2013年01月02日

鹿児島県南部近海における中国漁船の拿捕

 元旦の朝の『日経』の見出しを見て萎えました。まず、意味もなく分厚くて、なにかの作業用に1週間程度は新聞紙の備蓄があった方が便利ですが、さっさと捨てたいなと。おまけけに一面で「世界の5割経済圏」という見出しがトップですが、どこの地域の話しなのかが見出しを見てもわかりません。本文を斜め読みすると、2050年のアジアの話だそうですが、正直なところ、生きているかどうかも分からない先の話を新聞でなんでやりたがるのだろうかと。いまどき、新聞など高齢者向けの媒体でしかないと思うのですが、私も2050年まで生きてしまうと80歳になっておりまして、そんな先の話をされてもなあと。あと、中間層の定義が年間所得が5000ドルから3万5000ドルとなっていて、それ自体は国際的な定義なんでしょうが、幅が広すぎませんかと1分ぐらいで正月早々、くだらないものを見てげんなりしました。日本語の活字媒体を読んでいると、うんざりするので、適当におせちをつまんだら、PCに電源を入れて元旦から英字紙を読む羽目です。新年のご挨拶を省いておりますが、正直、そんな気分に全くならないです。財政の崖の記事も『日経』の一面にありましたが、債務上限の方にふれないというのはちょっと信じがたいレベルです。

 米紙だからといって鵜呑みにするわけではないのですが、会員限定でWall Street Journalが2012年12月31日付で配信したBrad Frischkornの"Japan Confirms Detention of Chinese Fishing Boat"という記事が目につきましたが、日本の新聞では全く触れていないので、驚きました。 記事によると、月曜日に海上保安庁が土曜日の夜に鹿児島県南部近海で中国漁船を拘束したことを認めたとあるのですが、私がよほどとろいのか、この記事で初めて知りました。記事は、尖閣諸島周辺ではなく、新しい紛争の種にはならないと指摘しています。おそらくは冷静な分析でしょう。あまりに日本語で記事がないので、「中国 漁船 拘束」で検索しましたが、WSJ日本語版だけでした。「中国 漁船」で検索すると、『読売』の記事がひっかかるので、私がとろいだけなのかもしれませんが、年末年始でマスメディアも日本だけは開店休業状態なんでしょうか。のんきですね。

 単発の違法操業なら対応できるでしょうが、日本の漁業自体が、担い手不足など、衰えつつある中、領海警備は相当の負担になるでしょう。WSJの記事は、そこまで触れていませんが、人口減少下で日本が領土・領海はもちろん、排他的経済水域を維持する費用は、中国側の攻勢だけではなく、日本の首都圏への集住が極度にまで進んでいることと裏腹の関係にあることも忘れるべきではないのでしょう。


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2012年12月20日

前途多難

 毎年12月は余裕がなくて、今年が特別というわけでもありません。ただ、今年は加齢を感じるようになりました。疲れてくると、精神的にハイになったりすることもありましたが、今年に入ってから、どよーんとした気分になるだけですね。回復するには、寝るしかない状態で、食べて精をつけるとかは愚策もいいところという感じでしょうか。

 リビアの話はいったん棚上げです。クリントンが指名し、マイク・マレン提督やトーマス・ピカリングが率いる委員会のレポートが出て、私の想像を超えて事態は深刻でした。簡単に言えば、治安が悪い地域では命がけのアメリカの外交官を守る基本的な安全さえ確保できないところまで来ているのかと驚きました。帝国としてのアメリカを地球規模で維持するのは困難になっているのではないのかとすら感じます。この委員会は各地域の情勢を正確に把握する能力も相当、低下していると指摘しています。

 他方で、締め切りを乗り切って(正確には全く守れていないのですが、もっと遅い人がいるというだけですね)、英字紙を読む時間が増えると、嘆息するばかりです。Wall Street Journalが2012年12月19日付で配信したEleanor Warnock and Takashi Nakamichiの"New Japan Government to Bust Budget Caps"という記事を読んでいると、憂鬱になります。特段、目新しいことは書いていないのですが、内心、嘆きながら、自民党に投票したのですが、是非に及ばずという心境でした。あえて白票を投じた方がよかったのではないかとすら思います。記事は、民主党政権が国債の新規発行に44兆円という上限を設けていたと述べていて、それ自体は間違いではないのですが、麻生政権を超えるのはさすがにまずいという程度の話で、ちょっとどうなんだろうという記述も目立ちます。

 しかし、これから誕生するであろう安倍政権はその枠すら突破しそうというのはなんとも重苦しいです。海外の投資家と比べて、国内の投資家の方が来る安倍政権の経済政策に懐疑的であり、そのことを長期国債や10年を超える超長期国債の利回りの上昇が示しているというのは納得です。私自身は金融のど素人なので下のリンク先を見ればよいと思っていますし、聴かれたら、そう答えています。

http://www.bloomberg.co.jp/markets/rates.html

 まあ、実際に予算編成が済んでからが問題だと思いますが、実質的には、麻生政権以後、自民党は小泉政権以前の、「失われた十年」をもたらした、拡張的財政政策と金融緩和の組み合わせに戻りつつあるのでしょう。言ってみれば、糖尿病患者に先がもうないのだから、好きに暴飲暴食をしなさいというのはある種の優しさかもしれませんが、真顔で、暴飲暴食をすれば治りますといわれると、ドン引きします。日本の未来は、借金を返済するために増税するという状態でして、これはお先真っ暗というところでしょうか。

 なんだか疲れが取れないまま、ぐったりしました。二度寝したいですね。


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2012年12月03日

あべしの物価目標への海外の一反応

 土日が『ジョジョの奇妙な冒険』という名の吸血鬼に時間を吸い取られているのは、誠に遺憾です。週末にかけて党首討論がありましたが、そちらはまともに見ずに、『ジョジョ』のアニメ版をタイムシフトで予約しておいた上で、生で見てしまいました。そういえば、何人かにニコニコ動画にどっぷりはまっているのがばれた上に、「プレミアム(笑)」と言われて、ショックでした。まあ、プレミアムの画質を見せつけると、みんな羨ましそうなので、課金されて運営の「奴隷」になるのがよほど嫌なのか、「プレミアム(笑)」と言われてるのがよほど怖いのか、なんなんでしょうね。

 ネットであべしが一度たりとも日銀に国債の引受けを求めたことはないと主張しているそうなので、買いオペでも、文字通り「無制限」にやれば同じですがなと思うのですが、まあ、言ってわかる頭だったら恥ずかしくて言えないでしょうから、あべしになにをいってもムダ。記者クラブ主催の党首討論をニコ動で見ましたが、コメントを見ていると、自民党に対する拒否率が公明・共産を上回りそうになったので、コメントを消して最初の方だけ見ました。民主党の政権交代前夜ぐらいから、私自身も党派性が強くなりましたが、ここまで極端になると、嫌悪感を与えるだけなので、自制した方がよいと思うのですが、言ってわかるのなら、とっくに気がついているでしょうから、これもムダ。「教祖」の周りにはそれなりの「信者」がよってくるという感じでしょうか。

 まあ、金融政策、それも物価目標の是非で次回の総選挙が決まるとも思えず、その意味ではどうでもいい話ではあります。他方で、あべしの発言の端々に、日銀の独立性とは金融政策の手段の選択に限定されるのだという前提があって、日本銀行法(参考)が変わったのですかねと不思議です。日銀の金融政策の目的は、日本が法治国家である以上、当然ながら日銀法1条から3条で定められているように、「物価の安定」と「信用秩序の維持」という目的を達成するよう、「通貨及び金融の調節」を行うこととあります。あわせて、政府の経済政策との整合性を保つことと同時に日銀の独立性を尊重するよう、行政府の関与を制限しています。あべしは日銀法の改正を求めるようですが、他の問題でも似たような傾向を感じますが、問答無用で選挙で選ばれた私の言うことを聞いてもらうという態度が、紳士的な態度の端々から伺えて、この方には民主主義国でのリーダーシップ、すなわち説得と誘導という二つをこなす能力が皆無なんだなあと感じ入ります。時代が時代だけに、トップダウンという名の独裁も場合によっては必要だと思いますが、あべしでは担う能力がそもそもないだろうと。

 景気回復に使える資源が限られているだけでなく、具体的な手段も公共事業ばかりで手詰まり感が強い中で単に政治家が成果を上げるために、日本銀行への圧力が強まっているのは、あべしに始まった話ではなく、民主党政権から継続しているといってよいと思います。「リーマンショック」を合言葉に小泉政権の5年と愚かな後継者でもなんとか維持した2年間で築いた財政規律を崩壊させたのが阿呆さんであったように。

 財政規律が崩壊した後に、あべしで金融政策が政府の支配下に入りそうですが、この動きは、それなりに海外でも注目されているようです。日本語の方を先に読みましたが、ブルームバーグ日本が2012年11月28日付で配信したウィリアム・ペセックの「安倍氏のフェイスブックに『やだね!』ボタンを」という記事をまず読みました。抄訳とあったので、英語版の記事も読みましたが("Facebook Needs a Dislike Button for Abe’s Ideas", Nov 27, 2012)、検証している暇がなかったので、英語の原文と日本語訳を対応させるだけに留めます。まあ、ざっくりとしたメモと言ったところです。

  For Shinzo Abe, it isn’t enough to see Sony Corp. and Panasonic Corp., two icons of industrial Japan, reduced to junk-debt status. The man who probably will become prime minister next month might do the same for the yen.

  That is the upshot of his desire to browbeat the Bank of Japan into unlimited easing. Granted, his Liberal Democratic Party did that for most of the half-century it was in power until 2009. But Abe’s designs on the BOJ smack of a monetary jihad that would do more harm than good.

  Polls suggest Abe will get a second crack at running Japan after a Dec. 16 election. His first one, from 2006 to 2007, was an exercise in mediocrity and focused on education and military matters. Round two will home in on ending deflation. To Abe, that means opening the monetary spigot indefinitely.

  Abe may well revolutionize the central bank, though in unhelpful ways. He would get to pick the BOJ’s top three jobs, including replacing Masaaki Shirakawa with a more compliant governor. Yet Abe, in a series of comments, stepped way over the line of ignorance and veered into financial irresponsibility. Maybe the BOJ could do more. It might, for instance, pay greater attention to how the strong yen is gutting Japanese companies such as Sony and Panasonic, which Fitch Ratings Ltd. lowered to speculative grade on Nov. 22.

 11月28日(ブルームバーグ):自由民主党の安倍晋三総裁は、日本の産業界の象徴的存在であるソニーとパナソニックのジャンク級(投機的水準)への格下げに遭っただけでは不十分なのだろう。来月の衆議院選挙で首相に選出される可能性が高い安倍氏は、円相場でも同じことをするかもしれない。

 それが日銀に無制限の緩和を迫る安倍氏の願望の行き着く先だ。だが、日銀に金融政策上での聖戦じみたことを迫る安倍氏の狙いは利益よりも害をもたらすだろう。

 世論調査では12月16日の衆院選後に安倍氏が政権を奪還してもう一度チャンスを得る見通しが示されている。安倍氏が2006−07年に首相に初めて就任した当時の政権運営は平凡で、重点は教育と防衛問題に置かれていた。再び首相に就任すれば、デフレ終息に狙いを定めるだろう。安倍氏にとってそれは金融の蛇口を無期限で開くことを意味する。

 安倍氏は日銀に革命をもたらすだろうが、それは役に立たない方法によってだ。首相就任となれば、日銀トップ3人を選ぶ機会も得ることになり、白川方明総裁をもっと従順な総裁に交代させるだろう。ただ安倍氏は一連の発言の中で、無知の一線を越えて財政上無責任とされる領域に踏み込んだ。


 党首討論の発言を聞いていて気がついたのですが、あべしは政権の座にあった当時の日銀の利上げによってデフレが定着したと考えているようです。本文中で興味深いのは政権運営が"mediocrity"(月並み)と評価しているあたりでしょうか。あべしの第1期は、小泉政権下でスキャンダルがまるで出ずに欲求不満に陥っていたマスコミに付け入る絶好の隙を与えたという点で、月並みというより愚劣であったと思います。また、政策面では能力を超えてテーブルに政策課題を目一杯置いてしまったため、なにが焦点なのか、普通の人にはわからない状態になりました。この点は前任者と対照的と言ってよいでしょう。そして、「消えた年金」問題では、マスメディアを引き込むことに失敗して、安倍氏の失策として記憶されることになったのは、政治家として凡庸以下であることを示しているのでしょう。

Abe’s interest in creating inflation ignores the dilemma hovering over Japan: the largest public debt in the industrialized world. Let’s say Abe gets his wish and the BOJ achieves 3 percent inflation in short order. That would drive up the ultra-low borrowing costs on which Japan depends. Sub-1 percent bond yields are the glue holding together a rickety financial system. A jump in yields could devastate the economy and trash the yen.

That would end badly for a nation with a rapidly aging population, waning competitiveness amid China’s ascent and risk- averse public and corporate sectors. A chaotic plunge in the yen is in no one’s interest, least of all a government that needs to import more oil to offset the nuclear reactors that were taken offline after last year’s enormous earthquake.

The BOJ’s global clout is already in doubt. When it intervenes in currency markets or adds new stimulus, traders yawn. Making the BOJ a more formal creature of politicians, turning it into a People’s Bank of China, isn’t the answer.

 インフレ醸成に関心を示す安倍氏の姿勢は、先進国で最大の公的債務残高という日本のジレンマを無視している。安倍氏の望み通り日銀が素早く3%のインフレ目標をを達成したとしよう。日本の頼みの綱である超低水準の借り入れコストは押し上げられ、がたつく金融システムをつなぎ留めていた1%未満の債券利回りが急上昇すれば、日本経済は壊滅し、円は投げ売りを浴びる恐れがある。

 急速に高齢化が進み、中国の台頭で競争力が衰え、官民ともにリスク回避ムードが広がる日本にとって、それはひどい結末だろう。円が無秩序に急落すれば誰の利益にもならない。昨年の大震災後の原子炉運転停止で石油輸入を増やす必要に迫られる日本政府にとってはなおさらだ。

 日銀の世界に対する影響力も既に疑わしい。新たな景気刺激策を追加するなどしても、トレーダーはあくびする。中国人民銀行(中央銀行)のように、日銀が政治家に支配されるものにしてしまうことは解決策ではない。


 海外では3%のインフレ率を求めたという認識になっているんですかね。まあ、2%でも大してかわりませんが。頭がおかしいのがトップとなれば、円の信認が下がり、長期金利の上昇もあり得るのでしょう。この記事のような読みもありだとは思いますが、インフレ率が上昇してありがたいのは債務者である政府ではと。たかが2%でも、毎年、インフレ率が一定の割合で上昇すれば、消費税率を引き上げるよりも楽に債務負担が軽くなる一方で、税収も増えてたまりませんなあと。長期金利を見ている限りは、債券市場の中の人はあべしがなんか言ってるみたいと本気にしていない感じですね。円安のデメリットは日本国内ではまるで指摘されないので、まずい気がします。エネルギー政策でいくら原発の再稼働を打ち出しても、国内を説得するロジックが弱くてまずい気が。どの道、天然ガスや石炭、石油の輸入が増えるので、円高は悪いことばかりではないと思いますが。


Abe is backpedaling a bit. His call for the BOJ to buy construction bonds to support government spending ran afoul of many Japan watchers. Abe took to Facebook to clarify, a rare step for a Japanese politician and one that has many economists clicking the “like” button to follow his monetary musings.

Not that they necessarily actually agree with what he is proposing. One of the more pointed rebuttals came from former Finance Minister Hirohisa Fujii. At 80, Fujii is one the few policy makers who recalls growing up amid the insanity and devastation of World War II.

“The central bank underwrote the government’s war machine, allowing the government to fight foolish wars,” he said last week. Of Abe’s desire to alter the BOJ’s charter, Fujii added, “Revising the BOJ law would mean a revival of the 1942 legislation.” The law made the BOJ an instrument of government, a relationship that wasn’t really ended until 1997.

Scary stuff. It makes claims that Federal Reserve Chairman Ben S. Bernanke has gone too far look quaint. Hard-money enthusiasts, such as Texas Congressman Ron Paul, would be aghast at what Abe has in mind for the monetary authority that backs one of the three main international currencies. Compared with Abe’s expectations for his central bank, Bernanke looks almost hawkish.

 安倍氏は少しペダルを逆に踏んでいる。政府の支出を支えるために日銀に建設国債の買い取りを求めたが、多くの日本ウォッチャーと衝突し、フェイスブック で真意を明確にした。これは日本の政治家としては異例の行動で、金融についての安倍氏の考えをフォローする多くのエコノミストに「いいね!」ボタンをクリックさせている。

 安倍氏の提案に彼らが必ずしも実際に賛同したわけではない。鋭く反論した人たちの中には民主党の藤井裕久元財務相もいる。第2次大戦中の狂気と荒廃の中で育った数少ない政治家の1人である藤井氏(80)は先週、日銀が政府の戦費を賄うために国債を引き受けたことで、政府が愚かな戦争をすることを可能にしたと指摘。安倍氏が日銀法改正を望んでいることについて藤井氏は、改正することは中銀を政府の道具と位置付けていた1942年制定の旧日銀法の復活を意味するものだと付け加えた。


 フェースブックを使わないのでわからないのですが、ネットでの反応は確実に偏るので、あべしのように普通の意味で日本語のリテラシーが弱い人は使わない方がよいと思いますが。戦中に戻るのかどうかはわかりませんが、多分、日銀法を改正して「インフレ目標」を導入したところで、現状と大して変わらないだけで終わるのでは。変わるのは、あべし政権第1期では、日本版NSCは民主党の国家戦略なんとかと同じく看板倒れで終わりましたが、日銀の中の人が疲れ果ててミスを連発するんじゃないですかね。お気の毒ですね。

Has it not occurred to Abe and the LDP that monetary stimulus alone won’t revitalize Japan? There seems to be little recognition that deflation is a symptom of Japan’s two-decade- long economic drought, not its cause. Far more good would come from taking a fresh look at fiscal and tax policies. Ending Japan’s balance-sheet recession requires new strategies to increase demand from all directions.

 金融刺激策だけでは日本は再生しないと安倍氏と自民党は考えなかったのだろうか。デフレ は20年にわたる日本経済の低迷の原因ではなく症状であるという認識がほとんどないようだ。財政政策と税制を見直せばはるかに良い状況になろう。日本のバランスシート不況を終わらせるには、あらゆる方向から需要が増えるような新戦略が必要だ。


 日本の現状を「バランスシート不況」と認識しているようなので、この評論は外れの部分も多い気がします。まあ、社会保障でざっくり給付を3割減すれば、今の現役世代ももらえそうな水準になるので、年金不信は収まるのではと思いますが(70代以上はさらに不信を募らせるのでしょうが、もうもらいすぎでしょうし、そのうちry)。

The year ahead promises to be another rough one for the world economy -- no end in sight to Europe’s crisis, America’s recovery proceeding slowly and China struggling to support growth. As 2013 unfolds, economists will wonder what Prime Minister Yoshihiko Noda was thinking when he raised consumption taxes in such a shaky environment.

Why not put Japan’s next finance minister and BOJ chief in a room together and demand a new course? Japan’s debt already equals more than twice the size of the economy, and the days of trying to generate growth with huge public-works projects are over. So is the time when monetary stimulus could save the day. The financial levers must be re-assessed. The same goes for deregulating the economy with more-flexible labor markets and fewer barriers to trade.

Perhaps it’s all talk. Maybe Abe will pick up an Economics 101 textbook over the holidays and think better of hijacking his central bank. At the very least, Abe’s monetary fixation portends something troubling about his second turn as prime minister: He is coming to the job with some bad ideas. If only his Facebook (FB) page had a dislike button.

今後1年も世界経済にとって再び厳しい年になるだろう。欧州危機には終わりが見えず、米国の景気回復は鈍いペースで、中国は成長の下支えに苦慮している。2013年になれば、これほど不安定な環境で消費税を引き上げた野田佳彦首相は何を考えていたのかと首をひねるエコノミストも出てくるだろう。

日本の次の財務相と日銀総裁を一緒に部屋に入れて新しい道を要求してみてはどうか。日本の債務は既に経済規模の2倍強の水準にあり、巨額の公共投資で成長を生み出す時代も、金融刺激策が経済を窮地から救う時代も終わった。金融をてこにする方策は見直されなければならないし、経済の規制緩和についても同じことが言える。

安倍氏が休日に経済学の入門書を手に取れば、日銀を乗っ取ることを考え直すかもしれない。どう控えめに見ても、安倍氏の金融政策への執着は、不正確なアイデアを持って首相に再び就任するという厄介な問題の前触れだ。安倍氏のフェイスブックに「やだね!」ボタンがあればいいのだが。


 労働市場の柔軟化と国内市場の開放はやったらよいとは思いますが、労働市場改革はスペイン並みに外圧がないと無理じゃないかなと。あと、公共投資そのもので成長を促すのは無理だと思いますが、メンテナンスの財源確保をしないと、1970年代から80年代のアメリカみたいになりますから、使えない道路、通れない橋が増えないようにするのは成長を促しはしないものの、妨げない政策になるだろうと。国土強靭化は微妙で、復興予算の流用が増える可能性もあり、それとは区別してインフラのメンテナンスは行う必要があるのでしょう。

 金融政策の議論ですので、経済学の入門書でも読んで出直して来いという気持ちはわからないでもないのですが、それ以前の問題で、経済学を知らなくてもわかることが多い気がします。それ以前に、あべしはほとんどの政策課題についていらざる仕事を増やす傾向が変わらないので、現段階では時期尚早な感もありますが、根底から、絶望的に、総理大臣に向いていないのではないしょうか。まあ、なんでも、いいですけれど。


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2012年11月27日

日本の陰鬱な選挙

 金曜の晩に『ジョジョの奇妙な冒険』を読みたくなって、アマゾンでポチッと押したら、土曜日の昼に届きました。これが惨劇の始まりでして、息抜きに読む程度だったらいいかと思って、第1巻を読み始めたら、なんで午後2時から読み始めて、気が付いたら7時を回るとか、『ジョジョ』の方が私の時間を吸い取る吸血鬼ではないのかと。これではいけないと『ぷよぷよ』をやり始めて、やはりルルーの壁が厚くて、投げて、またアマゾンでポチ。第3部が日曜日に届いて人生終了ですね。まったくどうでもいいのですが、第2部の後半は大学に入ってから読んでいることになりますが、読み返すまでてっきり第3部まで高校生の時に読んでいたと思い込んでいました。スタンド(幽波紋)はかなり斬新で、少年ジャンプに連載当時、衝撃を覚えたのですが、大学生で読んでいたというのはやや幼稚かなと。ただ、40を過ぎて『ジョジョ』に再びはまるというのは、もはや厨二病の域でして、温泉ぷよを実践された某介党○Pには勝てそうにはないのですが、かませとしてはそこそこ頑張れるかもと思ったりします。いや、そんなことより、締め切りを1か月近く過ぎていて、25日までに決着をつけるとメールで書いて退路を断ったはずでしたが、この無様さになにも言葉が出ないです。こういう惨状を英語では"dismal"と形容するんでしょうか。

 それほど米紙の社説をきちんと読んでいるわけではないのですが(個人的にはFTを読むと妙な方向に誘導されやすい気がするので米紙だけで十分だと思います)、Wall Street Journalが2012年11月25日付で配信した"Japan's Dismal Election"という社説を読んで日本のメディアよりも頭でも納得できますし、なんだか憂鬱だなあと気分の根源が分かった感じです。月曜日の朝にプリントアウトしたのですが、"A version of this article appeared November 25, 2012, on page A16 in the U.S. edition of The Wall Street Journal, with the headline: Japan's Dismal Election."とあるので、てっきり日本版向けの記事かと思いきや、アメリカ国内で紙媒体で配信された記事でした。電車の中で読みながら、日本の新聞よりこちらの方が感覚が近いのでびっくりでした。ぶっちゃけ、経済政策で消去法で選ぼうとすると、すべての政党が消えてしまい、絶望的なんである。日本版の記事はググって下さいでもいいかなと思いますが、リンクを一応貼っておきます(参考)。

 それほど厄介な記事ではないのですが、冒頭で問題がよく整理されていて感心します。

  Its economy contracted by 3.5% on an annual basis from July to September, and slack exports and declining industrial production suggest another recession is coming. Demographic decline is well underway and Tokyo's fiscal position−with debt roughly twice annual output−appears ever more precarious. So it's a shame, as the Japanese head to the polls next month, that no candidate is offering even plausible solutions.

 7−9の実質成長率は年利換算で-3.5%だし、輸出も弱く、鉱工業生産は減少している。これは不況に入っていることを示している。他方で、人口減少が進み、GDPの2倍に上る日本の債務ははるかに脆弱さを増している。この問題を解くためのもっともらしい解決策さえ提示している候補者すらいないのが現状だ。


 日本版に日本語訳があるので、あえて訳をつける必要もないのですが、ざっくり問題を整理していて、最初ぐらいは訳そうかと。次に、各党の指導者の吟味ですが、まずは与党の豚から。で、豚は消費税率の引上げを成果として主張しているが、実質成長率3%という実現できそうにない条件に合意しなくてはならなかったとあります。実は、途中であほらしくなって「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」の成立の際のゴタゴタを追っていなかったのですが、日本版の文章にあるように、附則18条で「名目3%、実質2%」と盛り込まれていて、下記の下線部がありますので、鉛筆なめなめでどうとでもなるので、平成24年度でこれが実現できない場合、消費税率の引上げができないほどはないと思いますが、消費税率の引上げで景気が一時的にせよ、後退した場合、政治責任が重くなってしまう効果が生じますね。まあ、あべしが名目3%にこだわる理由の一つはこのあたりなんですかね。下記は、衆議院のサイトから附則第18条をコピペしたものです(参考)。

第十八条 消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる(下線は引用者による)。


 WSJは、豚が功績としている原子力への依存の低下についても容赦なく、世界で最も高い料金水準を課している地域独占の公益事業を改革する具体策がまるでないと切って捨てています。ただ、このあたりは、微妙な問題で、東京電力の営業エリアで電力使用率95%に達し、60Hz地域の電力会社から緊急に融通を受けたとなると、予報を大幅に超える気温の低下に広野火力発電所5号機の運転停止が重なった特殊な事例とはいえ、原子力発電所を運転しない状態をこのまま5年間も続けると、産業も家庭も滅茶苦茶になるのではと。ちなみに、東京電力の「本日(11月26日)の電力需給見通しおよび電力4社からの応援融通の受電について」というプレスリリースに事実関係が完結ですが、まとまっています(参考)。同じく東電の「でんき予報」から供給力の内訳を見ると、応援融通の内訳も掲載されており、北海道電力(5万kW)、東北電力(20万kW)、中部電力(20万kW)、関西電力(51万kW)の4社から計96万kWほど融通を受けたとあります。気象条件が一致しやすいので、北海道電力や東北電力が少ないのはやむをえないのでしょうが、中部電力と関西電力からの70万kWの融通がなければ詰みかねないという状況では、単なる自由化では問題が解決しないのではと思います。

 話がそれましたが、豚の次はあべしで、法人税率の引下げなどはWSJの好みに合うようでいいじゃないかという評価ですが、現実に税を払っている企業は少数だね、残念、残念みたいな感じでかなり冷たいですね。その前に、"Japan's Keynesian lost decades"(ケインズ派的な政策によって失われた日本の二十年)に戻ろうとしているという辛辣な評価があり、豚に対する評価よりも手厳しいです。WSJは、オバマ米大統領が初めて当選し、オバマブームが全米を覆っていた2008年12月に"Barack Obama-san"という社説を掲載するぐらいなので(日本の1990年代の財政政策による景気刺激が失敗に終わったという認識がベースにあります)、偏っているといえば偏っているのかもしれませんが。興味深いのですが、金融政策「論争」(論争といえるレベルかどうかは甚だ疑問ですが)には目もくれず、TPPにも反対では国内市場を開放し、競争的な環境を作り出すことにも消極的だととどめを刺しに来る感じです。TPPに反対する理由がコメ農家への配慮というのは一面的な印象もありますが、そのようにアメリカの識者に映っているだけで軽蔑を招くのでしょう。なお、「はてな」界隈というのは経済以外もダメではないかと思いますが、豚の失言よりも、次期政権を担うと予想されているあべしがあまりに痛いのではと。名目成長率を押し上げるというのは、消費税率を引き上げる環境を整えることが目的であって、民生のためではなく、税収を増やすためにみかけだけGDPを増やそうとしているとWSJは皮肉な見方を披露しています。あべしは、経済学士ぐらいはとっているはずですが、経済政策を理解する基礎能力を欠いているのですから、黙っていればいいのになと思います。

 第3極にそれなりに配慮しているのはやや意外でしょうか。私自身は、自民党と「熟年離婚」し、民主党という口だけの男に騙されて、残るは「第3極」ぐらいしかないので警戒していましたが、WSJは、将来性のある政治家がいるが政策がバラバラなのに烏合の衆になっているのを嘆いていて、やや意外でした。まあ、私の実感に比較的、近い社説を読んで、余計、憂鬱になりましたが。


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2012年11月13日

日はもう昇らない?

 Wall Street Journalが2012年11月11日付でTakashi Nakamichiの"Japan's Economy Shrinks in Quarter"という記事を配信していて、12日の午後にプリントアウトした記事が残っています。こちらは加入者限定記事でした。ところが、同じパーマリンクで現在、配信されているのは、"Grim GDP Figures Pile Pressure on Japan Officials"という記事です。こちらも加入者限定記事ですし、極端に論旨が変わったわけではないのですが、最初の記事の方が見通しが良いと思いました。元の記事を打ち込む気力もありませんし、有料会員限定の可能性もあるので面倒なだけですから、証拠は何もありません。Googleで検索しても跡形なく、当初の記事はキャッシュすら残っておりません。それでも、『日経』電子版の「はがれた緩和効果 日経平均底割れの見方は少なく」という記事に比べればマシだろうと。3か月で1万2千円以上を払って『日経』電波欲をするのかと考えると、本当にもったいない金の使い方をしてしまったと後悔することしきりです。

 例によって、唐突に話がそれますが、Washington Postのオピニオン欄にオバマ批判のコラムが目立っていてびっくりです。ちょっと、気が早い気もしますが、わからないでもないのですが。内政と外交の両方から失望感が漂っているので、2期目は本当に大変かもしれません。

 それはともかく、WSJの記事ですが、内閣府のサイト(豚政権になってから首相官邸の官公庁リンク集までいじられて使いにくくてしょうがないです)のこちらのページからPDFファイル等でダウンロードできます。実は、まともな解釈の前に、「時の最果て」としては、「寝言」というより、"conspiracy theory"に則った解釈をしたくなります。豚政権は愚かにも公債特例法案のように、緊急性が高いものの、党派間対立を克服するには大切な法案の成立の優先順位よりも、消費税率の引上げのように時宜にそぐわない政策を優先させました。数字そのものをいじらずとも、安倍ちゃんにこんなひどいことになってますよと役所から耳に入れれば、軟化するでしょう。特例公債法案を後回しにするという前代未聞の愚かな政権が経済危機を深めており、お人よしの安倍ちゃんが後始末の片棒を担ぐ羽目になっているのではと老婆心ながら心配になります。要は、公表以前に豚が役所から安倍ちゃんに「ご進講」させて特例公債法案に関する譲歩を引き出したのではという下衆の勘繰りですね。そうでなくても、これを廃案にするのは自民党も「返り血」を浴びるので、豚の失政のしりぬぐいに嫌でも付き合わされるといったところでしょうか(まあ安倍も日銀によこせよこせと乞食みたいな様子なので、もう一回ねじれ国会で下○しても同情のかけらもないのですが。豚の次は○痢となると、本当にツキに見放された国ですな。政治家だったら他人に要求する前に仕事しろというか、社会人の常識すらないんですかね)。

 WSJの記事は穏当でして、変更前の記事の大要は次の通りです。民間企業設備投資が大幅に置きこむ一方で公的資本形成は20%ちかい伸びを示している。財政制約もあり、追加的な政府支出の増加や減税は困難になっている。そのため、政治家は不満をためており日銀に圧力を強めている。しかし、金融政策も政策金利はほぼゼロに近い水準であり、金融緩和による景気刺激は期待できないと日銀は主張している。

 なお、内閣府が公開している資料では、2012年の7−9月期の年率換算の実質国内総生産(季節調整済)が514兆2706億円ですので、だいたい2010年の10−12月期の515兆2706億円を1兆円程度下回る水準です。ざっくり言ってしまうと、東北地方太平洋沖地震がなく、ゼロ成長が続いて、2012年の7−9で年率換算で0.2%程度、マイナス成長になっていれば、現在の状態だということになります。表現は悪いのですが、災害がなかったとしたら、こんなものではないでしょうか。予算規模こそ、バカみたいに膨れ上がっていますが、なんのご利益があるのかわからない支出ばかりが増えているようで、無暗に税で吸い上げて、無駄に使えば、経済成長には当然マイナスでしょう。だいたい復興予算の執行すら碌に監視できない政治家、人情として突っ込みづらい復興予算にたかる官僚と救いようがなく、信用しろという方が無理があるのではと。

 『日経』電子版は日銀の金融緩和の効果が早くも落ちてきたと主張したいご様子ですが(実はログインが面倒で読んでおりません)、バカ予算をさっさと組み替えて、日本企業が設備投資や研究開発投資を日本国内で行うのを妨げるインセンティブを取り除いていれば、少しはマシだったと思います。地震がなくても、家電製品や乗用車への補助を永続化するわけにはゆかず、いずれ打ち切りになるのですから、一時的に消費を喚起する政策から企業側の投資を妨げるインセンティブを取り除く政策に転換しなかったことは失政といってよいでしょう。

 財政政策・金融政策ともに手段が極めて限定されている状態で、なおかつ人口構成の変化などによる国内消費の低迷が続けば、2013年度もゼロ成長がやっとでしょう。おそらく、景気が低迷し、結果としてデフレーションの状態で2014年度以降の消費税率の引き上げを迎える可能性が高いと思います。日はもう昇らない時代をいよいよ迎えるのかもしれません。


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2012年07月18日

震災2年目のある日の電力事情

 いきなり暑気負けでぐだぐだな日々です。頭はたいして使っていないので疲れがないのですが、体が疲れて、いくら寝ても足りない感じです。火曜日に帰宅したら、なんと室温が午後9時で38度近くあって、驚きました。この気温でますます暑苦しくて申し訳ないのですが、私みたいなデブに抱きつかれている気分でして、節電とかそういったことは頭から飛んで、設定温度27度で冷やしましたが、室温が28度まで下がるのに、3時間近くかかりました。

 電力使用状況に関してはいろいろなサイトがありますが、とりあえず、ヤフーのページからデータを取り出してみました(参考)。下記の数字は、2012年7月18日午後1時現在のデータです。


北海道電力 使用電力 410万kW 供給電力 490万kW 使用率 83%
東北電力  使用電力 1128万kW 供給電力 1477万kW 使用率 76%
東京電力  使用電力 4643万kW 供給電力 5256万kW 使用率 88%
北陸電力  使用電力 474万kW 供給電力 554万kW 使用率 85%
中部電力  使用電力 2342万kW 供給電力 2695万kW 使用率 86%
関西電力  使用電力 2444万kW 供給電力 2902万kW 使用率 84%
中国電力  使用電力 1020万kW 供給電力 1191万kW 使用率 85%
四国電力  使用電力 465万kW 供給電力 548万kW 使用率 84%
九州電力  使用電力 1403万kW 供給電力 1592万kW 使用率 88%


 まずは需給が最も厳しいと予想される九州電力ですが、下記のリンク先から、九州電力のサイトで供給力の内訳をみることができます。2012年7月18日のピーク時供給力のうち、他社受電が333万kWと供給力全体の約21%と高い水準になっているのは当然でしょうか。融通は意外と小規模で、中部電力から10万kW、北陸電力から6万kWで合計で16万kWで、ちょうど地熱・太陽光など、いわゆる「代替エネルギー」と同程度のようです。トップページのヘッドラインが計画停電の有無を知らせる仕様になっているなど、逼迫した状態であることを象徴していると思いました。

(九州電力の供給力の内訳:PDF)
http://www.kyuden.co.jp/power_usages/pdf/20120718_forecasts_detail.pdf?date=20120718134903

 次に関西電力ですが、他社と比較して、データが非常にわかりづらいです。平成24年5月19日付の「今夏の需給見通しと節電のお願いについて」というPDFファイルがあるのですが、現時点での供給力の内訳は公表されていないです。関西電力大飯原子力発電所が再稼働しないという前提の数字しかないのですが、「供給力確保の状況(8月)」というスライドでは他社・融通が644万kWと供給力全体の25%を占めています。関西電力の回し者ではありませんが、大飯原子力発電所の再稼働せず、今夏の気温がが2010年並み(今の暑さを経験すると、2010年を超える気がしますが)となれば、計画停電が常態化するのは必然ともいえるでしょう。愚鈍な豚政権が消費税率の引上げを最優先事項にして、原発の安全対策など喫緊の課題を後回しにしたツケでしょうが、現状では原発の再稼働をするなというのは、近畿地方で計画停電を毎日のように実施して、産業と生活を麻痺させよというのに等しい結果を招くことに注意が必要だと思います(近畿地方の方に恨みはないのですが、あえて再稼働をゴリ押しせずに、放置してまとまった人口を抱えた地域で本格的な電力供給不足が長期間にわたって続いた場合、先進国とは思えないほど荒廃するかどうか、実験してみたら、電力会社の出している電力需給の見通しは原発を再稼働させるための「脅し」で、恣意的なものだというお気楽な批判への、これ以上わかりやすい「現実」を見せる機会を失いつつあることは残念ですが)。

「今夏の需給見通しと節電のお願いについて」(関西電力)
http://www.kepco.co.jp/pressre/2012/pdf/0519_1j_01.pdf

 地味に、他社を支えているのが中部電力といった風情でしょうか。7月18日の他社受電が161万kWです(参考)。この数値は、応援融通の46万kWを差し引いた値だと思いますが、ピーク時供給力の約6%で、自前ではかつかつですが、他社受電があれば、応援融通が可能という状態です。関西電力へ36万kW、九州電力へ10万kWほどですが、応援融通をしており、関西電力ならだいたい火力発電の2基分程度というところでしょうか。

 トップページに「『エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会』での当社社員発言について」というお知らせがあります。まあ、この件については書きたいのをずっと抑えていましたが、中部電力自身が「当社社員の個人的、自主的な参加である」と述べている同じ文書で、「当社社員の意見の中に、福島第一原子力発電所事故の被災者の方々のお気持ちを傷つけるような不適切な発言があったことに関して、深くお詫び申し上げます」とお詫びするのは失敗ではないかと。以前から、リアルでは「震災ファッショ」と呼んでいて、そういうことは言わない方がいいと色々な人に忠告を受けましたが、菅のなんの法的根拠に基づかない浜岡原子力発電所の停止要請以来、戦争前の昭和期というのはこれよりきつかったんだろうなあと。「日本型ファシズム」というのは東条英機のような無能な働き者によって完成するというのが持論ですので、豚が首相になってから、こいつみたいなやつが「震災ファッショ」を完成させるんだろうなと思いながら見ていましたが、想像以上にひどいので、国内は見ないようにしております。

 東京電力は、下記のPDFファイルによると、他社からの受電もなければ送電もなく、アウタルキーですな。さすがに、値上げを要請している電力会社が他社への送電どころではないといった風情でしょうか。料金値上げに節電要請ではさすがに首都圏がもたないでしょうから、本当は今年あたりで一休みというのが理想ですが、地味に供給電力の上乗せも限界にきているので、九州電力や関西電力よりも余力があるとは思うのですが、微妙な感じがします。

http://www.tepco.co.jp/forecast/html/pdf/0718uchiwake-j.pdf

 分析というほどのことは無理なので、ざっとデータを追うだけに留めました。それにしても、夏がヤバいとは思っていましたが、帰宅時でまさか37度を超えるとはね。窓を空けてでかけているのですが、涼しい風を取り入れるのが難しいようで、今更ですが、日除けのやり方を根本から変える必要がありそうです。


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2011年05月23日

全国に広がる「不安定供給」の輪

 土曜日にさらなる節電対策として、照明器具の清掃を行いました。これが大失敗でした。汚れがひどい部分があったので、エタノールで溶かそうと吹きかけたときに、勢いが強すぎて、インバータ部分に入ってしまったようです。意味もなく朝6時に目が覚めて、極めて眠たい状態だったので、ふきんに吹きかけずに、つい照明器具のほうに直接吹きかけてしまい、まずいかなと思いましたが、後の祭りでした。豆球は点灯するのですが、肝心の蛍光灯がやられてしまい、困り果てました。ふと気がつくと、仕事部屋の蛍光灯は、吊るすタイプで2005年ごろに買ったのでしょうか。蛍光灯部分を見ると、初期状態から買い換えた形跡がなく、6年近くもった計算になります。年をとったせいか、夜に弱くなりつつあるのですが、この物持ちのよさは異常でありまして、さすがに。しかし、昼は問題がないのですが、夜になると困るので、ネットで取り寄せようとすると、当たり前ですが、即日配達が可能なはずもなく、省エネ性能と価格比を考えて、LEDシーリングライトは除去。蛍光灯でも6年ぐらいもってしまう家にLEDは不要でしょうと。普通の蛍光灯のシーリングライトは昔に比べて価格が下がってお手ごろ感があったので、1万円前後をターゲットに物色して、パナソニックのものがよさそうだったので、そのまま家電量販店にでかけました。

 店に行く前に、だいたいの値段の目安はつけていたので、店頭価格を見ながら、ちと高いなあと。思い切ってLEDもありかなあと迷っていたら、パナソニックのシーリングライトの値札を店員さんが上から張り替えていました。家電量販店で「タイムサービス」というのはびっくりですが、9000円弱に下がって、お買い得だわ、みたいな感じ。念のため、説明を聞いて、暖かめの色の方が省エネ性能が若干、上のようでしたが、実家の経験上、活字を読むには暗いので、リビング向けかなと。持ち帰ることが前提だったのですが、相変わらず寝ぼけていたので、重量の確認を忘れていて、梱包が終わって大丈夫かなと思ったら、ありゃまの軽さ。店員さんも苦笑いしていました。冷静に考えれば、金具なしで吊るすのと同じわけですから、そんなに重いはずもなく、かさばるのを除けば、3kgもあるかどうか。寝不足の状態である自覚をもちながら、何度も取扱説明書を読んで、取り付けてみると、びっくりの明るさです。天井からの距離が離れたはずなので、暗く感じるかなと思ったのですが、100%ではやや明るすぎるぐらい。手元のスタンドなしで本を読んでも、苦痛にならない。手元のリモコンで、調節すると、6割程度ぐらいで十分でしょうか。これで本当に電力消費が減るのかしらんという気もします。それにしても、リモコンがやたらと増えてしまい、最近は扇風機にまでリモコンがついているので、頭痛がします。他方、明るさの調整が手元でできるのは便利でして、今頃、紐を引っ張って明るさを調節するのは時代遅れなんだなあと苦笑しました。一番、明るくしたり、暗くしたりと遊んで、すぐに飽きてしまいましたが。

 菅直人内閣総理大臣の「政治主導」(真面目に海水で再臨界って頭がおかしいレベルではと思うのですが、斑目さんも涙目(笑))で、浜岡原子力発電所の運転停止を実質的に強制された中部電力さんはいよいよ綱渡り状態ですなあ。『朝日』が2011年5月23日付で配信した記事です。

 中部電力は23日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止で不安視される7〜8月の電力供給について、約5%の供給余力を確保したと発表した。ただ、適切とされる8〜10%の余力を大きく下回り、家庭や企業に夏場の節電を呼びかける。

 中部電によると、7〜8月のピーク時の管内電力需要は最大2637万キロワット。原発停止で63万キロワットの電力が不足する計算だった。東京電力への電力融通を止めるなど対策を進めても余力は2%に過ぎず、今回、さらに対策を打ち出した。

 老朽化で停止中の火力発電所を再稼働させたり、稼働中の火力発電所の定期点検時期をずらして発電を継続したりして、新たに73万キロワットの供給力を上積みした。7月のピーク時でも2763万キロワットの供給力を確保し、供給が需要を約5%上回る。


 名古屋の夏は、地味に厳しいのですが、まじめにまずいのではというレベルです。それにしても、現時点で供給余力が5%しかないとなりますと、35度を超える日が連続すると、アウトではと。東北電力や東京電力以外の管区で「計画停電」の悪寒が走ります。

 ちなみに、震災直後は、60ヘルツ地域の電力各社のサイトのトップページに省エネ・節電のお願いがなかったと記憶しております。現在では、節電のお願いがトップページにないのは、関西電力・中国電力・四国電力の3社だけです。そして、海江田万里経済産業担当大臣が中部電力浜岡原子力発電所の運転停止時に提唱された「玉突き送電」の主力とされた関西電力さんも陥落寸前というところでしょうか。『朝日』が2011年5月19日付で配信した「大阪の地下鉄、間引き運転検討 市、最大2割節電試算」という記事では、大阪市交通局が大阪市の事業全体の消費電力の約3割を占め、朝のラッシュ時に「間引き運転」を検討しているとのこと。ちなみに、実際には御堂筋線は対象外とのことで、大阪市内にお住まいの方はご安心を。確か、御堂筋線の他に営業黒字を計上しているのは2路線もあるかどうかなので、「間引き」のおかげで営業赤字が多少は減るというソロバン勘定があるのではとついつい大阪の話だけに邪推が入りますが。ちなみに名古屋市はこれ以上、赤字路線を増やさない方がよいと思うのですが。

 それにしても、照明器具を買い換えると、節電は運用以外にない状態ですね。エアコンは昨年の6月に故障したおかげで、当時で最も省エネ性能が高い機種に買い換えたばかりですし、悪口を散々、書いたエコポイントについつい釣られて、冷蔵庫にテレビと昨年に買い替え済み。あとはPCのスペックを落とすぐらいかなあ。それとも、冬場は発熱が素晴らしい昔のPhenomに代えるとか。あてにならない私の直感では、今年の夏は昨年よりは穏やかな猛暑が続いて、気温が突然下がる日がやってくるという不安定な季節になりそうな気がします。あくまで気のせいです。

 しかし、5月分の請求書を見て203kWも電気を消費していたのかとショックでした。もっとショックだったのは、それでも昨年と比較すれば40kW近くも消費量が減少していたことですが。ううむ、節電は容易ならざる道と自覚する日々です。


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2011年05月09日

中部電力浜岡原子力発電所運転停止による九州地方の電力逼迫

 番勝負としても第69期将棋名人戦への興味が薄れていたので、イランからチュニジアに至る「アラブの春」(イランがアラブ世界に属するのかは微妙ですが)の話を整理しようと考えておりました。突然、気でも触れたように、菅首相が中部電力浜岡原子力発電所の運転停止を中部電力に要請したので、電力融通は大丈夫でしょうねと気になりました。いわゆる「東西融通」に気をとられておりましたので、かなり毒気の強い「寝言」(それでもだいぶ抑えたつもりですが)を書きましたが、まさか九州にまで影響がおよぶとは想像しておりませんでした。『西日本新聞』が2011年5月8日付で自社サイトに配信した「九電、中部電から電力融通 浜岡停止なら困難に 九州の供給懸念」という記事の全文を引用しておきます。

 九州電力が5月に入り、電力の供給不足に対応するため中部電力から40万キロワット程度(一般家庭15万戸分相当)の電力の融通支援を受けていることが7日、分かった。中部電力は、政府による浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止要請を受け入れれば供給余力が一転して逼迫(ひっぱく)するため、九電への融通継続が難しくなることが確実。原発3基が同時停止する九州の電力不足への懸念がさらに強まることになる。

 関係者によると、福島第1原発事故を受け、九電は定期検査のため停止した玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)の運転再開を3−4月に予定していたが延期。一方で夏場の電力最需要期を控え、石油などの代替燃料の量的確保が見通せず、少しでも燃料の使用を抑えるため、5月初めから当面1カ月の期間で余力のある中部電力などと契約した。北陸電力からも数万キロワットの融通を受けているもよう。

 中部電力は東日本大震災後、東京電力への融通を始め、現在も続けている。だが突然の浜岡原発停止要請を受け、中部電力は「全面停止すれば供給力が不足し、一般論として他社への融通は難しくなる」(広報部)として中止する方針。九電への融通も予定通り続けるのは困難な情勢だ。

 政府は関西電力に中部電力への供給支援を要請したが、関西電力も美浜原発(福井県美浜町)などの運転再開のめどが立っておらず「むしろ需給は逼迫しており、支援する余裕はない状態」(電力業界関係者)といい、電力各社で供給不足が連鎖的に拡大する様相を呈している。

 九電は玄海2基に続き、今月10日から川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)も定期検査に入るため、原発6基中3基が停止する見通し。佐賀県などに再開の理解を求めるのと併せ、大口需要家などに大幅な節電要請を行う検討を本格化する。

=2011/05/08付 西日本新聞朝刊=


 九州電力玄海原子力発電所の2基が定期検査から運転再開の見通しが立たず、中部電力と融通を予定していたのは意外です。さらに川内原発も定期検査に入るとのことで、九州電力が原子力発電所を6基も保有していたこと自体、知らなかったのですが、かなり厳しい状態でしょう。原子力発電所が定期検査から運転を再開する際に、国と都道府県、自治体と電力会社の関係を理解していないのですが、震災後では運転再開に慎重になるのはやむをえないところでしょう。

 下の表は、九州電力のサイトから発受電電力量に関するデータをこちらのページからエクセルデータをダウンロードして加工してものです。率直なところ、九州電力の発受電電力量のうち、約4割が原子力発電で占められているのは驚きです。1999年度までのデータをたどっても、火力発電による発電量が原子力発電による発電量が上回ったのは、2010年度だけです(火力:377億1100万kWh 原子力:373億7500万kWh)。乱暴に表現すれば、定期検査とはいえ、原子力の発電能力が実質的に半減してしまうと、需給が逼迫するのはほぼ自明といってよいのでしょう。

 興味深いのは火力発電による発電量の推移で、減少している期間が、2008年度から2009年度にかけては、発受電電力量とともに減少しています。景気後退による電力需要の減少に火力発電の増減で対応していたと推測できます。また、2000年度には融通が33億5000万kWhほど他社へ融通していましたが、2009年度には600万kWhほど他社からの融通を受け、2010年度も他社への融通が上回っていますが、7100万kWhにとどまっています。融通の詳細はわかりませんが、震災とは無関係に減少傾向にあり、管内で供給能力に制約が生じた場合、融通を受電する側に回る可能性が高いことを示しています。

kyuden2006-2010

 なお、需要面から見ると、2010年度では業務用が販売電力量の約23.2%を、産業用が約34.7%を占めています。両者の合計は、2010年度の販売電力量の約57.8%を占めており、『西日本新聞』にあった「大口需要家」への節電の依頼を行うという趣旨の記述を裏付けているのでしょう。他方、業務用・産業用の節電が必至となれば、地元の企業への打撃も大きく、例えばトヨタ自動車などは九州に大きな生産拠点を置いていますから、電力不足が万が一、長期化した場合には、そうではなくても進んでいる海外移転をさらに加速させるでしょう。中部電力浜岡原子力発電所の運転停止は、中部電力管内だけではなく、他地域への波及も大きく、日本の経済に大きく水を差すリスクがあります。日曜日の繰り返しになりますが、「苛政は虎よりも猛なり」をしみじみ実感します。


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2011年05月08日

電力融通の現状に関する「寝言」

 リプライで意を尽くさない点がありましたので、いくつか補足をしておきます。まあ、データをとれない部分が多いので、憶測が多いのですが。

 「新報道2001」で海江田経産相は、次の認識を示しました。(1)東京電力が東北電力に融通している。(2)仮に中部電力浜岡原子力発電所が運転を停止しても中部電力等からの融通はこれまで通り実施し、関西電力から中部電力への融通を促す。どうも、(1)が怪しいですね。

 東北電力の「平成23年3月の供給力概要」を見ますと、2011年3月全体の融通は1億5000万kWhです。3月11日以前と以後の差などがあるので乱暴であはありますが、ざっと見て1時当たり平均20万kW程度の融通を受けた計算になります。

http://www.tohoku-epco.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2011/04/28/at2.pdf

他方、北海道電力のプレスリリースは、2011年3月13日から北本連系設備を利用して本州本面に最大60万kWの融通を行っていると公表しています。供給量のデータが見当たらないので、実績値がわかりませんが、仮に、東北電力が主に受電していたとしても、最大容量のすべてを融通していたとは考えづらく、東京電力にも実質的に融通されていたのでしょう。ここは憶測にすぎませんが。

http://www.hepco.co.jp/info/2011/1187601_1445.html

東京電力のプレスリリースは、福島第一原子力発電所に関する発表にほとんどを割いているため、残念ながら基礎データを含んでおりません。このため、誤っている可能性もありますが、次のように考えます。

(1)東京電力管内の需要家は、60Hz地域のみならず、北本連系からの融通によって恩恵を被っている。

(2)海江田経産相は、仮に浜岡原発が停止しても、東西融通を行うと明言している。

(3)中部電力・関西電力管内で電力需給が逼迫した際のことには明確に述べられておらず、首都圏の電力確保に最も高いプライオリティが置かれているように映る。仮に、今夏、全国的に猛暑が襲った場合、23区内は通常通り冷房が行われていても、中部地方や近畿地方で計画停電が実施される可能性が排除されていない。

 まあ、(3)は菅首相のみならず(この方に原発のみならず電力問題を理解することを期待すること自体が時間のムダ)、海江田経産相も菅首相から突然、言われて事態を把握できていないのではという単なる嫌味ですが。東京電力と中部電力の融通は公表されていないので、わからない部分が多いのが実情です。経済産業省が、無能な政治家による「政治主導」を排除して、全国的な視野で電力各社に融通を促していれば、次の可能性が高いのでしょう。

(4)東北電力の発電能力は女川原子力発電所の停止をはじめ、大幅に低下しているため、北本連系からの融通そのものは最大で60万kWhにとどまるが、北海道電力からの融通に依存している。

(5)周波数変換所から60Hz地域から東京電力が融通を受け、融通された電力の全部ではなくとも、部分的に東北電力に融通を行っている(東西融通の電力を東北電力に直接、融通しているという意味ではない)。

(6)中部電力浜岡原子力発電所の運転を停止した場合、東西融通の余地が少なくなり、被災地が集中している東北電力管内の需給がさらに逼迫する可能性がある。とりわけ、今から東北電力管内の復旧を重点的に行わない場合、需要のピークを迎える冬季が厳しい可能性がある。

 東西融通そのものは最大で100万kWhですから、被災地に与える影響はそれほどではないのかもしれません。他方、先の東北電力のデータによれば、2010年3月期には9億2100万kWhほど他社へ融通していたのが、2011年3月期には1億5000万kWhほど融通を受けていました。3月期でさえ、東北電力が、おそらくは東京電力向けでしょうが、他の電力会社向けに、現在、融通を受けている電力量の6倍もの電力を融通していたのが、逆に、融通を受ける状態です。震災による電力需給の逼迫は被災地が集中している東北電力が深刻な状態であり、復興をめぐる議論であまり問題にならないこと自体が不思議です(太陽光発電や風力発電を促進するとか、東京のテレビ局というのは、地理的には近くても所詮は他人事ですから無責任ですなあ)。

 ちなみに、中部電力の発受電量に占める原子力発電の比率が低いこと自体は事実ですが、2011年3月期には、水力発電の落ち込みが大きい要因とはいえ、15.8%を占めています。この分を火力発電で代替するのは容易ではないでしょう。今回の騒動は、菅首相の場当たり的な対応に振り回されているだけだと思いますが、しみじみ「苛政は虎より猛なり」を実感します。

http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3154221_6926.html


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2011年04月25日

震災への地域間の温度差

 東北地方太平洋沖地震から1か月が経過して、震災に関する地域間の温度差が目立ってきているように思います。一例ですが、『時事』が配信した「復興税、賛成57.4%=内閣支持、20.5%−時事世論調査」という記事では、復興に要する財源の創設に賛成が57.4%(「どちらかといえば賛成」)、反対(「どちらかといえば反対」)が38.6%という結果です。

 この調査と単純な比較は困難ですが、フジテレビの「新報道2001」の調査では首都圏の男女500人を対象とした調査で、「東日本大震災の復興財源確保のため、政府・民主党内では、消費税を増税する案が浮上しています。あなたはどう思いますか」という設問に対して、賛成が46.0%に対し、反対が48.6%となっており、わずかではありますが反対が賛成を上回っています。ただし、「新報道2001」の調査の場合、『時事』の調査のように、「どちらかといえば賛成(反対)」という選択肢がないため、全国的な傾向との単純な比較はできないのでしょう。

 『時事』の調査では、菅首相の指導力や東電の対応に関しては賛否がはっきりする傾向にあるのに対し(賛否両論をあわせて95%を超える)、内閣支持率に関しては支持と不支持を合計しても82.1%です。18%程度の人が態度を保留しているのと比較すれば、復興に関する財源については全国的には賛成、あるいはやむをえないという傾向があるといってよいのでしょう。これと比較すると、「新報道2001」の調査では内閣支持率に関しても、「わからない・その他」が6.0%と低く、調査の方法の相違なども考慮すると、やはり単純な比較は困難でしょう。

 もっとも、大雑把な傾向としては、全国的には復興に要する財源として増税も容認する傾向が強いのに対し、首都圏では容認できないとする傾向が容認できるとする傾向と同程度だという程度の相違はあるのでしょう。


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