2013年05月28日

縁なき衆生は度し難し マクロ経済政策

 まず、前座として安倍政権のマクロ経済政策です。リーダーを遡って見ていたら、Wall Street Journalが2012年5月23日付で"An Abenomics Reality Check"のアジア版の社説で、株価の暴落を受けて金融政策に過度の期待を抱くのはアメリカでもないよと軽くいなした上で、成長に寄与する政策が必要だと指摘しています。率直なところ、タイトルを見て中身がなさそうだなと思いましたが、プリントアウトして読むと、本当に中身がないなと。ただ、思った以上に債券市場の混乱などを要領よくまとめていて、債券価格の下落が金融機関のバランスシートを傷めるあたりをきちんと指摘しているあたりは、だいたい1週間前の社説としてはさすがだなと。ユーロ圏のような債務危機にいたらなくても、債券価格の下落で金融システムが不安定化してしまうリスクがあるわけで、当たり前の話なのですが、国内の報道で指摘しているのでしょうか。英字紙しか読まなくなったので、知らないのですが。

 あとは、日銀の4月の政策決定会合に関する記事でしょうか。議事要旨が公開された関係ですね。WSJが2012年5月26日付で配信したTakashi Nakamichiの"BOJ Divided Over Rising JGB Yields"という記事を読みました。"different dimension"という苦しい英訳を見て苦笑しました。黒田総裁という方は、新しい知性を備えた(日本経済を破滅させることによって人々が塗炭の苦しみを味わい、虚言で抱かせた希望が絶望に相転移するときに生み出される感情エネルギーを集めて熱力学の第2法則を捻じ曲げようとする)インキュベーターというか、宇宙人みたいで、「異次元緩和」って日本語からしておかしくないですかという感じ。

 本題はロゴフとラインハートの著作に対するクルーグマン大先生の批判でしたが、"This Time is Different"もまともに読んでいないので、無理でした。エクセルのスプレッドシートにミスがあったというのはロゴフとラインハートにとっては悔やみきれないミスでしょうが、問題は、政府債務と経済成長の相関ですね。政府債務があると、経済成長率が低下するという主張と経済成長率が低下するから政府債務が増加するという主張は、一方が誤っているというほど単純ではないと思います。素人考えですが、政府債務がGDPの9割を超えるあたりで相関が変わるという主張自体は、基礎的なモデルがあるとは思うのですが、やや奇異な印象を受けますが。

 なんか本題に入らずに終わってしまいました。やはりマクロ経済政策のように難しい分野は私みたいな凡人には「縁なき衆生は度し難し」といったところなのでしょう。


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