2010年07月05日

さらば霧ヶ峰(1000回目の「寝言」) エコポイント制度の初利用

 「寝言」を千も重ねると、病気ですね。正直なところ、この時期まで、続けているとは管理者自身が想定していませんでした。最近は、「時の最果て」らしく、いっそう過疎化が進んで、2010年6月の訪問者数(IPベース、重複なし)が5,876で、ページビューが63,205といい感じです。実は、コメント数の方が先に1000を越えまして、5月2日の私のコメントが1000番目になってしまいました。今回が記事数1000番目なのですが、なにか気合の入ったことでもと考えだすと、次のような思考をたどります。

なにかおもしろい「寝言」を書こう!

→今までおもしろい「寝言」がありましたか?

……999も書いていれば、おもしろいのが1つぐらいはあるはず!

→「まぐれ」は来ないときは来ないのでは?

……そうだ! 時の賢者様と命の賢者様に来てもらおう!

→お二人とも将来性のまったくないあなたやぱっとしない日本や興味がないのでは?

……。

 というわけで、適当にエアコンの調子が木曜の晩から悪くなった話です(「時の最果て」なのでこんなものです、はい)。暑いというより、じめじめ感に耐えきれず、夜でもエアコンを入れていたのですが、なかなか湿気がとれず、蒸しました。なんか変だなと思いつつ、金曜の朝にエアコンの電源をリモコンで入れても、まるで気温が下がりません(室内温度約31度、PCを利用する部屋)。室内機は異常を知らせる様子もなく、淡々と送風していました。実質的には、扇風機で部屋の上の空気を回しているようなもので、無意味なのでいったん停止。ふと気がつくと、室外機の音がまるでありませんでした。出勤して帰宅するまでエアコン本体の電源プラグをコンセントから抜いて、放置しておきました。帰宅して電源を入れましたが、相変わらず、冷えません。やはり室外機のファンが回らず、コンプレッサの音はしても回転音がまるでなく、ベランダで懐中電灯を照らして覗いてみると、完全に停止しています。

 しょうがないので、診察時間ギリギリに歯医者で治療を受け(困ったことに2回目から若い先生になったのですが、下手糞。歯を削っている最中に抑えつけられている部分が鈍く痛かったのですが、うがいをしたら、出血していました。歯医者に限らず、若い先生はコミュニケーションができない人が多くて困る)、戻ってきて、再度、エアコンの電源を入れると、不思議なことに、冷たく乾いた空気が出てきました。室外機を見ると、なぜかファンが回っています。摩訶不思議な光景。湿気でおかしいのかしらと止めて、再度、電源を入れると、今度はうんともすんとも言わず、自宅でのPC作業を断念(室温30度でCPUの温度が32度、マザーボードが42度だったので気にするほどではないのかもしれませんが)。土日のどちらかで出勤して片付けなくてはという準備に。

 そんなわけで2002年、某家電量販店で買った霧ヶ峰MSZ-WX25Jがおなくなりになりました。今更ですが、型番で検索すると、トラブルが多い機種なんですね。よく8年間、頑張ってくれました。エアコンがない家で育ったものですから(生活保護を受けていたわけではないのですが)、ビーバーとか霧ヶ峰はお金があったら買ってみたいと思っておりましたが、ちと残念な結果に。

 他方、完全に故障したのか、一時的な不良なのかは、土曜日の段階では見極めができなかったので、とりあえず近くの家電量販店へ。実は、あまりメジャーな店ではないので、ちょっと大きな買い物は避けているのですが、とりあえず代替品を探しにでかけました。量販店にしては売り場面積が小さいので、どうしても並べてある製品のラインアップも限られています。とりあえず、ここで製品と価格を覚えて、量販店が集まっている駅にでかける予定でした。エアコンのコーナーで展示品を見ながら、今のエアコンは前面パネルに吸気口がないんだなあと。よほど、しげしげと見ていたのでしょうか、店員さんが笑顔で近づいてきて、話しかけられたので、この店で買う予定はないという下心もあり、ちと困惑しました。

 困ったことに説明がとても上手で、話に聞き入ってしまいます。もっとも、基本はテンプレがあるなという感じ。年季でそういう部分をあまり感じさせないところはさすがでした。実は、この方が店の副店長さんだというのは後で知りましたが。こちらも、図々しく、買う気がないのに今のエアコンの基本について教えてもらいました。その上で、現在のエアコンの症状を話すと、室内機の基盤もしくは室外機の接触部分が故障しているか、コンプレッサ自体が壊れているかとのこと。おすすめを聞いていると、やはりパナソニックか霧ヶ峰になりまして、どっちも微妙な感じ。パナソニックの機種の方がやや省エネ性能が高く、デザインは霧ヶ峰がよい感じでした。そんな状態で首を傾げていると、実はこれがお勧めなんですが、と紹介されたのが富士通ゼネラルの商品でした。富士通さんは家電もやっていたのかと恥ずかしながら、ちょっとびっくりしましたが、なかなかよさげ。

 で、エアコンコーナーで富士通ゼネラルのノクリアシリーズを見ていたら、AS-Z28Vという機種があって、店頭表示価格は16万円弱。幅が気になるのですが、今の機種は上からの吸い込みのみなので高さが低いのがポイントでした。現在の霧ヶ峰は高さが30cm前後なので、室内機上部は天井との間が10cm程度です。省エネ性能には影響がないのかもしれませんが、やや厳しい感じ。他社のほぼ同スペックの室内機は幅が狭く、奥行きは小さく、高さが大きいというところでしょうか。熱交換器の高さが拡大したおかげで、室内機の高さが通常の鉄筋マンションでは天井に接しかねない限界まで来ているので、幅をもたせているとのこと。とにかく、この方はどんな質問をぶつけてもスラスラと答えて下さるので、この店なら大丈夫かなと。念のため、設置したイメージを確認した上でとお断りして、名刺を頂いた上で、いったん帰宅しました。

 一応、ネットで同程度のパナソニックと霧ヶ峰のスペックと比べてみましたが、性能面ではほぼ同等で、あとは室内機のサイズの違いでしょうか。価格はネットで見ると、はるかに安い店が目立ちますが、取り外しと取り付けの費用などが含まれていないようなので、参考程度。若干、高値の印象がありましたが、5年間の長期保証付きで18万円弱でしたので、心配性の私にはこれぐらいがよいだろうと。問題は、あまり書くべきではありませんが、この円高は異常だとかなりまとまった金額をドルのホット定期に回してしまったので、現金払いができないことでした。価格の条件が現金払いだったので、手持ちの普通口座でちと払ってしまうと、苦しい。あとは設置の時間帯ですが、今週は金曜日が半休なので、ちと時間がかかりすぎるのですが(本当は今回の土日で済ませたいところ)、平日に解約しても、月曜日から木曜日の晩までとても設置できる状態ではないので、やむをないです。変な表現ですが手付金を5万円とプラス1万円未満の金額を支払うことで商談成立でした。帰宅してから5年間保証の規約を熟読しましたが、価格が割高な分、安心できる内容でしたので満足しました。

 で、すっかり忘れていたエコポイントですが、これが実に煩わしい。社内でも手続き的な書類を淡々と作成するのが苦手な私には苦痛です。書類を見ると、当初は8000ポイントだと勘違いしておりましたが、7000ポイント。これに、リサイクル券の家電エコポイントが3000ポイント。計10,000ポイントなのですが、送料500円分を差し引いて実際に政府が支払うのは9,500ポイントだそうです。実は、現金で支払うと思っておりましたが、まあ、バカみたいに商品が並んでいるカタログを政府がつくっているようでして、訳がわからないなあと。お店の方が手慣れたもので、JCBのギフト券を勧めしてきました。うちでもどこでも使えますとのことでしたので、迷わず、これでお願いしますと。一応、カタログを見させてもらいましたが、バカバカしいぐらい商品が並んでいて、事務手続きに費用がかかるのではと思うぐらいでした(外郭団体があって公務員の雇用が生まれていたりして)。副店長のKさんいわくは、申請してから4か月前後で届くそうです。忘れた頃に届くそうで、民間ではありえないですねと呆れると、まったくですねと笑っていました。公務員の悪口は、関係者がいないところではまず外さない、おいしいネタですな。

 で、この申請書の煩雑さたるや、さすがお役所仕事です。A3用紙1頁ではありますが、左上の家電エコポイント登録・交換申請書と領収書貼り付け欄は当然ですが、その上、メーカー発行の保証書のコピー、家電リサイクル券貼り付け欄など、まあ、面倒だなあと。お店でやってもらえるので助かるのですが、とどめを指すように、封筒はなくて別の記入例を説明している裏面に切り取って申請書の封筒をつくる仕様になっています。一応、市販の長形3号の封筒を利用する場合に宛名ラベルがあるのですが、これぐらい普通に宛名が入った封筒を用意しないのだろうかと不思議でした。

 世間的には家電製品の需要喚起の効果があったそうですが、いいところ、買い替え需要の前倒しでしょう(この制度が終わると、需要が落ち込むほどではないのかもしれませんが、暫くは買い替え需要が抑制されるでしょう)。しかも、制度導入1年前ぐらいに買い替えた世帯では不要な制度です。申請してから1か月以内であれば、制度のありがたみも増すというものですが、そのような工夫もない。現金を支給すると、貯蓄に回るからという発想があるのでしょうが、商品券と交換すれば、まったく新規需要を生まないとは思わないですが、おそらく現金で買う予定の商品を商品券等で代替する部分が大きいでしょう。あれこれ、金銭的インセンティブで消費行動を変えようとするから、変な制度になってしまいます。いっそ、景気刺激と環境への配慮という二兎を追わずに、後者に徹していた方がよいのではと思いました。


 故障したはずの室外機ですが、日曜の朝には霧ヶ峰とお別れするために簡単ですが、掃除をしました。驚いたことに、掃除が終わって、電源をダメだろうとは思いつつ入れると、しばらくしてから冷気が出てきました。室外機がしばらくしてから動き始めていました。あと、5日ほどなんとか動いてほしいものです。霧ヶ峰と別れるのは、悲しく、故障する前に予定していた掃除を行ったら、見違えるほどきれいになりました。

 エアコンの不調のお陰でエコポイント制度に触れる機会があったのは想定外の収穫でした。あまり効率的とは思えない制度というのが素朴な実感です。根本的に政府というのは経済的な側面から見れば非効率であり、その非効率をできうる限り制御するのが好ましいという私の偏った嗜好によって歪んで見えるだけかもしれませんが。

 それにしても、先生方の就職活動で注目を浴びた消費税率の引上げですが、やはり違和感があります。財政再建という長期的な課題そのものは決して無視してよい問題ではないのでしょう。また、消費税率の引上げに疑義を呈する場合にも、主として分配、あるいはいわゆる「逆進性」に象徴される社会的な公平の点からの批判がほとんどです。私自身は、消費税率の引上げにも違和感がありますが、批判にも違和感を覚えます。消費税率の引上げを未来永劫、行うべきではないという原理主義的な反対ではないのですが、消費税、あるいは国際的にはより一般的な名称である付加価値税(Value Added Tax: VAT)は、本質的に非効率であり、短期的な駆け込み需要の発生と反動に留まらない、非効率を長期にわたって生む可能性があるからです。非常に素朴で粗雑な話を以下では述べておきます。

welfare_loss

 上図で需要曲線はD、課税前の供給曲線はS1で示されています。均衡を示す点はE1、均衡価格はP1、均衡量はQ1です。このとき、消費者と生産者がそれぞれ交換からえる利益の合計(総余剰)は、△OAE1になります。これは完全競争市場であることが前提であることに注意が必要です。

 この市場で消費税(従価税)が課された場合の供給曲線がS2になります(消費税によって需要関数が変化する場合もありますが、私が初歩で習ったレベルでは供給関数の変化として描写することが多いので、こちらで以下の説明を進めます)。このとき、均衡価格はP1からP2へ上昇するため、均衡量はQ1からQ2へ減少します。このため、総余剰は台形OAE2Bに減少します。総余剰のうち、△OBE2は政府の税収になります。この部分が直接的な民間部門にとっての負担ですが、均衡量の減少によって△BE1E2(赤の三角形)は、税も吸収できない、純粋な余剰の減少となります。学者村でいう厚生損失です。民間部門での取引から発生する交換の利益を税収として負担する部分に加えて、発生する負担ですので、超過負担とも呼ばれます。

 ここでは1種類の財のみを考えるという点で極めて単純化されており、超過負担は、需要や供給が価格にどの程度、反応するのかという度合(価格弾力性)によって、相違があります。確実なのは、程度の差はあるものの、消費税の導入や税率の引上げによって確実に取引量の減少するため、市場取引からえる消費者と生産者の利益が損なわれるという点です。税収によって吸収されるなら、まだ、よいのですが、赤の三角形で示した部分は、誰の利益にもなりません。この程度の議論では税制へのインプリケーションを導くにはあまりに乱暴ですが、消費税率の引上げは、取引量の減少による非効率を拡大する可能性が高いのです。取引量の減少は、経済成長へダイレクトに結びつけるには乱暴ではありますが、成長を阻害するでしょう。

 仮に、税収が経済の立場から効率的に活用されたとしても、この超過負担は生じます。消費税率の引上げが経済成長に対して負の効果をもつことは自明のように見えますが、実際には市場を通したメカニズムから理解しないと、単なる感情論で終わるでしょう。財政再建のために消費税率を引き上げるべしという議論に違和感を覚えるのは、反対論に対して、主として社会的な公平あるいは公正からのみの批判に対して軽減措置などテクニカルな議論によって政治的に説得する議論がほとんどであり、経済の効率にかかわる問題には沈黙するという点です。この程度の議論では乱暴すぎるとは思うのですが、基本的に経済成長と財政再建はトレードオフの関係にあると私自身は考えております。財政悪化の懸念から民間部門の経済活動が委縮しているという主張もありますが、私の勉強不足にすぎないのかもしれませんが、そのような主張を裏付けるデータを見たことがありません。嫌みの域をでませんが、むしろ長期金利の低下は、ユーロ圏の動揺、中国の高度経済成長の終焉への懸念などが錯綜して生じているのかもしれませんが、現状では日本の財政リスクが経済成長を阻害しているとはいえないということを示唆しているのでしょう(リスク回避の傾向が強まっていること自体は民間部門が委縮しているとも言えますが、財政破綻への懸念が生じているならば、長期金利の低下は生じないでしょう)。専門家に望みたいのは、経済成長と財政再建のトレードオフを正面から認めた上での議論です。消費税率の引上げ自体が経済の意味での効率を下げることはあっても、高めることはないことは自明でしょう。私自身は、最近の議論に対して財政再建自体が自己目的化している印象をもっています。 
posted by Hache at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 気分しだいの寝言
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