2006年05月04日

家庭教育を考える(18歳未満ノ者ノ閲覧ヲ禁ズ)



 ああ、なんとかんべえ師匠はすばらしい方なんでしょう。「明日以降に続く(予定)」なんて逃がさないわよという当方の叫びがお耳に届いたのでしょうか。「ポスト小泉」なんて誰でもいいよと、軽く煽ってみましょう。長島さんのブログも絶好調。テロ防止・イラク支援特別委員会での質疑はなかなか見ごたえがありました。HPなどで過去の長島先生の発言や著書での記述を拝見すると、集団的自衛権の行使を認めることは必要だけれども、政治的には慎重な立場をとられていたのが、コンセンサスづくりに積極的にしかけられている印象があります。自国の安全を守るのは、その意図と能力が必要ですが、相互依存が進んだ世界では自国の安全だけを考えていてはそれすらも達成できない。集団的自衛権を権利として認めるだけでなく、憲法上も行使できるのだというコンセンサスは、米軍再編だけでなく、今後の世界でこの国が生き残るために不可欠な要だと思います。「書生論」と侮る人たちがいようと、誠実にコンセンサスを形成し、世論を説得する姿勢を支持いたします。



 今日はこどもの日。教育論議も喧しいですが、私は公教育以上に家庭教育が問題だと考えております。しかし、このテーマを論じる資格が私にありますかどうか。嫁もいない状態なので、空理空論になる危険が高いです。そこで私が受けてきた家庭教育を振り返ってみます。ただ、まじめな議論は「時の最果て」らしくないので、あくまで「寝言」スタイルでまいります。



 というわけで「兇悪」シリーズの第4作の登場です。ちと鼻につく点があるかと存じますが、お暇な方はお茶でも頂きながら、お読みください。なお、18歳未満の人の記事閲覧は禁止いたします。この警告を無視して記事をお読みになって仮に同じことを試みて深刻な事態になったとしても、当方は一切の責任を負いませんのでご注意ください。



(兇悪の長男)



:お疲れさまです。おビールでもどうぞ。
父上:ほお、今日は妙に気が利くなあ。
母上:なんか変ねえ。
:まあまあ。肩でもおもみしましょう。
父上:気持悪いなあ。お前、なんかあるだろう?
:(内心やりすぎたかと慌てる)あれっ、けっこう凝ってるなあ。お疲れでしょう?
父上:まあ、いいか。ああ、そこはええのお。



(母上が台所へ行って席を外したのを見計らってから)
:今度の試験、不安だなあ。
父上:(もう出来上がっている)まあ、頑張るしかないな。
:ありえないけど、全教科で満点をとったら、パソコンが買えるなんて言われたら、不安が吹き飛んで頑張っちゃうかも。
父上:ははは。ありえねえ。よーし、パソコンぐらいじゃおもしろくもねえから、俺が腹を切ってやるぞ
:…(目に狂猛の光が灯る)。よもや今のお言葉、嘘偽りはございませぬな?
父上
:…(一瞬、たじろぐ)男に二言はない!パソコンでもなんでも買ってやるぞ!!その暁には、腹でも何でも切ってやる!!
母上:ちょ、ちょっと、待ちなさい!!この子、こういう話になると何をしでかすやら…。
父上男に二言はない!!
母上
:もし、満点とっちゃったら、どうするの?
父上:母さんは昔から心配性だからな。まあ、ありえねえよ。
母上:あまい、絶対あまい。この子の性格を理解していないのよ
:(ふう。間一髪、強敵の干渉をかわしたぜ。ふふ、後はどうなっても知しらねえよ。)



(答案がすべて返ってきた晩)
:すべての答案をテーブルに並べましょう。
父上:…。
:御覧の通りです。
母上:私が言った通りじゃない。もう、知らないわ。
父上:…。
:ご覚悟のほどを。
父上:待て。辞世の句がまだできておらぬ。
:それでは、今生の別れに一献。
母上:…この二人、バッカじゃないの。でも、おもしろいわね。
父上:(ごくり)思えば、短い人生であった。「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり」(注:父上は享年41歳)。
:(父上の目の前に家で最も刃渡りの長い包丁を白い紙の上に置く)ふつつかながら、介錯仕りまする。
父上:…。覚悟はできた。あとはお前と母さんで頼むぞ。
(そっと、出っ張ったお腹を包丁の背で軽くなでる。)
:(竹竿を上段に構えて)南妙法蓮華経。南無阿弥陀仏。かあっ!!
母上:バカバカしいけど、笑えるわね。それにしても、30万円はどうしようかしら…。まったく、バカな約束をするんだから。そうそう、明日から残業増やしてちょうだい。あと、お父さんのお小遣いは2万円、減額ね。



(解題)
 ほとんど脚色抜きの実話です。実は、このやりとりに至るまでに、大蔵省=母上と何度も折衝して「玉砕」してきました。理詰めで説得しても最後は「ない袖は振れぬ」で負けてしまうのです。大手門がダメなら、搦め手。誠に申し訳ないのですが、落とすなら父上からというのが「正攻法」で、実はこれだけでは不安がありました。思わぬ「切腹」発言によって局面が急展開しました。要するに、いかに30万を超える出費を母上に納得させるのかが肝なのですが、笑わせて「しょうがないなあ」という気分にさせるのがみそです。「切腹」劇がなかったら、PCゲットは無理でした。戦争に勝って外交で負けるというパターンが最悪ですからね。



 父上は、水呑がご先祖でありながら、なぜか信長様がお気に入りで休みのときには桶狭間につれていってもらいました。なぜか『敦盛』が酔っ払うとでてくるのですが、「…夢幻の如くなり」のあとはでてきた試しがなく、教養の深さがわかります。「武士に二言はない」もお気に入りで、迂闊に武士道など振り回さぬことが肝要だということを教えていただきました。父上の私の性格分析は、「母親に似て神経質で気が小さい」とのことです。これは的確そのものなのですが、洞察力では母上が上ですね。その分、用意周到になるわけで学校のテストのように努力と成果が概ね正の相関がある場合、リスクをゼロにすることはできませんが、かなりの確率に絞るのは努力次第です。このギャンブルの場合、全県一斉テストで範囲は中学2年までと広いのですが、過去問を学校で解かせるので出題の傾向やパターンが読めてしまうので分のいい賭けでした。



 家庭教育へのインプリケーションですが、まず第1に、人間は理屈だけでは動かずに感情の動物でもあるということを学ぶということでしょうか。高学歴・高収入のご家庭でご子弟の躾・教育に苦労されている方は、理屈や感情ををぬきにして、ときに、他人としてご子弟を見ることが大切なのだろうと思います。愛情は、よほどのことがない限り、絶えるものではありませんから、なかなか難しいと思いますが。



 第2に、子は親の背中を見て育ちます。この言葉ほど誤解されている表現はないでしょう。子供の数だけ親の背中から受け取るイメージは異なります。つまり、どんなに立派な親御さんであっても、子がそれを読み取れるかどうかは所詮は、子の能力です。冷淡に聞こえるかもしれませんが、「できの悪い」子が育つのは自然現象のようなもので、どうにもならない部分があることを覚悟するしかありません。あまり割り切りすぎると、子供が気がつきますから、このあたりの匙加減は、いまのところ確固とした教育方針などないと思った方がよいのでしょう。



 第3に、親が子を見る以上に子に親のよいところも悪いところも見えていることもあるということです。これを恐れていては、子育てはできないと思います。通常は、親の方がよく子の全体を見えていることが多いので、ちょっとした指摘を受け入れてあげることが大切だということです。子供の失敗を咎めないという狭い意味での寛容さではなくて、子供の大人びたところも未熟なところもありのままに受け入れるという意味での寛容さが必要なのでしょう。



 ありゃま、まじめな話をしてしまいました。オチが…。実は、このPCを手に入れたおかげで高校受験が終わった後、パソコンに熱中しすぎて進学先からだされていた春休みの宿題をサボったおかげで、入学早々の英数の試験で見たこともない点数をとってしまってしばらく鬱になりました。「人間万事塞翁が馬」という無難な話で今回はしめさせていただきます。



(追記)誰しもが、「生きる」ということは初めての経験であるように、子供を育てるというのも、誰しもが初めて経験することです。失敗があるのが当然と構えるのが、育てる立場だけでなく、育てられる立場からも幸せなことかもしれません。

posted by Hache at 16:09| Comment(2) | TrackBack(0) | ふまじめな寝言
この記事へのコメント
 拙者の場合は、父親が「『軍隊に行けば白飯が腹一杯食える』と喜んだ東北の田舎の青年」の戦後の姿です。明治以来、一族中、最初の「大学卒」が拙者でしたから、社会階層としては随分と下の方から上昇してきたような気がします。
 変な言い方ですけれども、自分の社会階層よりも上層に自分の子供を押し上げるのを「親としての成功」というならば、拙者の
父親は、成功したといえるのでしょうな。
 問題は、これからの「親」でしょう。だいぶハードルが高くなった分だけ、大変だとおもいます。
Posted by 雪斎 at 2006年05月06日 00:55
>雪斎先生
まあ、雪斎先生の場合、「成功」とか「失敗」とかそういうレベルの問題ではない気がいたします。私がお父上でしたら、失礼ながら、もうちょっと頭が悪くてよいから、政治なんかより、お金儲けに精を出してほしいなあ、なんて不謹慎なことを考えそうです。

ハードルが高くなったというのは気がつきませんでした。確かに、これは親御さんにはきついかもしれません。それ以上に、ご師弟にも。かんべえ師匠の愚痴を盗み聞きしながら、贅沢な悩みだなあと思いました。
Posted by Hache at 2006年05月06日 15:39
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