2007年01月27日

あらかると

 元同人誌『溜池通信』が予告なしの初休刊。風邪で寝込まれてしまうとは…。あと十年もすると、そんな年になってしまうんだなと少し鬱になってしまいました。風邪といえば、数年前に父上が母上とともに風邪で寝込んでしまったと電話で告げられて、「バカでも風邪をひくんだ。信じられん」と母上に漏らしたところ、「あんたって人は!」と怒鳴りつけられて、私の一言で不思議と二人とも数日で快癒したそうです。最初にお会いしたとき、かんべえさんが「HPの文章のイメージと違うってよく言われるんだけど、どう?」と答えにくいことを聞かれてまいりました。思ったより背が高いというぐらいで、容貌に関する話がでてこないので、イメージもなにも、考えていない(いくら図々しい私でも「思ったとおりです。視線がオタクっぽいです」とは初対面の方に申し上げるわけにはゆかず、言葉を呑み込みました)。師匠には誠に申し訳ないのですが、赤坂界隈の『蘭苑』につれてゆかれて、ここが小沢一郎氏の贔屓の店という案内をして頂きながら、記事を思い出しつつ、「この人、本当にオタクだなあ」とそればっかり考えておりました。この後、「かんべえ」の名に恥じぬ知将ぶりを発揮されて、「策士、策に溺れる」を実感するのですが、この部分は武士の情けでカット。

 こちらにお越しいただいているわけではないと思いますが、佐藤空将が政治の機微に疎い私にもわかりやすく安倍政権のこと をとりあげられていて、安心しました。施政方針演説をビデオライブラリで見ていると、野次がずいぶん減ったなあと感心しました。全体の印象は、内政面では小泉改革を継承しつつ(そのように明言されてはおりませんが、中身を見ると、そんなに大差がない印象)、外政では「日米同盟と国際協調」から「日米同盟+α」に変化していて教育再生以上にこちらで安倍色がよくでている印象があります。

 まだ充電中なのですが、平間洋一『第一次世界大戦と日英同盟』(慶應義塾大学出版会 1998年)のシリーズを再開する前にまだまだ勉強しなくてはならないことが多いことを感じます。日英同盟は、まさに日本人が「臥薪嘗胆」のプロセスで勝ち取った同盟で、日米同盟とは出発点が異なります。自分の国は自分で守る。この延長上に自分の国を守るためには他国を守るという発想が自然に位置付けば、安全保障政策に関する「神学論争」はほとんど消え去ると思います。安倍総理の言動を見ていると、小泉前総理のように、「あれが本丸だ!」と言って一気に機が熟したら畳み掛けてゆくというスタイルではなくて、本丸を意識しながら、まずは外堀、内堀と埋めていって在任中に本丸が落ちればよし、そうでなくても、落とすだけにしておくよう、布石を打ってゆくというタイプのような気がします。「戦後レジームからの脱却」は、多様な内容を含んでいるのでしょうが、日米同盟の双務性の強化と憲法改正が「本丸」だと考えております。

 「フクロウ」を巡る議論は素人にはよくわからないのですが、岡崎久彦『陸奥宗光とその時代』(PHP文庫版 2003年)には陸奥宗光が『世界之日本』に投稿した、次のような文章があります。

 そして、外交の姿勢については、軟弱外交を批判し強硬外交をもって善しとする風潮に対して、「外交の術は、巧拙にあり、決して硬軟の別を問うを要せず」と、時に応じて、ハト派、タカ派いずれであっても、日本外交の目的を巧みに達成することがもっとも大事だと論じている。

 乱暴なようですが、「タカ」、「ハト」、「フクロウ」のいずれでもよいのですが、外交で守るべき利益、それを達成するための手段、そしてなにより外交ですから、外部環境の評価によって問題の重点は変わってくると思います。雪斎先生の考えからすると粗雑すぎるかもしれませんが、「よい政治家」というのは問題の軽重を適切に判断し、順序付けを行い、国民に論点を提示するとともに、実際の交渉でもそれを貫いてゆく(状況によっては豹変することもありえますが)ことだろうと。発足100日程度で安倍政権の評価はできかねますが、現状ではそのような資質をもった方が総理であるように思います。
posted by Hache at 23:51| Comment(3) | TrackBack(0) | まじめな?寝言
この記事へのコメント
年明けから気合の入ったエントリが続きコメントを付けられずにおりましたが、『第一次世界大戦と日英同盟』シリーズ、いよいよ満を持して復活ですか。楽しみにいたしております。
風邪を引いたまま日本に帰ってきて一週間が立ち、週末に部屋でゆっくり過ごしてようやく人心地が付きました。まだまだ浦島太郎状態ですが、とりあえず通勤途中に目に入ってくる情報の膨大さに目を回しています。週刊雑誌の中吊り広告が公共交通機関に出ているなんてアメリカやヨーロッパでは見た記憶がありません(アジアはどうなのかしらん)。
Posted by mitsu at 2007年01月28日 22:25
>とりあえず通勤途中に目に入ってくる情報の膨大さに目を回しています。

私もまったく同じ思いをしました。

>週刊雑誌の中吊り広告

その情報の凝縮には、私も新鮮なものを感じたおぼえがあります。

まあ、すぐ慣れますよー。
Posted by やじゅん at 2007年01月29日 00:48
>mitsu様

お大事になさってください。
今更なんですが、予算と時間を確保してmitsu様がいらっしゃる間にNYに行っておけばと公開しております。

記事のほうは、あれこれ書きたいのですが、どれも中途半端ですね。
ただ、こうやって生煮えでも書いておくと、結構、便利な部分があって「寝言」にしておいてよかったなと思います。
「パワーアップ」できるのか、怪しいのですが、なんとか次の2週間を凌いだら、ぼちぼち昨年の「宿題」に取り組んでまいります。

>やじゅん様

本を忘れたときに中吊りは便利です。
世の中、こんなことが話題なんだってな感じでしょうか。
最近、減ったような気がしますが、女性誌の中吊りは便利です。
男だと気にしないこともでているので、ときどき「熟読」してしまいます。
例によって致命傷は、芸能人の固有名詞なのですが。

Posted by Hache at 2007年01月29日 02:53
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