2012年12月20日

前途多難

 毎年12月は余裕がなくて、今年が特別というわけでもありません。ただ、今年は加齢を感じるようになりました。疲れてくると、精神的にハイになったりすることもありましたが、今年に入ってから、どよーんとした気分になるだけですね。回復するには、寝るしかない状態で、食べて精をつけるとかは愚策もいいところという感じでしょうか。

 リビアの話はいったん棚上げです。クリントンが指名し、マイク・マレン提督やトーマス・ピカリングが率いる委員会のレポートが出て、私の想像を超えて事態は深刻でした。簡単に言えば、治安が悪い地域では命がけのアメリカの外交官を守る基本的な安全さえ確保できないところまで来ているのかと驚きました。帝国としてのアメリカを地球規模で維持するのは困難になっているのではないのかとすら感じます。この委員会は各地域の情勢を正確に把握する能力も相当、低下していると指摘しています。

 他方で、締め切りを乗り切って(正確には全く守れていないのですが、もっと遅い人がいるというだけですね)、英字紙を読む時間が増えると、嘆息するばかりです。Wall Street Journalが2012年12月19日付で配信したEleanor Warnock and Takashi Nakamichiの"New Japan Government to Bust Budget Caps"という記事を読んでいると、憂鬱になります。特段、目新しいことは書いていないのですが、内心、嘆きながら、自民党に投票したのですが、是非に及ばずという心境でした。あえて白票を投じた方がよかったのではないかとすら思います。記事は、民主党政権が国債の新規発行に44兆円という上限を設けていたと述べていて、それ自体は間違いではないのですが、麻生政権を超えるのはさすがにまずいという程度の話で、ちょっとどうなんだろうという記述も目立ちます。

 しかし、これから誕生するであろう安倍政権はその枠すら突破しそうというのはなんとも重苦しいです。海外の投資家と比べて、国内の投資家の方が来る安倍政権の経済政策に懐疑的であり、そのことを長期国債や10年を超える超長期国債の利回りの上昇が示しているというのは納得です。私自身は金融のど素人なので下のリンク先を見ればよいと思っていますし、聴かれたら、そう答えています。

http://www.bloomberg.co.jp/markets/rates.html

 まあ、実際に予算編成が済んでからが問題だと思いますが、実質的には、麻生政権以後、自民党は小泉政権以前の、「失われた十年」をもたらした、拡張的財政政策と金融緩和の組み合わせに戻りつつあるのでしょう。言ってみれば、糖尿病患者に先がもうないのだから、好きに暴飲暴食をしなさいというのはある種の優しさかもしれませんが、真顔で、暴飲暴食をすれば治りますといわれると、ドン引きします。日本の未来は、借金を返済するために増税するという状態でして、これはお先真っ暗というところでしょうか。

 なんだか疲れが取れないまま、ぐったりしました。二度寝したいですね。


 感情的になる話ではないのですが、原子力発電所の下に活断層があるから運転再開話というのを聞きながら、地震学者と称する人たちが、次に断層が動くのは何年何月何日何時何分何秒で、どの程度の地震のエネルギーを生むかを答えて、それが99%程度の確率で確からしいということを立証からにしてくれと思ったりします。

 真面目に書くと、原発立地以前に活断層の有無は問題ではなく、原発が稼働してから断層の上だから廃炉にしろというのは、控えめに言っても合理的ではないと思います。立地の審査段階で不正があったのなら別の問題になりますが、事後的にルールをつくって、そのルールがあるからダメという論理がまかり通りますと、リスク回避の傾向が過度に強まるでしょう。電力会社を苦しめるのが目的でしたら別の問題ですが、そうでないのなら、事後的なルール変更にあたって、原発が運転する場合に得られる、発電をはじめとする種々の利益と耐震対策に必要な費用などとの比較衡量がないのが不思議です。後者が原発の存続を困難にするほど大きい場合には、当然、廃炉も必要でしょう。そうではない場合、廃炉にしないという意思決定もありえるでしょう。活断層の有無で事後的にルールを変更することは、原子力規制委員会の意思決定に合理性に疑義を生じさせるだけで、信認を高めることにはつながらないと思います。
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