2009年07月28日

自民惨敗か……。

 「これはひどい」という声が聞こえてきたので、どうせ碌でもない動画でも見ているんでしょうと流しておりました。さすがに先週の疲れがひどく、例えばこんなレポート(参照)を読んでおりますと、心が洗われる気分に。放っておいたら、「マジでこれはひどいですよ」と席を立ってほしそうなので、遺憾ながら中断して画面を覗きこんだら、さすがにひきました。

「まさか、これ麻生シンパの暴走?」
「いや、オフィシャルの動画じゃないですか?」
「だって、これ見たら、たいていはひくじゃない?」
「だから、さっきからこれはひどいって言っていたじゃないですか」
「でもさ、今、権力の交代があるかもってときだからな」
「だから、この破壊力はすごいんですよ」
「ちょっと待て。念のため公式HPで確認だ」

 というわけで自民党HPを見て愕然。当該、動画が堂々とトップにあるので、びっくりしました。一応、埋込み動画を入れておきますが、なくなることを願いますね。教えてくれたのが失礼ながら、オタクタイプだったので、普通そうな20代や同世代に見てもらいましたが、一様に絶句していました。ショックは同世代の方が大きいのかも。郵政選挙では、郵政民営化だけで本当に議席を決めるのがよいのか懐疑をもちながらも、小泉改革を後退させることは好ましくないという判断から、自民党、より正確には小泉政権を選択した人が多く、もちろん、そうじゃない人もいるわけですが、やはり前回はかなりの数が自民党に流れていたように感じます。この流れを理解していたのは、小泉氏が最初で最後だったのが遺憾であり、まさに竜王戦第3局ではありませんが、「止まったら死ぬって感じですね」(行方八段)(詳細はこちら)のところで、エンストしまくりの自民党がとうとう見放されたというところでしょうか。劣勢はいかんともしがたいのですが、意図せざる自沈を目指すというのは信じがたい感性です。



 たまたまですが、地方選挙も含めて10連勝を超えていましたが、今回は、失礼ながら負けるであろう候補に入れようかとも考えておりましたが、この動画のおかげでもうそんな義理立てもいらないかという気分に。この動画を見る人など少数でしょうし、選挙の行方を左右するほどの影響力があるとは思いませんが、自民党の党勢をよく象徴しているなあと。言いにくいのですが、日本のように伝統的に識字率が高く、エリート層と非エリート層の境界が意外と曖昧な社会でネガティブ・キャンペーンは難しいと思います。この埋め込み動画が消えることを願いますね。下手をすると、自民党の党勢建て直しができない場合、単に来る総選挙で自民惨敗で済めばよいのですが、来年の参議院選挙では再チャレンジの可能性を奪う行動すら予想せざるをえず、民主党の統治能力に不満を抱きながらも、自民党には二度と日の目を見させないという選択もありうるのかもしれません。


 上で紹介した動画を見て、感じ方は人それぞれでしょう。私の場合、自民党はここまで堕ちたのかと落胆しましたが、そうじゃない方もいることでしょう。なんだか気乗りしないまま、書いておりますが、見せた範囲でほとんど私と同じ感覚の人ばかりだったので、まあ偏りがあるのだろうなと。ただ、負け渋れば上出来と感じておりましたところ、ひょっとすると、来年まで変化を求める動きが止まらず、再起不能は言い過ぎかもしれませんが、今後、数年間は自民党に政権を任せてみようという人たちが少数派に留まるリスクすら感じました。まあ、ネット向けCMですから、「試供品」で終わるのかもしれませんが。

 選挙や政局の話は、じゃかった、選挙や政局の話も苦手ですが、郵政選挙の1週間前、小耳に挟んだ報道各社の内部調査の結果は驚きでした。自民党が単独で3分の2を確保し、さらに上乗せする勢いとのことで、小泉首相(当時)の意向どおりに選挙が実施されていたら、ものすごい結果になっていたようです。他方、選挙結果を見れば、民主党の拙劣さも大きいのかもしれませんが、小選挙区では圧倒したものの、比例代表で自民党が久々に2,000万票の大台に乗せたものの、民主党を凌駕するには至らなかったことは、どこかで変化の本丸は政権を担うアクターが変わることという意識があるのでしょうか。

 今回、多面的に自民党・民主党のマニフェストから些細とはいえ、幹部の発言などまで、材料には事欠かないでしょう。ただ、「変化」を演出することができる政党が多数を制する可能性が高いように思います。民主党の場合、スローガンに中身がないほどよく、「友愛」でも「国民主役の政治」でもなんでもよいのですが、自党が「変化」を担う政党として、自民党が「変化に抵抗する頑迷な党」として有権者にプリゼントできればよく、総選挙の勝敗だけを考えるならば、意外とシンプルな印象をもっています。自民党から民主党への政権交代だけで「変化」と映るわけですから、主導権は民主党にあるのでしょう。自民党に「手渡し」ができるほどの余裕があればよいのですが、どうもそこまでの余裕はなく、非常に厳しい状態が続くのでしょう。

 それにしても、選挙自体には今一つ興味がわかないのも事実です。基本的に消極的な性格なのだからでしょうが、人口、経済、富や諸資源の地理的偏在などから、おそらく今後、50年ぐらいは下り坂を迎えるでしょう。一言で言えば、社会の衰退にいかに処するかという問題です。どこの政党を見ても、衰退の速度を緩やかにすることではなく、程度の差こそあれ、衰退から繁栄へ転換するための政策メニューを指向しているように見え、それができればよいのだけれど、なんとなく現実味を覚えないです。自民党の動画はそこを衝いていますが、同じことは自民党自身にも当てはまるでしょう。物心がついたときからマイノリティなんだなという自覚が薄っすらとあったので、私のニーズに応えない政治はなっていないとは思いませんが、衰退の傾きを緩くするだけで大変なエネルギーを必要とするという自覚がある政治家は見当たらないです。

 衰退を衰退として映る政治は劣悪ですから、常に変化を演じなければならない。他方で、政治が経済のみならず、社会に果たす役割には20世紀をへて限界があるということも理解できる。現実的な戦は衰退を和らげることでしかなくても、変化として人々に映る統治が不可欠なのですが、それには並々ならぬ政治的力量が不可欠でしょう。このブログを始めた頃はリアリストでありたいという気もちが強かったのですが、それすら物憂く感じます。ペシミスト、偽善者という方が似合っているような気がします。

 まったく関係のない話題ですが、先週からほとんど休日らしい休日がなく、始発の電車で座席に座ることが増えました。老夫婦が、優先座席が空いているのにもかかわらず、席を譲れといわんばかりに一人目が座席の隙間に滑り込んできたときに、うんざりして席を立ちました。嫌な気分でいたら、満員になった状態で別の座席ではやはり高齢者が体調の悪い若い女性に席を譲っていました。老いるにもそれぞれの老い方があり、どれがよいのかは個人の価値観に属するのでしょうが、老いとの付き合い方は考えておく必要があるのでしょう。英国のようにはなれないにしても。
posted by Hache at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 不幸せな寝言
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