2012年08月29日

全ての元凶の元凶の元凶から今日まで

 アイマス(アイドルマスター)とは関係なく、Samarasをサラマスと表記しておりました。匿名様のご指摘で気がつきました。サマラスの誤りでしたので、訂正いたしました。で、今回はRSSに流れないようにしてきたアイマスの話題です。といっても、正確には「ニコマス」(ニコニコ動画におけるアイドルマスター関連の動画)の私にとっての「諸悪の根源」から今日までをたどってみます。

 『三國志VIII』を題材にした、「曹操がプロデュース業を始めたようです」こそが(私にとっての)諸悪の根源です(架空戦記には「閣下三國志」という紙芝居+戦闘という基本を確立した作品がありますが、ニコマスの歴史をたどることが目的ではないので割愛します)。『三國志VIII』自体は、パワーアップキットを適用する前の無印版で曹操を中心に武将プレイを楽しんでいました。やはり黄巾の乱シナリオが楽しく、もし曹操が一介の役人で一生を終えたらというイフでプレイしましたが、何進死後、君主になって苦労しました。この動画は当初から君主プレイで逆に新鮮でした。しかし、反則パラメータのアイドルたちを従えているとはいえ、すべての領地を戦争で踏みつぶすのは大変で、この時期にはここで戦闘に入ると、こんな地形なんだと感心しながら見ておりました。なお、紙芝居ではアイドルたちが名前で呼ばれるのに対し、戦闘シーンでは『三國志VIII』では姓で呼ばれるので、覚えるのが大変でした。第28の1で「七十二式連弩」で千早が曹操をボコる理由がいまいちピンとこない、うぶな時期で感慨深いです(ついつい28−1を見ましたが、よくまあ李典の発言の一つ一つが千早の胸(ハート)をえぐるようにできていて感心します)。この動画は3周ぐらいはした覚えがあります。



(初出)「PC自作2台目 自爆編」(2011年7月3日 リンク

 これでアイドルマスターにも興味を持ったのですが、やってみようという気は皆無のまま、この動画を見つけて、不覚にもアイドルマスターではなく、10年ぶりぐらいでVAZIALSAGAをやってしまうという羽目になりました。なお、ボーカルはみ〜こです。



(初出)「ハイスペック機のダメな使い方」(2011年8月12日 参考

(関連する「寝言」)「続・ハイスペック機のムダな使い方」(2011年8月14日 リンク

 こう並べてみると、思った以上に孟徳Pの動画から「洗脳・搾取・虎の巻」まで1ヶ月ちょっとで驚きですね。孟徳Pの紙芝居と戦闘が見事で当時意識していたよりも、アイドルマスターに興味を惹かれていたのかもしれません。

 もっとも、この時期は、震災の自粛ムードからは影響を受けませんでしたが、6月ぐらいまではさすがに気分が重い日々が続いていました。テンションは沈んでいるのですが、まるで躁鬱のようにテンションがハイになったりと不安定な時期でした。ニヤニヤしながら、あんたにいつまともなテンションのときがあるのだと尋ねられたら、赤面して沈黙するしかないのですが。本格的に『アイドルマスター』そのものにのめりこんでいくきっかけはやはり次の動画でした。たぶん、この動画がなければ、そんなゲームもあるんだで終わっていたと思います。ゲームをやらずにCDを買ったのは初めてでした。



 この後は、一転して「中の人」期ですね。中村繪里子さんの「アメリカンな」包装の破り方と今井麻美さんの、歌とは対照的な妙なテンションにはまっていました。ニコ動のマイリストを見て驚きましたが、下の動画をマイリストに入れたのが8月12日ですので、この時期は片っ端からアイマス関連の動画を見ていたようです。



(初出)今回です。





 上の動画は8月19日にマイリスト入りして、今でも見ていますね。iM@STUDIOを聴いた後あたりに、無性に見たくなる時があります。「アサミンゴスP」は「時の最果て」でもリンクしたことがありますが、「すごいよ!繪里子さん!」は初めてではかなと。ネットラジオで『のら犬のギョーカイ時事放談』を聴かなくなってしまいました。

 話は飛んで、孟徳Pが諸悪の根源ですが、『アイドルマスター』のアイドル全体に興味をもつきっかけになった動画は、なんと下の動画です。なぜかわかりませんが、ぷよm@sにはまる前に、タラPの下の動画を見てはまりました。なんだろう、自分でノベマスを作ろうという気はないのですが、話がとにかく面白くて、コメント欄に『ぷよm@s』を見ないと、人生の損失というコメントがあって見出したら、睡眠時間を喪失しました。下の講座は、『ぷよm@s』を見た後で再度、見直すと、作り手の作業を想像する楽しみが増えます。しかし、part30はこれまでのストーリー展開とかなりつくりが変わって完成度がさらに高くなった印象があります。part31も楽しみですが、あのクオリティを維持するのは並大抵ではないだろうなあと。

 まあ、しかし、私にとっては、孟徳Pが「全ての元凶の元凶の元凶」、タラPが「全ての元凶の元凶」という感じですね。弓削PやプロディPの動画も見るようになって慢性的に睡眠不足になりました。ここまでなら、それほどでもないのですが、『少女革命ウテナ』を劇場版まで見てしまい、『絶対運命黙示録』をそらで歌える(歌えるだけでなく「もくし くしも しもく くもし もしく しくも」をなにも見ずにすっと打てるレベル)体になった原因は間違いなく『ぷよm@s』ですね。合唱曲以外では『バーチャルスター発生学』がお気に入りですが歌えないです。

 話を戻すと、今さら、無印をするのもどうかと思うのですが、微妙な設定やオーディションの機微などがわからないので、とうとう手を付けてしまいました。2をやるどころではないので、無印で終わる可能性が高いと思いますが、アニメの第5話が好きで、なんとか伊織の次はやよいをプロデュースしたいです。まあ、子どもができる見通しが皆無なので、子育てではないのですが、保護者気分を楽に味わっている感じですかね。



 いまのところ、全員のプロデュースが終わっていないのですが、いろいろなコミュを見て、やはり春香さんが一番ですね。3人しかプロデュースしていないのですが、テレビ出演時は親でも見るような視点で見てしまうので、娘のアルバムを作る感覚で作成してしまいます。最後の動画は、本来のコミュの魅力をうまく伝えているなと。2をしていないので古い感覚のごく一部しかありませんが、春香さんを選んだのは初心者に優しいのと、やはりコミュの魅力でしょうか。



 あと、昨日の「寝言」で「はるるん」とか「まこちん」ってなんですか(笑)という反応もありましたので、一応、攻略サイトのキャラクター呼称表をリンクしておきます(参考)。なぜかプロデュースしていない亜美・真美が他のアイドルを呼ぶときの呼び方です。なぜ、亜美・真美で統一しようとしたのかは自分でも謎。「さん」づけが普通なんですが、高校生の子はまだしも、中学生ぐらいですとよそよそしい気もしますし、「ちゃん」づけではなれなれしい感じ。だったら、いっそ「いおりん」の方がいいだろうぐらいの感じですかね。

 ついでといってはなんですが、『ぷよm@s』part30の闘ぷよシーンを見て、何度見ても震えます。part12とpart13・14の闘ぷよだけを集めた動画があって、それを見ても震えるのですが、同じゲームなのに少し違う凄味があって、信じられないぐらい面白いです。『ぷよ通』以降の対戦は化け物じみた動画がいくらでもありますが、初代は連鎖を先に負えた方が勝ちという短距離走のような感じでしょうか。雪歩が出てきて、障害物競走を意識しなくならなければならなくなるだけでゲーム性が深くなるのは不思議な感じです。まあ、下手くそだとCOM相手に掘る練習を腐るほどやっても、掘り神様の恩寵を頂けないのが悲しいのですが。


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posted by Hache at 07:00| Comment(1) | TrackBack(0) | ふまじめな寝言

2012年08月28日

進行するユーロ危機 ギリシャ(3) (長文注意)

 ギリシャのサラマスサマラス首相が先週末に独仏を訪問したおかげでギリシャ関係の記事が若干ですが、目につきました。Wall Street Journalが2012年8月24日付で配信した記事のタイトルが"Germany Tells Athens to Stick to Plan"で、New York Timesが2012年8月25日付で配信した記事がSteven Erlangerの"French Leader Hails Greeks for ‘Painful Efforts’ in Crisis"となっていて、どちらも当初、配信した記事からタイトルが変わっているので(RSSリーダーが日曜日に読み込んだ時点ではNYTのタイトルは"France Reassures Greece on Euro Zone Membership"でした)、米紙のニュアンスも日曜日にざっと目を通したときからかなり変わっていますが、とりあえず、表面的な問題だけ自分の整理のためにメモしておきます。

 サラマスサマラス首相が改革の継続を約束する代わりに、ドイツのメルケル首相がギリシャの改革実行を前提にユーロ圏に留まらなければならないと言明しました。フランスのオランド大統領も改革が遂行されることを条件としてギリシャがユーロ圏に留まることを再保証しました。まあ、ここまででなんか変だなという感じです。なぜ、今更、ギリシャがユーロ圏に留まる再保証をするのかなと。パッと素人が思いつくのは、メルケルが国内の説得に行き詰まりつつあるのではという点ですが、ブルームバーグが日本語で流していた記事が今回のメルケルとサラマスサマラスの会見の背景の一つとして、ドイツの議会である議員がギリシャの退出を促す発言をしていた記事を配信していたと思うのですが、月曜の未明の段階で記事がネットでは見当たらないので、あまり根拠のない話としておきます。もっとも、ギリシャ救済でメルケルがドイツ国内の説得に苦労するというのは今に始まった話ではないので、ありそうだなぐらいの話です。日曜日の段階は独仏が協調していること、ギリシャが民営化を中心とした改革を約束したという点を確認した程度です。

 ユーロ危機に関して言えば、私の見通しを先に明確にしておいた方がよいでしょう。自分でも自分のバイアスがはっきりしますし。ユーロ圏は最終的に溶けてしまうだろうが、溶けるまでには時間がかかる。時間稼ぎにすぎなくても、国際経済への打撃を和らげる時間が必要である(可能ならばユーロ圏を隔離したいところではあるが、これだけ相互依存が進むと、その手段はなかろう)。緊縮策は確実にユーロ圏の死滅を早めるので止めさせたいが、ドイツ人はケチで頭が固いので、難しいだろう。したがって、ユーロ圏の延命を図るだけではなく、消滅するという想定に関して手を打つ必要があるが、現政権にはなにも期待できないし、代わりが出てきても同じであろう。無為無策でユーロ圏が崩壊するのが最も危険なのだが、その確率は極めて低いものの(いつ起きるのか現時点では予測できない)、無視できない程度であろう。

 とまあ、われながら粗雑です。実はユーロ圏が崩壊する絵がなかなか描けないので、かなりひどいバイアスだというのが率直な実感ですね。逆に言えば、ドイツがユーロからマルクに戻ったときに、経済がもたないことがユーロ圏を延命もし、緊縮策を各国に強いているという点ではユーロ圏を経済的に停滞させる大きな要因になっているのだろうと。IMFも想定通りダメダメで、さすがという感じでしょうか。アジア通貨危機で見せた「破壊力」はまだまだ健在なご様子で、ドイツの緊縮策を抑えることはできないでしょう。

 独仏が「一衣帯水」に近い関係に入っていることは先のNYTの記事を読むのがよいと思います。短い描写ですが、これはこれでよい感じでまとまっています。オランドに関しては大統領選挙前後で懸念する声が多かったのですが、どこぞの島国の家電メーカーが人材(笑)を大量生産しようとして失敗したのとは対照的に(本業では曲がりなりにも一時的には成功したが、ぺーはーぺーは大量生産して大失敗でしたね。こちらは廃材しかないようでお気の毒で済めばよいのですが、政治家となると迷惑でしかない)、現実に直面すれば変わりますね。

During his presidential campaign, Mr. Hollande was critical of the pain the Greeks have been put through in the name of austerity, and he has presented himself as a critic of austerity and a defender of growth in the euro zone.

But he agreed with Ms. Merkel in Berlin on Thursday not to make any commitments to Greece until a report next month on its compliance with the terms of a second bailout deal reached with the so-called troika of the European Union, European Central Bank and the International Monetary Fund. The troika will also examine how Mr. Samaras proposes to find an additional $14.4 billion in savings and revenue over the two years of 2013-14.

When the report is complete, Europe needs to make decisions about Greece “the sooner the better,” Mr. Hollande said. “In the face of ordeals, we must show more solidarity.”

 オランドは大統領選挙の活動中に財政緊縮の名によるギリシャが受けた痛みに批判的であったし、自分自身を財政緊縮の批判者とユーロ圏の成長の守護者として世論に映し出そうとした。

 だが、木曜日にベルリンでオランドは、EUとECB、IMFのいわゆるトロイカと合意に達した2回目の救済交渉の条項に従っている来月の報告までギリシャにいかなるコメットメントを与えないことでメルケルと合意していた。トロイカはサラマスサマラスが提案する2013年から14年の2年間にわたる歳出削減と収入増による追加的な144億ドルをどのように確保するのかを精査する予定だ。

 報告が完成すれば、ヨーロッパはギリシャについて「より早く、よりよく」、「危機に直面してわれわれが結束をより固めていることを示さなけばならない」とオランドは述べた。


 この前のパラグラフで、サラマスサマラスが脱税に対して厳しく対処する方針を表明したとあるのですが、徴税装置すら整っていない状態で脱税を取り締まるのにも予算が必要でしょうにとため息が出ます。しかし、たかだか144億ドルなら、朝鮮半島統一のご祝儀(可能性は低いが起きれば必要になる)はミニマムアクセス米の余剰分で済ませて、ギリシャにポンとあげたら、ギリシャは飯はうまいし、観光も楽しいので親日国にしてしまえばよいのにという「寝言」が浮かびます。

 それにしても、オランドは元々、緊縮よりも成長をと訴えて当選したのに、態度をコロッと変えたという皮肉を記事のタイトルから感じますね。ただ、皮肉ばかり言ってもあまり意味がなく、オランドの選挙中の言動は多分に大衆受けを狙っていた部分があるにしても、経済成長の視点が皆無の「トロイカ」では死期を早めるだけだという本質を突いた部分も、おそらく結果論ではありますが、あったのではと思うのですが。露骨に言えば、ギリシャ経済を滅茶苦茶にすることが救済の条件というのでは話にならないということです。財政緊縮が必要なのは市場で資金調達できない時点で自明ではありますが(当たり前ですが緊縮そのものを否定する人は少ないでしょう)、一時的に痛いどころか、将来にわたって経済成長を停滞させかねないレベルまで税収増と歳出削減を進めるのは、あまりにもリスクが高いでしょう。平均的な失業率よりも若年者の失業が50%前後ともされるようでは労働市場改革はおやりになったらよろしいとは思いますが、この手の改革の効果は5年、場合によっては10年というスパンで効果が出てくるので、その間、「失われた世代」が続くことになります。教師の年金が削減されるぐらいですから、教育に関する予算そのものも削られている可能性が高いでしょう。これらの投資の抑制は人的資本の蓄積を長期間にわたって妨げる効果をもつでしょう。

 そこで再びWall Street Journalが2012年7月19日付で配信したMarcus Walker and Marianna Kakaounakiの"Greeks Brace for More Pain on Wages"という記事に戻ります。正直なところ、ギリシア編も完結せずに終わってしまうなあと思いましたが、思わぬ形で戻ってきました。続きの部分はギリシャの主要産業である観光業に関する叙述が中心になっているのですが、やや焦点が絞れていない印象もあるので、この点に関しては簡単に要点をメモするだけにします。観光業の場合、観光客が減少している上に、トルコを含む地中海諸国が新しい競争相手として出現してきています。ドイツやイギリスの旅行関連業者はギリシャを去り、ポルトカラスではロシアの業者が力を増しています。もちろん、この状況に観光業界も手をこまねいているわけではなく、ホテル業や旅行業の労働組合は15%の賃金削減に合意しました。ホテルの場合、新しい最低賃金は月568ユーロですので、これでもコスト競争では苦しいのかと驚きます(これではさすがに私の家賃(今住んでいる都市圏ではかなり安い方です)も払えないですね。日本の物価と調整せずに比較するのはほとんど意味はないのですが)。また、2003年以来のECBの低金利政策によってバブルが助長されました。ギリシャでは公的部門が、スペインやポルトガルなどでは民間部門が借金を増やしました。ECBがユーロ圏をあたかもドイツなどと均質な経済圏であるかのようにみなしていたため、南欧諸国にとっては金利は低すぎたという指摘は的確だと思います。ギリシャの場合、財貨やサービスの輸入が増え、物価は上昇し、ビジネスコストは上昇しました。

Wages in much of Greece's economy have already fallen some since the country's recession began in late 2008. But the EU and the IMF say internal devaluation has a long way to go before Greece is competitive enough internationally to begin an export-led recovery.

Estimates vary on how much prices need to fall in the euro-zone periphery, relative to the core economies. Economists say Greece and Portugal face the biggest challenge, while Spain and Italy need smaller but still painful adjustments.

The EU-IMF bailout program for Greece seeks to cut labor costs by 15% in the next three years. A recent report by economists at Goldman Sachs says that, without major structural reforms, Greece would need an internal devaluation of nearly 30% to turn around its trade balance and end its dependence on foreign borrowing.

Greece would need less wage-cutting if its economy weren't so cluttered with red tape and cartels, economists say. Reforms to make the economy more flexible would help competitive export industries to grow.

But such overhauls are politically contentious and usually take years to work. Meanwhile, fiscal austerity is hampering the ability of Greece and other southern euro nations to educate and train workers, and a lack of demand from elsewhere in Europe is giving exporters little incentive to hire.

The IMF's latest report on Greece warns that internal devaluation can fail. The few cases of countries regaining their competitiveness by suppressing labor costs, such as Germany and the Netherlands some years ago, happened in a better international environment, and in more flexible economies with less debt. "Most of the conditions for success are missing in Greece," the IMF report said.

One such condition is functioning banks. Greece's banks, pummeled by losses on Greek government bonds, are barely able to lend, starving even healthy businesses of liquidity for daily operations, let alone for investments that might take advantage of falling wages and costs.

 ギリシャ経済の大部分における賃金は、2008年以来の景気後退から低下してきた。しかし、EUやIMFはギリシャが輸出主導の回復を始めて国際的に競争的になるには国内の「通貨切下げ」が長期間にわたると述べている。

 ユーロ圏の周辺においてどのぐらい物価が下がる必要があるかということに関する推計は幅がある。経済学者はギリシャやポルトガルは最も大いなる挑戦に直面する一方、スペインやイタリアはより少ないものの、痛みをともなう調整を必要とすると述べている。

 EUとIMFのギリシャに対する救済プログラムは、次の3年間で労働コストを15%ほど削減しようとしている。ゴールドマンサックスのエコノミストの最近の報告では、主要な構造改革がない場合、貿易収支を均衡させ対外的な借入への依存を終わらせるためにはギリシャ国内の「切下げ」は30%程度であると記している。

 経済学者が、ギリシャ経済が「お役所仕事」やカルテルによって乱されていなければ、ギリシャの賃金削減はもっと少なくて済むだろうと指摘している。改革によって、経済はより柔軟になり、競争的な輸出産業の成長は促進される。

 しかし、そのような見直しは政治的な論議を呼ぶし、機能するまでに通常は数年を要する。そうしている間に、緊縮財政はギリシャや他の南欧のユーロ圏の諸国が労働者を教育し訓練するようにできることを妨げている。また、ヨーロッパにおける他地域からの需要の欠如が輸出業者に雇用するインセンティブを与えないでいる。

 IMFは最新のギリシャに関する報告書で内部的な切り下げが失敗するだろうと警告した。数年前のドイツやオランダのように、賃金の切下げで競争力を回復したのは、よりよい国際的な環境と債務が少ない、より柔軟な経済においてである。「成功の条件の大半はギリシャには欠けている」とIMFの報告書は主張する。

 その条件の一つが機能する銀行である。ギリシャの銀行は、ギリシャ政府の国債で打撃を受け、健全なビジネスが日々の事業のための流動性が枯渇していても、貸出能力はほとんどなく、賃金や他のコストを下落を利用するであろう投資に対しても独力に任している。


 この後に、記事はPetas氏の工場の話に戻っており、余韻がありますがカットします。ギリシャでは既に小泉政権の「構造改革」などお遊戯レベルとすら感じるほど苛烈な賃金カットと緊縮財政が進んでおり、IMFやEUはさらに厳しい改革を要求していることが第1のポイントです。第2に、Walker and Kakaounakiが指摘するように、緊縮財政下のギリシャ経済のオーバーホールは政治的困難と機能するまでのタイムラグがあまりに大きく、ギリシャ経済のみならず、ギリシャ社会そのものを不安定化させかねないリスクを伴う点です。第3に、IMFは緊縮財政と経済成長の両立が困難なことを理解しているようですが、解決すべき具体策はないのが現状だという点です。最後の点は私自身が思い浮かばないのですから、IMFを責めようとは思いません。ただ、「トロイカ」の一角にありながら、残念ながらバブルの発生と拡大、後始末など金融政策において統治能力を欠いているフランクフルトを牽制し、無能なEU官僚を誘導する能力はないのが悔やまれます。

 ずいぶんと長くなりました。サラマスサマラス首相は、改革へのより具体的な取り組みを表明する一方で、経済成長がなければ、ギリシャ経済を弱体化させるだけだとも発言しています。Walker and Kakaounakiの記事を読んでいると、ギリシャにあまりに同情的になるのでいったん離れたのですが、サラマスサマラスと独仏首脳の会談の記事を読みながら、力を持っていながら使い方を知らずに非力な存在を振り回す姿は醜く、最後は自らも滅ぼすのではないかという「寝言」が浮かびました。


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2012年08月21日

中韓に関するお気楽な「寝言」

 「時の最果て」では、日本人を「島国根性」とバカにしたような表現を用いることが多いのですが、現実には書いている本人がそうだったりします。あんまり大陸には関わりたくなかったりしますし、半島も極力、関与せずに済むのが楽なのではと思ったりします。日本語の新聞をお盆休みのあたりに久々にカネを出して読みましたが、絶望しました。『日経』は、『朝日』や『毎日』あたり(一応、現在でも海外では「クオリティペーパー」らしいので)に比べて高級感があるようですが、見通しが悪くて、ヨーロッパの「異常金利」を問題にしたいのなら、ECBの金融政策がまず問題ですが、そこはスルー。分析能力が皆無に近いのではと思いました(補足:『日経』2012年8月14日の朝刊の話です)。

 尖閣諸島や竹島問題などについて知ろうとすると、さすがに日本語のメディアを通さざるをえないのですが、NHKのニュースで開始早々、豚の顔が映った瞬間に嫌気がさしてしまったので、スルーしてしまいました。子育てで中のお母さんとの接点はほとんどないのですが、こういう人たちが、「K-POPも終わりね」と言い始めるのを聴く方がなるほどと。あまり話題にならなくなっていますが、北朝鮮が崩壊したときに、韓国主導で統一する可能性はかなり低いのでしょうが、仮にそのような事態が生じても、日本政府が統一された朝鮮半島に経済的な支援を行うこと自体、相当の説得力が必要になるだろうなと。外交で感情ではなく勘定を優先せよといっても、空理空論でしかないのと思うのですが、1兆円とかバカな支援を行う必要もないのでしょう。また、北朝鮮崩壊のコストを韓国が一手に引き受ければ、東西ドイツ統一の比ではない負担を未来に渡って受けるわけですから、中々、大変でしょう。北朝鮮が中国の庇護の下に置かれる可能性の方が高いとは思いますが。

 尖閣諸島問題は、それなりには面倒で、香港で中国政府の影響力が強化されていることに対する反発が根底にあるだけに、これから頻発するだろうなと。New York Times紙あたりが香港の活動家を取り上げていましたが、NYTの記事が偏っているのか、反日で香港のガス抜きをするというのはパッと浮かぶ線であるだけに、そうアメリカのメディアに映っていないとすると、外交的には失敗でしょう。この動きに台湾が連動させられると、さすがに私も余裕がなくなってきます。現時点では、日中間の問題以上に中国共産党の統治の不備と権力闘争(こちらは遠巻きに見るのが限界ですね)が根源にあり、それにつき合わされるのは理不尽な感じもしますが、やむえをえないというところでしょうか。

 暑いというほどではないのですが、さすがに節電疲れが来ているのか、8月上旬と比較して疲労の感じ方が増しているようです。9月の初めに一泊二日の人間ドック、11月中旬に脳ドックを受診することにしました。糖尿病は運動不足が続いているので、どの程度、耐性があるのかがメインでしょうか。あとは、胃の内視鏡検査とオプションのピロリ菌の有無ですね。脳の方は、15年ぶりぐらいに脳のMRIをとっておこうと。血栓性静脈炎を患ったときに、医師にしつこいぐらい血縁関係にある方で血管の病気をしたことがないか、尋ねられましたが、母方の祖父が脳梗塞で右半身が軽い麻痺になっているので、そろそろ要注意でしょうか。


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posted by Hache at 07:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 気分しだいの寝言

2012年08月15日

敗戦記念日

 2011年3月19日の「福島第一原子力発電所をめぐる日米の微妙なズレ」という「寝言」を書いた時期には実際には抑鬱状態でした。地震と津波の被害だけでもあまりにも気が重かったのですが、東京電力福島第一原子力発電所へCH-47から放水していたのを見て世も末かと思いました。先の「寝言」では時間的なズレと本題ではないこともあって、軽く流そうとしていますが、あのときの絶望感は今でも覚えています。

 久しぶりに自衛隊の人と話す機会がありましたので、世間話をしながら、この話題を振ると、吐き捨てるように、「あれは神風(特攻隊)」ですよと言われて、素人目にもそう映りましたが、やはり中の人もそう感じるのかと。「リスク対効果を考えれば、話にならないですが、大臣なり官邸から命令があれば、やらないわけにはいきません」とも。私自身は怠け者ですので、あのような馬鹿げた指示が、どのような意思決定過程をへて、どのレベルから出されたのかを理解できていないのですが、「内閣総理大臣というのは最高司令官ですから、人を得ないと大変です」というため息交じりの話を聞きながら、なんともいえない気分になりました。閣議の議事録を残さないなどという検証を拒否するふざけたリーダーシップのあり方がマスメディアで人騒ぎしておしまいというのは異常ではないかと。東北地方太平洋沖地震による人的被害と物的被害は日本人の、あまりに犠牲の大きい、しかし今後、正しく後代に伝えていくべき貴重な歴史ですが、こんな扱いをしていては、なにも学ばないのと同じなのではないかと思いました。

 人間は過ちを犯す存在ですし、二度と同じ過ちを繰り返さないなどという高度なことは現実には難しいでしょう。しかし、過ちがどのように起きるのかが理解できなければ、それを軽減する術すらなく、運命に身をゆだねるだけの存在に堕ちてしまうことも同じ程度に確かなことだと思います。


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posted by Hache at 08:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 気分しだいの寝言