2009年03月03日

「勝者」に鞭打つ時代

 いきなり脱線ですが、なぜか「とてつもない国をつくるわよ♥の巻」という「寝言」あるいはネタのキャッシュが元通りになっていました。いちいち手作業で中身を読んでキャッシュを削除したり、復活させているというのは例外的なケースではないかと思うので、私が気にしすぎたかもしれませんが。実は、「失言の回数だけで人間の価値が測れるんですか?どうせ私は数え切れませんよあそうよの巻」という「寝言」もキャッシュがついたり消えたりと一時期、不審な動きをしていたので、ふーんと思いながら見ておりましたが。どう読んでもネタなので、なにか禁止ワードでも含んでいたのでしょうか。もちろん、グーグルにお任せ状態でこちらからクレームもなにもしていないのですが、こんなこともあるのかなという感じでしょうか。

 正直なところ、ネットで麻生応援団の様子を見ているとうんざりするので、単に嫌悪感が強いだけなのかも。昔は、(頬と頬を寄せれば)「保保連合」なんて時代もありましたから、小沢氏にひれ伏してでも連立を申し込んだらと突き放して見てしまいます。どの道、あと10年ぐらいしたら「年金・高齢者医療社会主義」になるんでしょうから、政権が交代しようが、「大連立」しようが大して変わらんでしょというところです。母上がなんとか月30万円はもらえそうとホッとしていて、あんたは倍はもらっているでしょうと言うので、「ああ、こちらの手取りの方が2、3万程度多いけれど」と漏らしたら、さすがに文句を言わなくなりましたが。

 海の向こうでは、この先4年間ぐらい弱っているかもしれない「勝者」(誤変換すると特定の業界になってしまい、とてつもなくまずいので気を遣います)に鞭を振るう期間になりそうで、憂鬱です。上位5%の富裕層(目安はだいたい年収25万ドル超の世帯のようですが)に向こう10年間で1兆ドルほど増税を行うそうで。面倒なので1ドルを100円と換算すると、たぶん私の年収の4−5倍はありそうですから同情心はないのですが、収入があるということはむしりとりやすいということだと思ったりします。気になるのは、富裕層の消費額と限界消費性向ですが、信頼できるデータがなかったので、想像にすぎませんが、増税にもかかわらず頑張って消費してくれそうな状態にはならず、収入だけでなく資産もあるとはいえ増えるところは少なそうですから、消費にはマイナスでしょう。富裕層だけではなく、中間層でもネットの効果では大した影響がないという意見もよく見かけますので、このまま金融システムが不安定な状態が続けば、オバマ大統領の任期4年間は不況ではないかと。

 ざっと見ても、財政支出を拡大させる一方、2011年には財政赤字の縮小を目指すそうで、規模こそ桁違いとはいえ、いかんせん、だんだんとどっかの国みたいで白けてきました。Washington PostではDan Balzが"Ambitious Blueprint a Big Risk The President Is Willing to Take"という記事で、皮肉ではないのですが、次のように述べています。

  William A. Galston of the Brookings Institution cited three parallels to Obama's far-reaching program: Franklin D. Roosevelt's 1932 New Deal blueprint, Lyndon B. Johnson's 1965 Great Society agenda, and Ronald Reagan's 1981 call to dramatically limit the size and power of government, which set the framework for public policy debate ever since.

なんと申しましょうか、たった4年間で一人三役というわけで、ARRAも議会とのやりとりで"green New Deal"というより、総花的になってしまいました。もともと期待していないせいでしょうが、たぶん消費が増えたり、投資が増えるというインパクトがまるでなく、オバマの任期の2012年ぐらいまで景気回復の可能性は低いのではと思います。まあ、2010年ぐらいに底が見えないと、あな、おそろしや。S&P 500が500−700台で3−5年ぐらい推移すると、阿鼻地獄でしょうか。わが国もいよいよ東証一部の時価総額の200兆円割れもありうる水準まで下がって、もう無気力になりますね。


 そんな気分でお昼にお店に入ったので、景気の話になって「向こう4年間は厳しいかも」とつい呟くと、「4年なんてとんでもない。1年ぐらいしたらみんな我慢にも限界があるから客が戻ってきますよ」と言われて、さすがに4年たっても底が見えないかもという一言を飲み込みました。景気の見通しなど私ごときにわかるはずもなく、ただカネを持っているというだけでとりあげられて、相対的に所得が少ないというだけでカネを回すというのは、富裕層が反発するという政治的な側面よりも、税制で、しかも短期間で中間層をつくりだし、その人たちに消費の主役になってもらおうというのは無理があろうと。率直なところ、ここまで所得再分配色が強い政策になるとはまるで想像できませんでした。景気刺激を期待する方が無理があると思います。

 ARRAはおそらくニューディール政策と同じ効果をもつのでしょう。金融危機から生じた「実体経済」の悪化をさらに長期化させる効果という点で。現在、富をもっていない「過誤」に対して甘く、失いつつあるにしても富をもっているという「過誤」に厳しいという指導者は名声をえるのでしょうが。

 それにしても、Barack Obamaさんも金融危機をこれでもかとばかりに引っ張りますなあ。で、アフガンというよりパキスタンでは超党派でこけそうという意見が米紙でも多くて、どん詰まり。WSJは、国防費の事実上の削減ににブチ切れ状態のご様子で(参照)、"But history also teaches that a nation that downplays potential threats -- such as from China in outer space -- is likely to find itself ill-prepared when they arrive."とまで書かれておりまして、「勝者」が鞭を自らに打ち、「敗者」は状態が改善しないまま、愚かな「勝者」をバカにするという、多難な時代になるのでしょうねえ(遠い目)。
この記事へのコメント
兄貴のこのエントリを見てふと思い出したのですが、確か4年ぐらい前にアメリカの投資サイトで「今の株価の水準は2010年以降まで持たず暴落する。機を見て現金化していくべきだ」と言っていたFPがいました。今回の事態を想定して、という話では無論ありません。その時点での株価が退職を控えたベビーブーマー世代の現役時代最後の(つまり一番給料の高い時期での)老後資金積み立てによるものであり、彼/彼女らの大量退職にによりキャッシュフローが逆転すると一気に需給が悪化する、というか買い手が不在になりフリーフォールになる、という趣旨でした。

アメリカの株価の価格形成要素がその記事の通りかどうかは判りませんが(そうでないことを祈りたいです…)、ともかくアメリカのベビーブーマーたちがリタイア直前に財産が半分になってしまったわけで、これから働いてリカバリーが効く世代と比べて消費への影響はきっついなーだろうと。とりあえず喰えてはいる人たちでメディア的には美味しくないネタなので特に日本のメディアではあまり見かけない印象ですが、数字になったら影響が見えてくるんでしょうね。
Posted by mitsu at 2009年03月03日 22:54
>mitsu様

人口動態は考慮していなかったので、興味深く拝見しました。情けないのですが、NYSEのデータがよくわからないのですが、今年の1月は薄商いというほどの状態ではないようにも見えます。現在でも東証一部で20億株前後の取引が成立しています。2003年のイラク戦争開戦前後とは事情が異なる印象をもちます。売買高上位にシティグループやGEが来ているのは気持ちが悪いのですが、短期的な売買が激しいようにも見えます。おそらく、人口要因が利いてくるとするならば、より長期においてではないかと憶測にすぎませんが、そう感じます。日本と比較してアメリカのベビーブームの期間ははるかに長いので、もし、彼らが市場から退出するとなると、ゾッとしますが。

問題は、「これから働いてリカバリーが効く世代」がそうであればよいのですが、仮に現在の事実上の恐慌から脱したとしても、長期的に経済成長率が低下すると、現役世代は相当、苦しいと思います。モーゲージの問題をこのまま放置するのはあまりに危険だと思います。アメリカの場合、株式保有比率が日本とは比較にならないので大変だとは思うのですが、削るにも限界がある子育てに追われている世帯の厳しさはやはり大変だと思います。

あまりに素朴な見方ですが、株安ははっきりと金融システム不安と実体経済の悪化という負の連鎖の一断面だと思います。問題は、所得再分配の結果、消費自体が落ち込む、よくて伸びが鈍い場合、アメリカ経済が持続可能性に疑問符がつくことでしょう。当然、結果として長期金利は上昇し、米ドルの信認は地に落ちかねません。個々の家計の問題に冷淡すぎるかもしれませんが、いくら日米で「ドル基軸体制」の堅持をうたったところで、アメリカの財政が維持できなくなれば、今の混乱などまだあの時期はよかったとなりかねないと懸念しております。
Posted by Hache at 2009年03月04日 01:33
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/27327194
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック