦しんだようですが、なんとか長野県の上田市まで引っ張ってこれるという話になったそうで、やはり大変だったようです。相当の距離になるようですが、それでも送電ロスはかなり抑えられるようで、目途がたっているので、心配ないとのこと。エコノミストと経済学者とは口もききたくないのですが、理由の一つは、発電すれば、需要家に即、送れるとでも思っているのかというほど、送電の問題に無神経で、私自身も子どものときに、中電の発電所に連れて行ってもらって説明を受けたというレベルでしかないのですが、小学生程度の知識もない連中と話をすること自体が苦痛ですなあ。「埋蔵電力」(自家発電)の話もしましたが、定格で議論している時点で終了。だいたい、電力専業ではない事業所に恒常的に発電しろというわけにも行かないわけで、『日経ヴェリタス』は日経金融以上にデマ新聞とみなしております。余談ですが、『選択』には「『脱原発』で息の根止まる関西電力」という記事がありますが、電力自由化後、大阪ガスが一定のシェアを獲得した時期には犬猿の仲だったというのは事実ですが、この数年ではかなり修復している状態で、今の電力危機も足並みがそろっているというところまでは行かないようですが、いったいいつの時代の話なんだろうという感じでした。あと、震災直後に首都圏の識者様たちが、周波数統一をせよと言ってたよと言うと、運転中にハンドルをミスしそうになりました。頭がくらっとしたそうです。そういう話は、戦後直後にやっておいたらよかったねで終わり。
たぶん中電に限らないのでしょうが、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案(
参考)は頭痛の種のようでした。発電コストばかりを電気事業者が問題にしているかのような報道がまかり通っているのですが、頭痛の種は、買い取った電気を家庭や事業所に配電するためにはさらに設備投資が必要になるのですが、火力発電の増強で燃料費が急激に増加している上(ちなみに今夏の電気・ガス料金の値上げは震災後の供給力低下とは無関係)、再生可能エネルギー関連で投資するとなると、原資をどうするのか、借りた金は電力会社も当然返さなくてはならないので、どこから捻出するかで、菅の思いつきに経済産業省の嫌がらせが加わってんじゃないのかと、自嘲気味でした。意外と知らない人が多いのですが、震災前から電力自由化を推進してきたのは経済産業省で、小売自由化とセットで発送電分離で電力会社をねじふせようと、おそらく日本で一番、頭がいい経済学者の一人に某研究所のエコノミストをねじ伏せさせようとしたところ、小売自由化が限界だったというのが実態です。再生エネルギーの買取制度の導入自体は、嫌がらせではなく、単に経済産業省も総理の意向を汲み、世論に迎合しただけでしょうが。某有名大学の制度推進論者の経済学者に「私みたいな賃貸アパートで電力会社から電気を供給してもらうしかない貧困層が、戸建てでソーラーパネルをつけられる富裕層へ貢げというお話ですね」とぶつくさ言ったら、二の句が継げなかったと話したら、困った奴だなあと苦笑いしてましたっけ。エコポイントの住宅版なんて典型的な所得に関して逆進的な制度じゃないのと思うのですが、こういうときには逆進性の問題が頭から抜けるのが、日本の経済畑のクオリティかなと。
穴場としては風力発電の騒音問題ですかね。実際のところ、電力会社が再生可能エネルギーの導入に消極的だというのは、いい加減な取材の結果でしかなくて、風力発電の場合、民家から離れていても騒音や振動の問題などがあって、原発の立地ほどではないのですが、なかなか大規模に導入するのが難しいという問題も大きいのですよ(とある東海地方の海岸で風力発電所を建設したらトラブルがたえなかったそうな。おばちゃんが中電の営業所に怒鳴り込んできて、参ったらしい)。ジャーナリストやエコノミスト、経済学者というのは、結論ありきで自説に都合の悪い事実は徹頭徹尾、無視するということを実感したので、ばっさり今秋あたりから関係を切ってしまおうと。裸の王様がなんか言ってらあという感じ。
しかし、若いのは若いので、ものを知らないので困ります。東電の人件費が4500億円程度と新聞に出ていて、多すぎるというので、有価証券報告書で東電の営業費用を見てご覧といって、見ましたけれど、意味がわかりませんというので、頭痛がしました。ごく粗く言えば、東電の「人件費」は営業費用の1割程度で、仮に、総人件費を半減させたら、営業費用は何%削減できると尋ねたら、暗算ができなくて、絶句しました。そりゃあ、新卒者の就職がないわけだという感じで、昔は固定費用が大きい産業の典型として鉄道と並んで経済学のテキストに出ていたと思うのですが、最近はそんなことも知らずに卒業するんですね。教える方もアレだし、まあ、新卒者の就職難はそれなりに妥当なことではないかなと思ったりします。
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posted by Hache at 07:00|
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気分しだいの寝言