2012年12月13日

善意の怖さ リビア

 『ぷよm@s』part31を何度も見ているのですが、その度に元気になる私はやはり厨二病というビョーキなんだろうなあと。あまりよい見方ではない気もします。ツイッターで鱈Pの周りでルヨルさんのサイトの評判が良いので見たら、納得でした。実は、Bぷよでルヨルさんの千早式究極連鎖法を、動画を見ながら真似をしようとしていた時期もありました。ふと、気が付いたのですが、初心者レベルなら、その前に階段連鎖、あるいはズラース法をやっておいた方がいいなと。なぜと言われると困るのですが、確実に5連鎖が組めるようになりたいのと、デスタワー、あるいは2連鎖マルチのどちらも組んでみたいという欲張りな気持ちがあって、階段連鎖、あるいはずらすというのが連鎖の基本だと気が付いて、これが正確にできないと連鎖のセンスが行き当たりばったりでしか向上しないと思ったからです。Bぷよにはまってから、鱈Pの番外編を真剣に見た影響でしょう。SFCでやっていた頃はpart8を見て組んでいたら、不思議なぐらい5連鎖が簡単に組めましたが、ぶっちゃけまぐれでした。Bぷよを始めて、これはいかんと。以上はpart31を見る前の話です。

 しかし、いい動画を見ていい気分になると、ダイエットの一環で一駅前で降りるどころか、1時間ぐらい散歩しても平気だったり、階段の上り下りも6階ぐらいまでならまったく息が上がらないとか、かなり元気が戻った気がします。気が付けば、禁煙して1年を超しましたが、まだ禁煙前の集中力が戻らないものの、以前だったらタバコを吸わないとできなかった作業も楽にできるようになりました。さすがに仕事となりますと、他のことを一切忘れて、せめて一日のうち、14時間はそれだけに2年ぐらいは専念したいのですが、漸く金曜日を確保できるかもという感じです。これだけは本当に悲しい限りで、私の年齢ですと、私自身のキャリアの問題ですね。

 そんな廃人の目から世界を眺めると、ヨーロッパは相変わらず安定化したと思ったら、不安定要因がでてくる感じで、なかなか楽しいです。地味に怖いのはアメリカの国内政治と対外政策です。以前、「善意」の怖さ 摂津・遠江・尾張(上)」などという「寝言」を書いておりましたが、今回は「リビア」編、あるいはといったところでしょうか。ただ、今回取り上げる記事以外で裏がとれていないので、冗談半分、あるいは「寝言」として読み流していただければ幸いです。これは逃げ口上やヘッジクローズというより、こんなところまで読まないと、オバマ政権の外交政策が分からなくなっている気がするからですね。

 とりあげるのは、New York Timesが2012年12月5日付で配信した James Risen, Mark Mazzetti and Michael S. Schmidtの"U.S.-Approved Arms for Libya Rebels Fell Into Jihadis’ Hands"という記事です。まずは冒頭部分ですが、この部分で地味ですが、記事の内容の信憑性が高いのなら、事態は深刻でしょう。

WASHINGTON − The Obama administration secretly gave its blessing to arms shipments to Libyan rebels from Qatar last year, but American officials later grew alarmed as evidence grew that Qatar was turning some of the weapons over to Islamic militants, according to United States officials and foreign diplomats.

No evidence has emerged linking the weapons provided by the Qataris during the uprising against Col. Muammar el-Qaddafi to the attack that killed four Americans at the United States diplomatic compound in Benghazi, Libya, in September.

But in the months before, the Obama administration clearly was worried about the consequences of its hidden hand in helping arm Libyan militants, concerns that have not previously been reported. The weapons and money from Qatar strengthened militant groups in Libya, allowing them to become a destabilizing force since the fall of the Qaddafi government.

The experience in Libya has taken on new urgency as the administration considers whether to play a direct role in arming rebels in Syria, where weapons are flowing in from Qatar and other countries.

(ワシントン) 昨年、オバマ政権はカタールからリビアの反政府勢力への武器輸出に対して極秘裏に承認していた。アメリカの政府高官や外国の外交官によると、カタールがイスラム武装勢力に兵器を渡している証拠が増えるにしたがって、政府高官の間で懸念が広がった。

 ムアンマル・カダフィ大佐に対する反乱の間にカタールによって提供された武器と、今年の9月にリビアのベンガジにあるアメリカ領事館で4人のアメリカ人が殺害された攻撃とを結びつける証拠はなかった。

だが、数か月前には、オバマ政権は明らかにリビアの武装勢力へ武器を援助することにひそかに手を貸すことの帰結を憂慮し、それまで報告されていなかった懸念を抱いている。カタールからの武器と資金はリビアの武装勢力を強化した。このことによって、武装勢力はカダフィの政権が崩壊してから不安定にする力として作用するになった。

 リビアにおける経験は、カタールや他の国々から武器が流れ込んでいるシリアの武装した反乱分子に政権が直接的な役割をはたすべきかどうか考慮するよう、緊急の問題を提起している。


 ベンガジのアメリカ領事館襲撃は、対外的にアメリカの権威を失墜させたオバマ政権への信認を地に落とし、アメリカ大統領選挙を左右しかねない、深刻な事態でした。うろ覚えですが、ロムニーがオバマにこの点で厳しく追及しなかったため、アメリカの各紙が痛く失望を表明していたことを思い出します。ロムニーがこの問題をあえて追及しなかったのは、一面では見識ではないかとも思うのですが、そのような捉え方はアメリカ国内では手ぬるい印象しか与えなかった状態だったのかもしれません。

 これに続いて、国防総省の高官の発言として、リビアのイスラム武装勢力について「より反民主主義的で、より信仰に凝り固まっており、イスラム過激派により近い」という評価を紹介しています。上記で引用した部分でも述べられているように、この記事で問題となっているのは、オバマ政権がアメリカ国内で直接的に批判されたベンガジの領事館襲撃ではなく、リビア国内のイスラム勢力へカタールから武器を輸出していたことを黙認していた政権の姿勢です。読み手としてはまず、カタールから武器がリビア国内のイスラム武装勢力の手に渡っていたのをオバマ政権が実質的に黙認していたのは事実かという点が問題です。この記事を読む限りは、信憑性が高いと思いますが、残念ながら、私の語学力ではこの記事を検証する、あるいは反証する記事が見つかりませんでした。

 あまり、この種の空想は「時の最果て」とはいえよろしくないと思うのですが、抽象的に、イスラム武装勢力を強化することが妥当かどうかという問題であれば、オバマ政権の中東政策はアメリカの利益から説得するロジックが十分ではなく、同じことはアジア政策にも言えると思います。「アラブの人のため」、「アジアの人のため」ではなく、アメリカ人にとっての利益計算が外交政策の基礎になければ、それは持続的な政策たりえないでしょう。率直に言えば、2011年の段階でベンガジでカダフィ政権側が虐殺を行うのを防止するという「人道的な目的」で介入を是認する意見(藤原帰一氏など)を冷笑的に見ておりました。端的にその気分を書いたのが、「アメリカはリビアに深入り無用?」という「寝言」です。ハースは私ほど冷笑的ではないので、人道目的で港湾の中立化などに触れてはいますが、これもアメリカの利益にかなうのかはやや疑問です。露骨に言えば、アメリカの理想主義というのは、アメリカをその気にさせるには一番ですが、しばしば意図とは全く逆の結果を招く傾向がありますから。

 オバマ政権のアジア重視政策もなんちゃってじゃないのとからかってしまうのは、どうもアメリカの自己利益とどのように結びつくのか、面倒でもロジックが十分ではない印象があるからですね。ロジックといっても、学者先生の論理ではなく、リビアの内戦に介入すると、アメリカにとってどのような利益があるのかということです。もう一つは、やはり投入できるアメリカの外交上・安全保障上の資源の制約です。この両者を明確にすれば、外交政策が定まるというよりも、アメリカの取りうる選択肢がそれほど多くないことが理解できるのではと思うのですが。経済だけ決まるわけではありませんが、ブッシュ政権のように、クリントンが倹約した金を湯水のように使うわけにはいかないですから。

 それにしても、オバマ政権は中東で善意にもとづいてのみ行動したわけではないと思いますが、リビアの反政府勢力への支援は、カダフィ政権が崩壊した後も、リビア情勢を不安定化させた可能性があるという点で、理想に傾き、現実的な打算を欠いていたと思います。後知恵ならいくらでも批評できるとはいえ、2009年にカイロ演説に代表される理想を前面に出した演説は、現実的な打算を欠いていたのだと評価せざるをえないと思います。もっとも、この点は、子細に検討した場合、反対の結論になることもありうることをお断りします。

 人間が自己利益だけで動くというのは粗い単純化ですが、自己利益で動く側面を明確にしないと、「善意」はしばしば、他人を陥れようとする自己利益からくる「悪意」よりも自らを滅ぼしかねないきわどさをもっているというのがエゴイスティックな「時の最果て」のスタンスです。NYTの記事から話が逸れてしまいましたが、「善意の怖さ リビア編」を完結させる余裕ができたら、書きたいですね。あっという間に再生数が3万を超えてしまう動画と違ってこちらは期待されていないので、のんびりできて助かりますね。


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