2010年09月15日

菅氏再選 前途多難

 先週の後半ぐらいから、めまいがひどくてすべてが停滞していました。たいしたことをしているわけでもないのですが、心身ともに疲れていたようです。心臓内科で月一の診断が終わり、別の内科でめまいの相談をするとストレスでしょうねとのこと。冷房が効いている部屋での作業が多いので、内耳も疲れるでしょうと。言われてみればなるほどでして、運動不足も加われば、血行は悪くなるし、季節も徐々に秋らしくなってきています。そんなわけで、可能な限り、手抜き状態が続きそうです。

 先々週ぐらいから、羽生名人の棋譜を眺めておりましたが、竜王戦の挑戦者決定戦第2局(対久保利明棋王)と、第58期王座戦第一局(対藤井猛九段)を見て、ギブアップでした。いまだに、角交換を厭わない振り飛車というのがわからないです。まあ、現代のプロの将棋にはついていけないだけですが。ただ、対久保棋王戦はまだ羽生名人の狙いがわかりやすく、飛車が自由自在にさばかれると困るので、詰めにいったというところでしょうか。そうはいっても実際に手にできるかといえば、難しく、手になるのが不思議ですが。今期の羽生名人の勝率は約81.5%と高いのですが(対戦している相手を考えるとちょっと信じられない値)、それでも挑戦者の地位までゆくのが大変というのは驚きです。当たり前ですが、これほどの競争が行われている世界で勝ち続けるというのはなんなのだろうと考えさせられるものの、答えらしきものは私にはさっぱりです。

 それと比較すると、今回の民主党代表選はあまり驚きがない結果でした。結果は散々、報道されているでしょうから、省略します。ちょっと意外だったといえば、党員・サポーター票で菅氏が圧倒したのはへえと思いました。上杉隆さんによると、「官報複合体」によってつくられた「世論」だそうですが、ネットで「人気がある(笑)」と報道各社の世論調査でどちらが信頼度が高いかといえば、後者であるのは麻生太郎氏が身をもって示しただろうにと。「アレルギー選挙」と捉えれば、結果はほぼ自明であろうと。率直なところ、政権与党でなければ、民主党の首などどうでもいいのですが、はたから見ても、小沢氏を選ぶのは死に急ぎでありまして、菅氏を選んだほうが「死期」が伸びるという感覚でしょうか。ただ、その寿命は民主党のそれであって、個人的には菅氏の方がごくわずかにダメージが小さい程度の差でしかありません。

 これからの見通しですが、お医者さんが小沢さんが民主党を割るかなとおっしゃるので、言下にそれはないでしょうと。権力とカネのない小沢さんと「情死」する酔狂な人はいないでしょとついつい本音を漏らしたら、あまりの表現に絶句されてしまいました。反省。政治に関することで政治的配慮を欠くと、「外道」と思われても仕方がないですね。露骨に言えば、民主党内にいるから、実質的には菅氏に匹敵するぐらいの票を集められるのであって、民主党から出てしまえば、衆議院はもちろん、小選挙区化が進む参議院ではまず勝ち目がないでしょう。下品な表現ですが、「滑り止め」の役割になる比例代表も、小政党では非常に厳しい。小沢氏に近い人で2005年の総選挙で選挙区で勝った人が思い浮かばないほどですので、評論家にでもなりたいならともかく、小沢氏が割って出るという確率はかなり低いだろうというのが率直な実感です。政局はさっぱりわからないのであてにならないのですが、「政界再編」というのもないだろうなあと。

 2006年当時の小沢代表の下で作成された「政権政策」が2009年の衆議院議員総選挙におけるマニフェストの骨格になっているので、これを修正するのが今後の政権運営の基本になるのでしょう。乱暴ですが、私が菅氏の助言者だったら、あのマニフェストは野党時代のもので、実現可能性を無視していたから、チャラにしてくれという最後のチャンスですよというところでしょうか。たぶん、菅氏にはそれだけの決断力とリーダーシップはないから無理でしょう。他方で、マニフェスト実現どころか、鳩山政権がまき散らした「糞害」の処理すらできるかどうか。それは民主党にとっても茨の道でしょうが、日本人にとっては苦痛に満ちた十年の二年目の始まりを意味するのでしょう。その次の十年? 痛いと感じる神経も死んで楽になるんじゃないのでしょうか。


  今回の民主党代表選挙よりも、国政にとって深刻な意味をもちそうなのが2010年9月12日の名護市議会議員選挙の結果でしょうか。再度、自民党へ政権交代をしても、どうにも打つ手がないでしょう。下手に突っつくと、手がつけられなくなる、というより、既にそうなりつつあるのでしょう。ここにすぐに手を入れると、成果が出そうにないので、アメリカと連絡を緊密にとって、この問題以外で同盟関係を強化していくよりしかたがないのですが、これは厳しい状態ですね。一発で痺れたという感じ。対中外交は、向こうが挑発しているので、1970年代の日中国交回復の際に周恩来が「法匪」と非難した外務省のDNAが残っていれば、淡々と尖閣諸島は日本固有の領土でございますと何度、呼び出しを喰らっても繰り返せばよいだけなので楽な話ですなあ。

 経済政策もあまり手段がないでしょうね。成長戦略というのが独り歩きしていますが、民間部門の行動を先読みして政府に指す手があるんですかというのが第一感でしょうか。インフラ整備もどちらかといえば、メンテナンスを怠らずにやらないと、大変でしょう。雇用を増やすといっても、どこの分野でどの財源でやるんですかいという感じ。正規雇用が「既得権益」と言われれば、私は断固として「抵抗勢力」になりますな。指す手がほとんどない状態で、政府がなにかをしているという演出を行うだけの政治的リーダーシップは小泉政権以降、見たことがなく、この状況下で財政再建というのも笑えます。かといって外需も円高で事実上、縮小していくのでしょう。現在の国際経済がいわゆる「グローバル・インバランス」が解消していく過程にあるとすると、日本にとっては苦痛でしかないのでしょう。精々、痛み止めを打って超高齢化社会を迎えるのが現在の政治のあり方からして現実的な見通しではないかと。

 「セーフティネット」(笑)の整備ぐらいでしょうが、2006年の「政権政策」には、「官・民とも管理職については徹底した自由競争の仕組みを導入する一方、非管理職の勤労者については終身雇用を原則とする」とあります。もう、どこの社会主義という感じでしょうか。役所が終身雇用を原則とするというのはどうぞご勝手にというところでしょうが、政府があれこれ言わなくても、とっくに民間の管理職はなんらかの形で競争が働いているでしょう。非管理職が終身雇用を原則とするというのは意味がわからないです。税金を投入しないと、ご無体な話。まあ、劣化版経世会の劣化のなれの果てを、役者を変えて眺めることになるのでしょう。日本社会は、宇宙論で言うと、"Big Chill"みたいな状態になっていくのかなと。ディスカバリーチャンネルの宇宙論特集の録画を少しだけ見ましたが、宇宙にも最終的に「終わり」があるのなら、ある民族や社会の興隆と衰退などあぶくのような儚いものでしょう。ある種の開き直りをもって生きた方が生きやすい時代だと思います。

 「寝言」ついでに書いておくと、特殊相対性理論と量子力学の初歩ぐらいまでは文科系の数学でもなんとかぎりぎり対応できますが、一般相対性理論は非常に難しい。小学生のときに佐藤文隆先生だったかな、『『アインシュタインのたまご』というタイトルかなにかの本を読んだときにはわかったような気がしましたが、本格的にテンソルがでてくるとお手上げですね(「テンソルは私のバカの壁に敗れたのであった」といのが、「バカの壁」の初期の使用方法)。物質があると時空の歪みが生じるという話があって、わかったようなわからないような。たぶん誤解でしょうけれども、「物質の存在→時空の歪み」という関係が暗黙にあるような気がしましたが、逆に「時空の歪み→物質の成立」という方が自然現象を見る際に視野が広がるんじゃないかななんてガキの頃から「寝言」みたいなことを考えていたので、物理学者のような現実的な仕事はやはり夢だったのでしょう。要は、自分でも適性がないのだろうなと。

 ただ、なんとなく自然科学というのは羨ましい面もあります。主観から独立して存在し運動する対象を想定して、対象に関して規則性があることを前提にした検証が可能であるというのは、社会においてはひょっとしたら、無理なのかもしれないという疑念にとりつかれてしまい、現実世界で生きることに苦難を感じるという本末転倒の世界におります。
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民主党代表選、菅氏再選
Excerpt: 民主党は14日午後、都内のホテルで臨時党大会を開き、党所属国会議員による代表選挙の投開票を行いました。郵送済みの党員・サポーター票、地方議員票を合わせた開票の結果、菅直人代表が小沢一郎前幹事長に大差を..
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Tracked: 2010-09-16 01:58