2012年04月26日

ユーロ圏 政治システムの不安定化と経済成長

 今週に入ってから、のどがとても楽になりました。乾燥しているときにはマスクが必要ですが、扁桃腺が腫れて発熱するリスクはほぼ無視できるところまで来たかなと。4月29日までにマスクなしで不自由がない状態にしたかったので、現状は想定以上に良い感じです。ただ、昨年の10月下旬、もしくは今年の2月下旬に扁桃腺が腫れた状態を治しきらずに、慢性化させてしまったのではと素人としては考えておりますので、用心深く対処せざるをえません。薬を飲みすぎているので、どれが効いているのかはまったくわからないのですが、内科の先生が処方してくれた抗生物質を服用し始めてから、急激に発熱につながるような腫れが急速にひいていったような感覚があります。

 今は、耳鼻科で処方されている抗生物質がメインなのですが、念には念をいれて、今年の4月から始まった「お薬手帳」を持参して、診察していただきましたが、「これでいきましょう」とのことでした。もう70近い先生ですが、視野が広くてコミュニケーションがとりやすいので助かります。抗生剤がかなり強い薬のようなので、ビオフェルミンだけではきついだろうとのことで胃薬が追加されましたが。問題は、ゴールデンウィークが目前まで来ているので、万が一、症状が悪化したときに困ることです。

 現状は、耳鼻科の先生の地道な治療がすぐに効果を表す段階ではなく、抗生剤がそれなりに効いているので、薬でカバーするしかないのかなと。副鼻腔炎やのどの炎症そのものは完治することがないので、あるレベルまで抑えるしかないのですが、他の細菌に感染しやすい状態が続くので、治療を続けるよりほかありません。しかし、大型連休は意外と困りますね。

 ただ、のどの状態がある程度、治まってくると、禁煙して少しずつ健康が回復していることを実感します。というよりも、よく喫煙なんてしていたなあと。禁煙したら太るじゃないとバカにされていましたが。中にはけしからんのもいて、実はメタボじゃないんですよというと、メタボの基準が変わったのかとか真顔で言う高齢者がいて、「○ね」と思ったことは内緒ですね。ただ、タバコを止めたおかげで、体を動かすのが楽になって、ジムに通わなくても、それなりに負荷をかけても大丈夫な状態になったので、昨年の11月をピークに体重が確実に減少しています。ダイエットの目標があるわけではないのですが、小学生から陸上を始めて、高校生のときに体を動かす喜びを初めて知った時期を思い出します。

 自分でもうつ病的な気質とややマゾヒスティックな傾向があって、幼児の頃から体が弱く、苦痛も多かったので、肉体的・精神的に負荷がかかっている状態が常でした。おかげで軽い状態になると不安になるようです。加齢とともに、気もちがよい方がよいというあたりまで堕落してきたので、わざわざ金を払ってつらい思いをする必要もなかろうと。「なまもの」の本題の前ふりのつもりでしたが、つい長くなってしまいました。

 滅多に読まない『読売』ですが、2012年4月25日の国際面の記事は、手際よくフランスだけではなく、オランダの緊縮財政への政治的反発を手際よくまとめていて、へえという感じでした(『日経』は仏社会党と独社会民主党の連携とか細かい論点に深入りして、記者がなにやら欧州の政治に詳しいことはわかるがなにをつたえたいのかまったくわからない。あの新聞の記者は政治と経済を両方見るということができない記者ばかりのご様子)。他方、Wall Street Journalが2012年4月23日付で配信したMarcus Walker and Charles Forelleの"Economic Gloom Deepens Europe's Political Crisis"という記事は、記者の視点が興味深く、それ自体が適切かどうかは別途、吟味する必要がありますが、なかなかでした。『読売』がオランダをとりあげたのは悪くないのですが、経済的な背景を取り上げないのは、日本のメディアになにかを期待するのは無理かなと。

  The country is a net lender to rather than a borrower from the rest of Europe, unlike the euro's southern members. That matters, because the European countries with debt crises are those that need to borrow large amounts from abroad each year.
  The main significance of the government's collapse is that it shows the fraying consensus in Europe for German-led fiscal austerity.

 オランダはヨーロッパの他の国に対して純債権国であって純債務国ではない。そのことが問題だ。というのも、債務危機にあるヨーロッパ諸国は海外から毎年、巨額の借入れを行う必要があるからだ。
 オランダ政府の瓦解の主要な意義は、ドイツが主導するヨーロッパにおけるコンセンサスが擦り切れてしまうことだ。


 オランダ政府の危機の意義としてはこれで十分なのかは確信がありませんが、単にオランダも大変ですと書くよりも、はるかによく観察していると思います。私自身は、単に政治的な問題としてだけではなく経済それ自体の問題としても、緊縮財政が債務危機解決の手段として適切だとはとても思えないのですが、ここでは債務危機からほど遠いオランダですら緊縮財政は受け入れがたい、政治的な側面に焦点があてられています。他方、債務危機のリスクを無視できる国でも政治システムが不安定化する点にも読者の注意がいくように配慮されています。分析というほど数字をいじっているわけでもなく、観察と常識的に考えているだけなのですが、悲しむべきことに日本語にのメディアでそれができているものが見当たらないのが実情です。

 私の愚痴を書くことが目的の「寝言」ではないので、次に移ります。政情がとっくに不安定化してるギリシャの政治システムの日程なども触れた上で、記事は驚くべき叙述をします。WSJの記事としては長い方なので、なんだろうと思いましたが、以下は読者を誘導しようとする意図を感じる部分もありますが、日本でユーロ圏の債務危機を論じるときになぜか「死角」になっているのが不思議でした。

  Many investors are increasingly doubtful about the austerity-for-all mantra emanating from Berlin and the European Central Bank. On Monday, financial markets were more worried about disappointing data on growth than by Holland or Mr. Hollande, analysts said.

 投資家の多くはしだいにベルリンや欧州中央銀行から発せられるすべての国に対する緊縮財政というお題目を疑っている。月曜日には金融市場はオランダ、あるいはオランド氏よりも成長に関する失望を招くデータにより懸念を抱いた。


 日本のメディアの記事を読んでいると、債務危機に緊縮財政への反発が強くなって大変ですねで終わりです。債務者がいれば、債権者がいるのですが、債権者の視点から今回の債務危機を見るという発想がおそろしく貧しいのには驚きます。貸す側からすれば、危ない相手に資金をより多く貸すというのも難しいでしょうが、これから貧乏しそうだという相手となると、減らすどころではすまないでしょう。記事は緊縮財政そのものを否定しているわけではなく、財政の健全化と経済成長という、ときに両立が難しい課題のバランスをとることへもっと注意を払うよう、読者に注意を促しているわけです。ちなみに、ドイツの製造業者からすれば、南欧諸国の緊縮財政は需要を縮小させるので、利害が対立すると指摘しています。なにげない指摘ですが、ドイツ国内ですら、緊縮財政一色というわけにはいかない背景をやんわりと指摘しています。

 Walker and Forelleの記事は、WSJでもよく見かけますし、それぞれが独立した記事を読むこともあります。とくに敏腕という感じは、失礼ながらしないのですが、あまり外さない感じです。日本のメディアは絶望的なので、せめて経済学者やエコノミストぐらいはこのレベルで発言してほしいなあと思ったこともありましたが、2年ぐらい前にあきらめました。政治も似たようなものでしょうが、まさに「愚者の楽園」というところでしょうか。


 Wall Street Journalが2012年4月19日付で配信したJeffrey Sparshottの"TARP Watchdog: 'We Are Letting Our Guard Down'" という記事も興味深いのですが、購読者限定ですので、引用は控えます。TARPが長期化するにつれて生じる問題をインタビューしているのですが、FRBの金融緩和とあわせて悩ましい問題です。なんといっても、モラルハザードが既に生じているとのことで、安全な資金をえた金融機関にハイリスクの商品を取引するインセンティブが生じるのは、報酬体系がそれを加速してなんとも難しい問題です。また、"too big to fail"のおかげで金融市場に自己満足でしかない安心感が広がることにも懸念を示しています。

 実務レベルでBISビューとかFedビューとかやってる暇があったら、もっと現実の問題を扱ったらと思います。まあ、どっかの島国の中央銀行総裁の盆栽いじりで講演されるのはけっこうなんですが、日本でバブルが起きかねないぐらいまで効くほどの金融政策を考えてからでいいんじゃねという感じ。

 あとはおもしろい記事ですが、まだ整理しきれないので、暇があったらあとで書くかもというところです。New York Timesが2012年4月24日付で配信した記事です。

Lydia Polgreen, "Using U.S. Dollars, Zimbabwe Finds a Problem: No Change"

 日本語の新聞は1週間に1時間ぐらい接しているので、それだけだとバ○になりそうです。英字紙を毎日2時間ぐらい読んでも利口にはならないと思いますが、少しだけ視野が広がるのかもしれません。私みたいに心が狭い人間はそれぐらい心がけた方がいいですよとなにかが囁きますね。
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